国内女子ツアー「リゾートトラストレディス」最終日、首位スタートの小祝さくらがリードを守り切り、約9か月ぶりとなる今季初優勝を飾った。翌週の海外メジャー「全米女子オープン」に出場する選手では唯一の参戦。コーチを変え、持ち球をドローからフェードに変えるモデルチェンジが自身2度目のメジャーを前に実を結んだ。

2打のリードで最終日を迎えた小祝だったが、2、3番を連続バーディとしたサイ・ペイインに早々と並ばれる苦しいスタート。前半だけで4つのバーディを奪ったサイに3度首位に並ばれた。そんななか、武器となったのはフェアウェイキープ率100%をマークしたティーショット。3日目には面白いように決まっていたパットが決まらず、大きくスコアを伸ばすことはできなかったが、堅実なプレーで最後まで逆転は許さなかった。

昨季限りでアマチュア時代から指導を受けてきた辻村明志コーチのもとを離れた小祝は新コーチが決まらないままシーズンイン。ここまで5度のトップ10はあったものの、優勝争いに最後まで加わる試合はほとんどなく、昨季5勝の実績から考えれば、不本意なプレーが続いていた。そんななか、転機となったのは前の週の予選落ち。週末は新たに契約した吉田直樹コーチが拠点とする神戸でアドバイスを受け、球筋をドローからフェードに変えたことによるアドレスやスウィングのズレを調整して今大会に臨んでいた。初日の時点ではまだ「いいフェードがかからなかった」と話していたが、最終日が近づくにつれてショットの調子を上げていった。

画像: ドローからフェードに変えて、今季1勝目。このまま勢いに乗っていきたい(写真は2022年リゾートトラストレディス 撮影/大澤進ニ)

ドローからフェードに変えて、今季1勝目。このまま勢いに乗っていきたい(写真は2022年リゾートトラストレディス 撮影/大澤進ニ)

似たような話が記憶にあるのではないだろうか? 先週の「ブリヂストンレディス」で今季5勝目を挙げた西郷真央も直前の2試合は予選落ち。週末には師匠の尾崎将司の指導を受け、開幕からの強い自分を取り戻した。技術、メンタル、どちらにしてもきっかけさえあれば、ゴルフは大きく変わる。それを証明するように、国内女子ツアーは「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」の山下美夢有、「ほけんの窓口レディース」の渡邉彩香、そして西郷、小祝と、前の週に予選落ちした選手の優勝が続いている。とはいえ、4連続はさすがに珍事と言っていいだろう。好調をキープし、上位でのプレーを継続している選手もいるだけに、このまま5連続、6連続と続いていくとは思えないが、次戦の「リシャール・ミル ヨネックスレディス」は渡邉や原英莉花、初優勝を目指す安田祐香、臼井麗香らが予選落ちからの出場となる。

予選落ち効果と優勝という最高の手土産を手に海を渡る小祝はコロナ禍で異例の12月開催となった2020年「全米女子オープン」以来、2度目の海外メジャー参戦。前回は131位で予選落ちとほろ苦い初挑戦に終わったが、フェードヒッターに生まれ変わった新たなゴルフでリベンジを目指す。

画像: 前週に予選落ちすると優勝できる? 4週連続で新たなジンクスが生まれている(写真は2022年リゾートトラストレディス 撮影/大澤進ニ)

前週に予選落ちすると優勝できる? 4週連続で新たなジンクスが生まれている(写真は2022年リゾートトラストレディス 撮影/大澤進ニ)

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