ゴルフクラブにはライ角というものがあり、とくにアイアンはライ角が合っていないといろんなミスを引き起こすといわれる。ではパターについても同じことが言えるのか? ギアオタク店長・小倉勇人が考えてみた!

クラブフィッターの小倉です。みなさんはパターのライ角って気にしたことがありますか?

ライ角は、ソールと地面を平行にした時にシャフト軸線とソールが作る角度のこと。ライ角の重要性は、アイアンやウェッジではよく語られていますが、パターではさほど重要視されていないように感じています。

ライ角の効果を簡単に説明しますと、フェースの向いた方向にボールが飛びやすくなりますので、インパクト時にソールと地面が平行になるのが理想です。

対して、インパクト時にヘッドのトウ側が浮いた状態をアップライト、反対にヒール側が浮いた状態をフラットと呼びます。

ライ角がアップライトのときは、トウ側でボールを捉えやすくなり、左方向やフック系の弾道になりやすいです。反対にフラットのときはヒール側でボールを捉えやすくなり、右方向やスライス系の弾道になりやすくなります。

ライ角は、ロフト角の多いクラブほど影響が大きくなるため、一般的なロフト角が3~5度のパターは、そこまで強い物理的効果はありません。ですが個人的にパターでのライ角は非常に重要だと思っています。

画像: インパクトでトウとヒールの浮き具合が変わらない場合、ライ角は合っている。ロフトが少ないパターはほかのクラブよりライ角の影響が少ないといわれるが……

インパクトでトウとヒールの浮き具合が変わらない場合、ライ角は合っている。ロフトが少ないパターはほかのクラブよりライ角の影響が少ないといわれるが……

じつはライ角には物理的効果のほかにもうひとつ効果があります。それは視覚的効果です。視覚的効果は通常のクラブにもあるのですが、ヘッドを見ている時間が長く、ヘッドとフェースの向きを正確に構える必要があるパターには、非常に重要な部分といえるのです。

パターでライ角が合っていないと、サイトラインや、フェースの向きが歪んで見えやすく、自身が目標に対して正確に構えているつもりでもフェースの向きが微妙にズレてしまうことがあります。正直なところ、そんな歪んだ状態でも自身が狙ったところにボールが打ち出せていれば何の問題もないのですが、そういった方は、かなり稀で相当練習をしないと方向は安定しないでしょう。もちろん物理的効果による打点のズレや転がりのムラも出てきますので、どんなにミスの強いパターを使ってもその性能を生かしきることはできないと思います。

パッティングは、「狙った方向に狙ったスピードでボール打ち出すこと」がもっとも重要です。どんなに努力してもそれ以上のことはできません。その精度を高めるためにもフェースを正しい方向に向けやすく、安定して芯で捉えやすくするライ角は重要なのです。

一度飛球線後方の低い位置からパッティングの動画を撮影してみてください。フェースはちゃんと自身が狙っている目標に構えられているか、ライ角は適正か、狙ったところにボールを打ち出せているか、がひと目でわかりますよ。

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