国内女子ツアー第6戦「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日、2打差を追って3位からスタートした上田桃子が3つスコアを伸ばし、逆転でツアー今季初優勝。
昨年5月以来、ほぼ1年ぶりとなる通算17勝目となった。3週連続優勝がかかっていた西郷真央、昨年覇者の稲見萌寧らが2位タイで続いた。
画像: 今季好調の西郷、昨シーズン賞金女王の稲見を抑え、堂々の優勝(写真は2022年 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 撮影/大澤進二)

今季好調の西郷、昨シーズン賞金女王の稲見を抑え、堂々の優勝(写真は2022年 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 撮影/大澤進二)

2日目を終えた時点で2位に大里桃子、3位位に上田、岸部桃子が並び、“桃子対決”としても話題を呼んだ最終日はベテランが力をみせつける一日となった。「絶対に勝つんだという強い気持ちで戦えたのが良かった」という上田は1番パー5で残り210ヤードから2オンに成功してイーグル発進。続く2番パー3でもバーディを奪う強烈な先制パンチで首位に立つと最後までその座を譲らなかった。

若手の台頭が続くなか、35歳になっても変わらぬ強さに長年、間近で上田を見てきた辻村明志コーチは「やってみなきゃわからないじゃないですかと、いいと思ったものにはつねに取り組んでいく。そんなブレないところには頭が下がります」と話す。変化を恐れず、進化を続けてきた証が上田自身もベストショットのひとつに挙げた1番ホールの2打目に隠されていた。

「“ドローの桃子”というイメージがあると思いますが、球筋は年々ストレートに近づいて、チャンスにつけられるピンの位置が増えています。1番の2打目は気持ちよく振っただけでは止められない。スピンを入れにいったショットです」。左足下がり、つま先上がりという難しいライからの2オン成功は一日を占うだけでなく、オフに取り組んできたことへの手応えを感じる1打となった。

画像: 持ち球のドローは年々ストレートに近づき、アイアンはしっかりとスピンが利いた球に。国内メジャー制覇に期待がもてる

持ち球のドローは年々ストレートに近づき、アイアンはしっかりとスピンが利いた球に。国内メジャー制覇に期待がもてる

今季はシンガポールでの米女子ツアー「HSBC女子世界選手権」(13位)で初戦を迎えたことで、国内ツアーの開幕2試合を欠場した。「どこに目標を置き、モチベーションを維持していくかというのは年齢とともに大事になってきます。HSBC出場は昨季の国内ツアーの優勝で手にした権利で(2~3月の)キャンプ中からそこをターゲットのひとつにしていました」。目指す試合があったからこそ、練習に熱が入り、例年以上に仕上がった状態でキャンプを打ち上げることができた。

目標となる試合はひとつではない。いまだ果たせていない国内メジャー制覇は上田の大きなテーマだ。「キャンプの最後に“メジャーを取ります”と宣言していました。実際に勝つのは難しいことですが、目標を口にするから力になる。はっきりと言い切ってそこに向かっていくことに価値があると思います」。国内メジャー初戦は1か月後。進化を続ける上田がさらに気持ちのこもった戦いを見せてくれることは間違いない。

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