PGAツアーのプレーオフシリーズ第1戦フェデックス・セントジュード選手権でプレーオフの末ウィル・ザラトリスが遂に初優勝を飾った。メジャーで度々優勝争いを演じ今年だけで2位が3回、ベスト10入り8回ながら勝てずにいた彼に勝利をもたらしたのはフィアンセ、ケイトリン・セラーズさんが放ったあるひと言だった?
画像: 優勝後、仲睦まじく写真におさまるザラトリスと婚約者のケイトリン・セラーズさん。彼女の何気ないひと言が彼を初優勝に導いた(写真は2022年フェデックス・セントジュード選手権 撮影/Getty Images)

優勝後、仲睦まじく写真におさまるザラトリスと婚約者のケイトリン・セラーズさん。彼女の何気ないひと言が彼を初優勝に導いた(写真は2022年フェデックス・セントジュード選手権 撮影/Getty Images) 

大会初日、上位がスコアを伸ばすなか、ザラトリスは1オーバー71で86位タイと出遅れた。年間王者を決めるシーズンのクライマックス初戦の出だしでつまずいた彼はイライラを隠せなかった。

予選突破さえ危ぶまれる状況に「フラストレーションが溜まった。シーズンで最悪のラウンドだった」と吐き捨てたザラトリス。前週のウィンダム選手権の途中で長年バッグを担いできた帯同キャディのライアン・ゴーブルと決別。今週はジョエル・ストックを新キャディに起用したがグリーンのラインは(キャディに)読ませず信頼関係は築けぬまま。

しかし2日目63の好スコアで17位タイに浮上すると3日目を終えてトップと2打差の3位タイに浮上。「昨日からジョエル(ストック)にラインを読んでもらうようになった。それが凄くよくてパットが決まり出した」。

迎えた最終日は1番から3連続バーディでペースを掴むとフェアウェイを外しながらもスコアを伸ばし最終18番では苦手のスライスラインを読み切ってクラッチパットを決め何度もガッツポーズ。セップ・ストラカと並び結果はプレーオフに持ち越された。

両者譲らず 突入したサドンデス3ホール目の舞台は11番パー3。ザラトリスのティーショットは池の淵の石の上。ストラカは池に捕まりドロップエリアからの3打目がバンカー。そこから寄せたもののダブルボギーは必至の状況。悩んだ末、石の上からは打たずドロップエリアに戻って打ったザラトリスの3打目がピンそばに寄り微妙な下りのラインを決めて念願の初優勝。これまで勝てそうで勝てないジレンマに苛まれてきた25歳は新しい相棒と抱き合い感涙にむせんだ。

ところで彼がフィアンセにいわれたひと言とは? それは大会初日に出遅れたときのこと。ケイトリンさんはザラトリスに「もし予選を通れなかったら週末何する?」と聞いてきたのだ。

「彼女に悪気はなかったと思う。何か楽しいことでもしたいな、という意味なのだろうけれどちょっとグサッときた」とザラトリス。「今は何も考えずそうなったときに改めて考えよう」とフィアンセの不躾な質問をやんわり交わした。そのときはまさか今週が彼にとって壁をぶち破る一戦になるとは想像もしなかったが、彼女の言葉が刺激になり奮起したことは確かだ。

この勝利で一気に2000ポイントを稼ぎランク1位に浮上。残り2試合で年間王者を狙える位置を掴んだ。今年は、勝てないといわれてきたスコッティ・シェフラーが初優勝の後勝利を量産し世界ランク1位に上り詰めた。2勝目まで5年以上かかったトニー・フィナウも2週連続優勝をマークするなど、ひとつきっかけを掴むと飛躍する選手が目立った。ザラトリスもプレーオフシリーズの短期決戦をこの勢いで乗り切りたい!

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