国内女子ツアー「ニチレイレディス」最終日、首位タイからスタートした西村優菜が6バーディ、ノーボギーの完璧なプレーで抜け出し、今季初優勝を飾った。大会を通じてノーボギーでの優勝はツアー史上12人目(記録が残る1990年以降)。17アンダーは大会記録と数字の上でも圧巻のVとなった。

前半で4つ伸ばし、快調に首位を走った森田遥と1打差で追う西村、2人の勝負を分けたのは15番パー4だった。森田は「今取り組んでいることを一生懸命にやり過ぎてって感じです」と2打目をシャンクし痛恨のボギー。対する西村は7メートルを沈めてバーディを奪い、一気に両者の立場は逆転した。西村はさらに17、18番を連続バーディで締めくくり、終わってみれば3打差の圧勝。3日間トータル17バーディー、ノーボギーは安定感と爆発力の両方を備えた強さを感じさせた。

2週前には自身2度目の海外メジャーとなる「全米女子オープン」に出場したが、1打及ばず予選落ち。「結果を求めていたのでいい経験という形でまとめたくはないんですけど、メンタル面で成長した部分もあるし、いいものを見られたかなとは思っています」。4月の「KKT杯バンテリンレディス」でのプレーオフ敗退など、今季は優勝争いをしても勝てない試合が続いていたが、世界のトッププレーヤーのプレーぶりを参考にあと一歩の繰り返しから抜け出した。次戦の「アース・モンダミンカップ」は2年前にプロデビューを飾ったトーナメント。ちょうど2年で5勝を挙げたことになる。

画像: 史上12人目のノーボギー優勝で今月末の海外メジャーへの出場はほぼ確実なものにした(写真は2022年ニチレイレディス 撮影/五十嵐誠)

史上12人目のノーボギー優勝で今月末の海外メジャーへの出場はほぼ確実なものにした(写真は2022年ニチレイレディス 撮影/五十嵐誠)

デビュー戦を振り返ると、これ以上ないほど、ほろ苦いものだった。アマチュア時代にナショナルチームで活躍した西村はその注目度もあってか、予選ラウンドで渋野日向子と同じ組に入った。しかし、当時はドライバーが絶不調。コロナ禍の無観客開催とはいえ、画面越しに多くのファンの視線を浴びるなか、ティーショットを曲げ続け、初日77、2日目83の16オーバー、142位で予選落ちを喫した。今では想像もつかないような不振から抜け出した方法は基本練習の反復。スウィング改造などの変化ではなく、同じことを繰り返す継続を選んだところに西村の実直な性格が表れている。

今大会の優勝で今月末の世界ランクによる「エビアン選手権」「AIG全英女子オープン」の出場権獲得はほぼ確実。海外メジャーでのリベンジの機会を自力でつかみ取った。米女子ツアーや海外メジャーでの活躍はジュニア時代から目指してきたもの。積み重ねてきた努力の成果を今度こそ、世界の舞台でも披露してくれるはずだ。

画像: 15番バーディからの17番、18番と連続バーディ。終わってみれば2位に3打差をつける圧勝だった(写真は2022年ニチレイレディス 撮影/五十嵐誠)

15番バーディからの17番、18番と連続バーディ。終わってみれば2位に3打差をつける圧勝だった(写真は2022年ニチレイレディス 撮影/五十嵐誠)

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