ドライバーショットで高く上がって飛距離が出ない“テンプラ”は、ティーアップしたボールにダウンブローでヘッドが当たるから。ところがアッパー軌道のテンプラも存在するとプロゴルファーでフィッター、トラックマンマスターの三刀流プロ小島慶太プロ。トラックマンのデータを見ながら解説してもらった。

テンプラには2種類のクラブ軌道があるという小島慶太プロ。プロゴルファーでTPIレベル3・タイトリストフィッティングスペシャリスト・トラックマンマスターという3つの肩書きをもつ“三刀流プロ”・小島慶太プロにトラックマンを使って試打し、アッパーテンプラのデータを解読してもらおう。

「テンプラにはじつはダウンブローとアッパー軌道の2種類があります。画像Aのデータを見てもアッパーテンプラの場合、入射角は2.8度と適切な数値です。これはインパクトポイントがフェース上部に当たり過ぎてしまい打ち出し角は27.2度と高く上がって飛ばないことを表しています」(小島慶太プロ、以下同)

画像: 画像A アッパーテンプラのトラックマンデータ。クラブ軌道は適正の範囲だがインパクトポイントがフェース上部に当たり高く上がって距離が出ていない

画像A アッパーテンプラのトラックマンデータ。クラブ軌道は適正の範囲だがインパクトポイントがフェース上部に当たり高く上がって距離が出ていない

まず第一の原因はティーアップする高さが高いケースと小島プロ。

「ヘッドが大型化していること、アッパー軌道で打ち出しを高くしたいという意図は理解できますが、高すぎるティーアップは打点のズレを生む可能性が高くなります。アッパー軌道でティーを打っつようなインパクトはアッパーテンプラの原因になります」

画像: 画像B 原因の一つは高すぎるティーアップによりボールの下にヘッドが入りフェース上部に当たってしまう

画像B 原因の一つは高すぎるティーアップによりボールの下にヘッドが入りフェース上部に当たってしまう

次にインサイドからアッパー軌道で打とうとするとクラブヘッドが下がってしまうケース。

「ヘッドの重さを支えきれない女性ゴルファーに多いケースです。切り返しからアーリーリリースでクラブが落ちてしまい下からあおるような打ち方になっていまうと、アッパーテンプラになります」(画像C)

画像: 画像C 非力な女性ゴルファーに見られる、ヘッドの重さを支えきれずに下からあおるような打ち方になるケース

画像C 非力な女性ゴルファーに見られる、ヘッドの重さを支えきれずに下からあおるような打ち方になるケース

改善策としては、高すぎるティーアップを控えて、地面に置いたヘッドのフェース上からボール半分程度が出るくらいまでの適正な高さにすること。

次に、クラブの重さを支えられるグリップの持ち方をすることだと小島は続ける。

「クラブが落ちるのを支えてヘッドの高さを保ったままインパクトを迎えたいので、左手のグリップが重要になります。左手の小指と中指の2本と手のひらで挟むようにグリップを握ると、力がなくても長いドライバーでもクラブを支えることができます」(画像D)

画像: 画像D 左手の小指と薬指の2本と手のひらを使ってクラブを挟むようにグリップすると、力を抜いてもクラブを支えられる

画像D 左手の小指と薬指の2本と手のひらを使ってクラブを挟むようにグリップすると、力を抜いてもクラブを支えられる

左手のグリップでクラブを支えられるように握ると、クラブの動きが安定して振れることがつかめるという。ある程度の筋力は必要だが握り方のコツさえつかめば非力な女性ゴルファーでも左手一本でクラブを持てるだろう。ドライバーだけでなくショートアイアンでゆっくりと、3時から9時の動きを確認すると感覚をつかめるはずだ。

画像: 画像E クラブを支えられる左手一本のグリップで3時から9時の動きを確認するとインパクト前後の軌道を安定させることにつながる

画像E クラブを支えられる左手一本のグリップで3時から9時の動きを確認するとインパクト前後の軌道を安定させることにつながる

左手のグリップでクラブを支えられるコツをつかんで、クラブ軌道を安定させれば、アッパーテンプラとはサヨナラできそうだ。お試しあれ。

撮影協力/ゴルフアップ

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