「本気でスウィングをよくしたい」というユージが、スウィング解析システム「GEARS(ギアーズ)」を活用しながら勝又優美プロのレッスンを受講することに。最新機器による計測でわかった、ユージのスウィングの課題とは?

――GEARSは、高精度カメラを8台使用した光学式のモーションキャプチャ計測システムで、スウィングを多方向から3Dで測定し分析するため、スウィングの軌跡、インパクト位置やフェース面の状態、ヘッドスピード、シャフトしなり、フェース方向、クラブ軌道などを完璧にチェックできてしまう機器。

最初に、反射マーカーが付いたベストやキャップなどを装着しして、頭の上からつま先まで、全身にセンサーをつけた状態でユージのドライバーショットを計測。これで得られたユージのスウィングデータをグラフ化したものと、ツアーアベレージというUSPGAツアーの20名の平均値とを比較することに。

画像: 光学式のモーションキャプチャシステム「GEARS」でスウィングを解析することになったユージ。頭の先からつま先まで、至るところにマーカーを装着し、スウィング中の体の動きをチェック

光学式のモーションキャプチャシステム「GEARS」でスウィングを解析することになったユージ。頭の先からつま先まで、至るところにマーカーを装着し、スウィング中の体の動きをチェック

勝又プロ:計測結果をチェックしてみると、まず「シャフトデフレクション(たわみ)」というスウィング中のシャフトのたわみを表す波形がほぼ同じ形になっているんです。

ユージ:あ、本当だ! これで何が分かるんですか?

勝又プロ:これはクラブを加速させる動きが上手いということなんですね。

ユージ:いいじゃないですか!

勝又プロ:次に「ボディグラフ」ですが、これは体の使い方をみています。Xファクターというスウィング中の肩と腰の捻じれ差を表す数値が切り返しの時にMAXになっています。これは飛ばせる人の特徴で、それもうまくできていますね。

ユージ:へぇ~。

勝又プロ:あと、「キネマティックシークエンス」というスウィング中の体の加速状態がグラフで分かるんですけど、コレを見ると最初に加速して欲しい腰、腕、そして最後にクラブが加速していることがわかります。この動き方もいいですね。

ユージ:本当だ。ひと言で表すのは難しいかもしれないですけど、僕のスウィングは今、どういう状態なんですか?

勝又プロ:そうですね、「飛ばせるスウィング」です。

ユージ:その基本はできているわけですね。でも、飛ばしも大事なんですけど、これからはスコア安定系のスウィングにいきたいんですよね。

勝又プロ:わかりました。じゃあスコア安定系スウィングにするにはどうすればいいかというのをやっていきましょうか。

ユージ:お願いします。

――続いては計測によって得られたスウィングデータから“アバター化”したユージと、ツアーアベレージのアバターとを画面上に映しだして、そのスウィングを比較してみることに。するともっとも差が出たのがトップオブスウィング時の形だった。

ユージ:アレ! トップの形が全然違いますね。僕のほうが手の位置が高いです。

勝又プロ:そうですね。飛球線の後方からの映像でチェックしてみると、とくに見て欲しいのが右ひじのポジション。アドレスの時にひじとボールを結んだエルボーラインに対して、ツアーアベレージはトップでそれよりも右ひじが下に来ていますよね。でもユージさんは右ひじが高くなっています。こういう形になると切り返しでアウトサイド軌道になるんです。

画像: トップでの右ひじのポジションが高すぎると勝又プロは指摘。これがアウトサイドイン軌道になってしまう原因だという

トップでの右ひじのポジションが高すぎると勝又プロは指摘。これがアウトサイドイン軌道になってしまう原因だという

ユージ:外から内側にカットに入ってくる軌道ですね。

勝又プロ:そうですね。このまま外からいくとクラブを地面に打ち込んでしまうので、途中でユージさんは体を起こしてオンプレーンに軌道を修正させているんです。

ユージ:あ~、前傾がなくなっている。コレ、まさに僕のスウィングです。

勝又プロ:もう体が直立して「気をつけ」の姿勢になっていますよね。それに比べてツアーアベレージは前傾角度を保って「くの字」の形になっていますよね。

ユージ:コレ、直したいんですよ。

――「GEARS」は多方向から映像でのチェックが可能ということで、次は上(天井)からスウィングを確認することに。

勝又プロ:トップオブスウィングの時に、両肩を結んだ線とシャフトラインが交差した時にできる角度を見ると、ツアーアベレージは75度くらいなんですけれど、ユージさんは90度くらいなんです。

ユージ:この角度が大きくなるとどうなるんですか?

勝又プロ:角度が大きくなるほど、切り返しでクラブヘッドが大回りしてくるので、軌道がアウトサイドから下りてきやすくなるんです。

ユージ:なるほど。トップでクラブが回り過ぎのオーバースウィングになっているのがよくわかりますよね。だからアウトサイドから来るのか。

――次に、体の背後からの映像でこのオーバースウィングの原因をチェックすることに。

勝又プロ:そのオーバースウィングになる原因が腕の使い方なんです。ユージさんの場合、トップスウィングで右ひじの位置が右肩よりも高い位置に上がっていますよね。でもツアーアベレージは右ひじが右肩よりも低い位置にあるのが分かりますよね。

画像: 右ひじが右肩より高くなっているぶん、ヘッドの位置が地面側に下がってしまう。これがオーバースウィングの原因だという

右ひじが右肩より高くなっているぶん、ヘッドの位置が地面側に下がってしまう。これがオーバースウィングの原因だという

ユージ:本当だ。トップで右ひじが高くなっているぶんだけ、ヘッドが地面側に下がっているのがよくわかります。これだとダウンスウィングで戻すときにロスが出てきますよね。

――最後に、再び飛球線後方からの映像に切り替えて、ダウンスウィングでのクラブの動きをチェックする。これでオーバースウィングがいかにスウィング中に動きのロスに繋がっているかがよくわかるという。

勝又プロ:ツアーアベレージはトップからダウンにかけて、終始エルボープレーンのやや下をほぼ平行にクラブが下りてきています。余分な動きがなく、スッとクラブが下ろせていますよね。

ユージ:本当だ、プレーンに平行に下りてきていますね。

勝又プロ:いっぽうユージさんの場合は、オーバースウィングで高いトップの位置からプレーンに向けてクラブを急激に下ろしてきて、そして最後は体を起こしながらクラブを寝かせてプレーンに合わせているというのがわかりますよね。

画像: ユージオーバースウィングの高いトップ位置からスウィングプレーンに向けてクラブを立てて急激に下ろしたぶん、体を起こすことでクラブを寝かせて補っている。この余分な動きがスウィングの正確性を落とす原因になっているという

ユージオーバースウィングの高いトップ位置からスウィングプレーンに向けてクラブを立てて急激に下ろしたぶん、体を起こすことでクラブを寝かせて補っている。この余分な動きがスウィングの正確性を落とす原因になっているという

ユージ:確かに。でもよく最後に合わせて打っていますね。ある意味、器用だなぁ。あ、そういうことじゃないか。

勝又プロ:では今回の「GEARS」を使って分かったユージさんのスウィングの課題をまとめてみましょう。まずユージさんのスウィングは、オーバースウィングの高いトップから切り返しでクラブを立ててアウトから下ろしています。そして途中からは体を起こしてクラブを寝かせる調整を入れてインパクトを合わせにいくというスウィングです。スウィング中にこの調整を入れているぶんだけ、ショットの正確性が悪くなっているということなんですよね。

ユージ:ツアーアベレージと比較することで、いかに自分のスウィングがロスをしているのかがよく理解できました。

勝又プロ:この余分な動きをなくすことでショットは安定するし、もっと飛距離も伸びると思いますよ。

ユージ:わかりました。じゃあ次回、そのあたりの指導をよろしくお願いします。

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