パターはソールを接地させて構える。多くのゴルファーが自然とそうしていることだろう。だが、「じつはソールを浮かせて構えるのもアリですよ」というのは武田登行プロ。いったいどのようなメリットがあるのか。シングルハンディの腕前をもつイラストレーターの野村タケオが試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフって同伴者のプレーを見ていると、ちょっとした疑問がわくことがありませんか? 自分と違う動作をしていると、そっちのほうがいいのかな~なんて思ったり。

そんなことのひとつに「ソールする? しない?」問題ってのがあります。それってドライバーショットのときに言われることが多いのですが、じつはパッティングのときにもアドレスでソールを地面につける人と浮かせる人がいるんですよね。

僕は地面につけているのですが、浮かせてアドレスすることで、どんなメリットがあるのでしょうか? 週刊ゴルフダイジェスト6/7号に「パターのソールつけるべき? 浮かせるべき?」という記事がありました。そこに浮かせることのメリットやデメリットが書かれていたので、実際にコースでやってみることにしました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号で特集されていた、パターのソールを浮かせた構え方・打ち方を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号で特集されていた、パターのソールを浮かせた構え方・打ち方を実践!

この記事で解説をされている武田登行プロによると、ソールを浮かせるメリットは意外に多いとのこと。しかし武田プロの感覚だと、ゴルファーの9割以上はパターのソールを地面につけていて、浮かせている人は少数派じゃないかということです。

ドライバーではソールを浮かせて構える人もけっこういますが、なぜパターの場合は少ないのでしょうか? 武田プロによると、ソールをつけるメリットとしては、フェース面が安定するということにあります。ドライバーやアイアンよりもパターの場合は打つ時点で目標がはっきりしているので、ソールをつけたほうがフェース面が安定して、目標に合わせやすくなるんですね。

ドライバーはターゲットが広いので、構えたときに多少フェース面が不安定でもあまり気になりませんが、パターの場合は気になる人が多いということなんです。フェース面が不安定になるというデメリットがあるのに、それでもソールを浮かせるメリットがあるのでしょうか?

画像: (左)多くのゴルファーはソールを地面につけて構えている。(右)ソールを浮かせることにもメリットがあるらしい

(左)多くのゴルファーはソールを地面につけて構えている。(右)ソールを浮かせることにもメリットがあるらしい

武田プロの考えるソールを浮かすことのメリットはいくつかあります。まずは「グリッププレッシャーが一定になる」です。ソールをつけていると、テークバックの始動で力が入ることがあり、そのためインパクトで思わぬパンチが入ってしまったりすることがあるそうです。浮かせて構えることでストローク中のグリッププレッシャーが一定になり、ストロークがスムーズになります。

2つ目のメリットが「肩でストロークしやすい」です。ソールを浮かせて構えるということは、パターをライ角通りの角度で固定してグリップしなければいけないわけで、そうするためには手首をロックして構える必要があります。手首をロックしたままストロークするということは、自然と肩でストロークする振り子のストロークになるということなんです。

画像: いつものようにソールをつけてかまえてストロークしたところ。とくに悪いとは思わないのですが、次のソールを浮かせてのストローク写真と比べてみてください

いつものようにソールをつけてかまえてストロークしたところ。とくに悪いとは思わないのですが、次のソールを浮かせてのストローク写真と比べてみてください

3つ目のメリットは「オーバースピンがかかりやすくなる」です。ソールを浮かせて構えることで、無意識にレベルで振ろうとするようになるようです。このことにより、入射角が安定して、ボールの転がりが一定になるのだとか。ロングパットの距離感が合わない人やインパクト後にボールが跳ねてしまう人などは、ソールを浮かせるメリットが大きいそうです。

さらに、ソールを浮かせることでボールの芯(赤道)とパターヘッドの芯の高さが近づくというメリットがあります。ソールをつけて構えた状態ではボールの芯よりもパターの芯のほうがかなり低くなっているんですね。浮かせて構えればその時点で芯の高さが揃うので、シンプルにストロークするだけで芯でインパクトしやすくなるということなんですね。

画像: ソールを浮かせて構えたときのストローク。少しわかりにくいかもしれませんが、肩の動きが大きくなり、手先ではなく肩でストロークできている

ソールを浮かせて構えたときのストローク。少しわかりにくいかもしれませんが、肩の動きが大きくなり、手先ではなく肩でストロークできている

とりあえずコースで実際にソールを浮かせて打ってみました。普段はソールをつけて構えているので、やはり浮かせて構えるとヘッドがグラグラしてしまいます。しっかりと手首をロックすれば多少は安定するのですが、やはり地面につけている時と比べると不安定ですね。でもそのまま打ってみると、意外と打ち出し方向は安定しているのですが、やはり少し不安になりますね。

テークバックの始動は浮かせているほうがスムーズで、この点においてはかなり好印象。地面につけていると、始動のときに少しだけソールを浮かすような動きが入ってしまい、そのせいでテークバックの初期段階で少しヘッドがグラつくときがあるのが個人的に少し悩んでた部分であるのですが、それが浮かせることで解消されます。ストロークも浮かせている方がスムーズな感じがしました。

ボールの転がりも浮かせている方が少しだけよくなるような気がしました。今までよりもパターヘッドの下めでインパクトしているような気がしますが、おそらくそのくらいでちょうどボールの芯とパターヘッドの芯が揃っているということなんでしょう。打感もほんの少し今までと違うように感じます。

画像: 地面につけているときよりも、浮かせているときのほうがフェースの芯がボールの芯(赤道)に近く、転がりの良い球が打てる

地面につけているときよりも、浮かせているときのほうがフェースの芯がボールの芯(赤道)に近く、転がりの良い球が打てる

ソールを浮かせてパッティングをしてみましたが、個人的にはやはりフェースの向きが不安定になることが気になりました。フェースの向きを決めるときには地面にソールをつけておいて、テークバックの前にソールを浮かせるようにしているのですが、そのときに少しフェース向きが不安定になるんですよ。これは大事なパットになればなるほど気になっちゃうかも。かなり練習やコースでの経験を積めば解消できるんでしょうが。なかなかそこまで練習するのって難しいので、浮かす構えは僕にはあまり合わないのかな~とも思います。ただテークバック時のスムーズさというのは、個人的にはかなり嬉しいので、ちょっと悩むとこですね。

もしボールの転がりが悪くて悩んでいたり、テークバックの始動で悩んでいる人であれば、一度浮かせてみるのもいいかもしれません。武田プロによると、誰だって「お先にパット」のときは無意識にソールを浮かせているはずなので、そう考えればソールを浮かせることに対するハードルは下がるんじゃないですか? とのことです。そう言われてみればそうですよね~。僕ももう少し試してみようかと思います。

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