「もっこす」とは肥後もっこすのことで熊本県の男性の気質を表すときに使われる。正義感が強く、曲がったことが大嫌い。その言葉がぴったりなクラブデザイナー、マスダゴルフ主宰・増田雄二がゴルファーの悩みに今日も答えます!

(質問)

ピンからランニングアプローチ専用のクラブ「チッパー」が発売になり、話題になっています。これまでイロモノ扱いされていたチッパーが市民権を得るのではないかと感じています。アプローチが苦手な人にやはりチッパーは有効でしょうか。(千葉県 32歳 平均スコア100)

担当記者(※以下GD):ピンは30年前に「チッポ」というランニングアプローチ用クラブを発売しています。コンセプトを継承しながら、現代のテクノロジーを搭載したというモデルのようです。増田さんは設計家として興味はありますか?

増田:昔から、チッパーやジガーなど転がして寄せるためのクラブはありましたね。我々が思っているよりもずっと前から存在していたのではないでしょうか。

興味があるかと聞かれれば、それはあまりないです。私のコンセプトというか、基本となるクラブ、スウィングを向上させるクラブを作りたいという気持ちがあるからです。

GD:チッパーを使うと上手くなれないなどと意地悪なことを言う人もいますが、やはりそういう面もあるんですかね。

増田:例えば、プロや上級者はバッグにチッパーを入れていないでしょう。なぜかというと、彼らは厳しいライからでもパーを拾わないといけない。キツい傾斜や深いラフなどさまざまな局面で、ボールを上げたり、スピンをかけて止めたり、距離感を出していかなければならない。チッパーというクラブの特性を考えたときに、そうした操作性は望めないだろうと思います。

どうしても上げて、スピンをかけて止めたい状況があったとして、そこでもチッパーだとやさしく打てるかというと難しいでしょう。その意味では、決して万能ではないんです。

画像: スウィングを向上させるクラブを作りたいという自分のコンセプトとは違うチッパーを増田雄二はどう考えているのか

スウィングを向上させるクラブを作りたいという自分のコンセプトとは違うチッパーを増田雄二はどう考えているのか

GD:では、チッパーは必要ない?

増田:必要ないことはないでしょう。なぜならアプローチが苦手な人はたくさんいますから。中にはサンドウェッジを持つだけで不安になるゴルファーもいるはずです。そういう人を助けてくれる意味はありますよね。その意味では合理的な選択です。サンドウェッジを打つのが難しいなら、やさしいクラブを持てばよいわけです。
 ウェッジに比べると、当てやすいし打ちやすい。それは代えがたい安心感につながると思います。状況を選ぶ面はたしかにあるでしょう。花道があって、ピンまで距離があるところなど、ボールを転がせるスペースがあるところのほうが使いやすいです。

しかし、多少ライが悪くても、ボールを転がすスペースがあまりなくても、グリーンに乗ってその場所からピンに近づけられれば、まずまず成功という人も多いはずです。その場所から脱出するには役立ちます。ピンに近づいているだけに、アプローチを失敗するとダメージは大きいんです。なかにはゴルフにいくのが嫌になるくらいアプローチで失敗している人もいます。ゴルフはまず楽しくやることが大切ですから、クラブの機能を活用するのもいいと思いますよ。

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