穏やかなコンディションとなった第150回全英オープン初日。オーストラリア出身で現在DPワールドツアー(旧欧州ツアー)でプレーするミンウー・リーが3アンダー69をマークし13位タイの好発進を切った。LPGAツアーで活躍する姉ミンジーは先の全米女子オープンで優勝し、目下世界ランク2位の強豪。2歳年上でメジャー2勝の姉と肩を並べるべく弟がメジャー獲りを目指す。

午前6時35分全英オープンチャンピオンのポール・ローリー、全米オープン覇者のウェブ・シンプソンと第1組でスタートしたリー。タイガーが「セントアンドリュースには特別な空気感がある」といったが、雰囲気にのまれることなく落ち着いてティーショットを放ち、危なげなくパーパットを沈めると23歳の若者らしい笑顔を見せた。

画像: 13位タイと好発進したミンウー・リー。まだ23歳と期待の若手プロだ(写真は2022年 全英オープン 撮影/Getty Images)

13位タイと好発進したミンウー・リー。まだ23歳と期待の若手プロだ(写真は2022年 全英オープン 撮影/Getty Images)

「4時半に目覚ましをかけて8時半にタイガーが00年にここで優勝した最終日のビデオを見ながら寝たのですが、ラップトップを閉じたのになぜか4時に起動してその音で目を覚ました。ちょうどタイガーがパットを決めたシーンで起きられたので、まぁ、よかったです。でも4時よりも前に起きるのは無理(苦笑)」

スタートはよかったが3番で試練が訪れる。ティーショットをフェスキュー(深いラフ)に打ち込むと本人よりキャディが動揺。普通ならがっくり肩を落とすものだがリーは違った。キャディに向かって「全英オープンにようこそ!」と笑いかけたのだ。結果はダブルボギーだったがすぐさま4番でバウンスバック(バーディ)。8番、9番もバーディで1アンダーで折り返した。

パース(豪州)に凄い姉弟がいる、と10年前から評判だった。姉ミンジーが12年に全米女子ジュニアに優勝。13年&14年に豪州女子アマ連覇。すると弟ミンウーも16年に全米ジュニアで優勝。USGA(全米ゴルフ協会)主催の大会を姉と弟が制したのは彼らが初。そして姉は昨年エビアン選手権で7打差を引っくり返しメジャー初優勝。先月全米女子オープンに優勝すると母国のレジェンド、カリー・ウェブが大興奮で祝福した。

弟も負けていない。19年にプロ転向すると20年に欧州&豪州共催のISPSハンダVicオープンで優勝。昨年のスコティッシュ・オープンではプレーオフで今年の全米オープンチャンピオン、マシュー・フィッツパトリックを破り栄冠に輝いている。

大会初日の前半を1アンダーで折り返したリーは後半も水を得た魚のようにリンクスで躍動し14番でイーグル奪取に成功。最難関ホール、17番ではショットを曲げボギーとしたが60台にまとめ上々の滑り出しを見せた。

「いろいろあったけれど今日のプレーには満足しています。でもまだ先は長い。下が硬いのでグリーンを直接狙わず、手前10ヤードくらいから転がし上げるイメージが必要。でもそれが難しいんです」

午前中にホールアウトしたリーは「ガールフレンドと母が来ているのでこれから一緒にお昼を食べに行きます」と言ってコースを後にした。2日目はぐっと遅いスタートになる。午後スタートでも初日と変わらないペースで行きたい。。

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