元サッカー日本代表選手であり、ドイツ・ブンデスリーガの1.FCケルンやヴェルダー・ブレーメンに所属し活躍した奥寺康彦。日本サッカー殿堂入りも果たしているまさにレジェンドと言える奥寺は、大のゴルフ好きとしての顔も持つ。そんな奥寺に現役選手、監督時代のことを聞いてみたら…… ゴルフの上達にとっても大切な考え方が隠されていた?!

ゴルフもサッカーもまずは得意分野を伸ばすこと

ゴルフについて奥寺氏にインタビューをしていた取材班。話が少し脱線し、話題は奥寺氏が現役サッカー選手だった時代のことに。

画像: インタビューに答える奥寺康彦氏

インタビューに答える奥寺康彦氏

ーー奥寺さんはブレーメンに移籍したあと、フォワードからサイドバックにポジションが変わっています。いちスポーツファンからするとポジションの変わった選手を見ると「やっぱり不満を感じたりするのかな?」と思ってしまうのですが、当時の心境はどうだったんですか?

奥寺:不満? まったく思わなかったね。だってその場所で自分が求められているんだもん。

ーーゴルフで例えるならば、「置かれたライで最善を尽くす」と。

奥寺:そういうこと。そもそも不満に思う感覚が分からないんだよね。せっかくそこで活躍するポテンシャルがあるって認められてるのに。

自分の監督時代にある選手にポジション変更を打診したとき、こだわりがあるからって断られたことがあるんだけど、やっぱりその選手は芽が出ないまま引退しちゃったね。適性があったのにもったいないなって思ったよ。ゴルフだってそうじゃない? いくら「ドライバーで飛ばしたい」って思っても、そこは本人のポテンシャルによる部分がすごく大きいでしょ。もし飛距離が出ないけどいいスコアを出したいなら、2打目以降を磨くべきだよね。アプローチやパターで得意分野があるならまずそこを練習すべきだと思うよ。

ーー得意分野を伸ばすほうがいいんですか?

奥寺:サッカーにおいては、「得意分野を伸ばす練習」をするように選手たちには指示していたね。人って苦手分野の練習はモチベーションが上がらないからなかなか自発的にやってくれないのよ。例えば足が速いけどパスが下手な選手には、パスの練習をさせるんじゃなくて、まずはさらに速いドリブルを身につけさせる、といった感じでね。

じつは得意分野を伸ばそうと本気で取り組むと、必然的にその得意分野を生かすために苦手分野の克服も必要になっていくんだよね。そこに気づくと自発的に苦手分野にも取り組んでいくんだよ。

だからゴルフもまずは得意分野を伸ばそうって練習するのがいいんじゃないかな。飛ばせる人はより飛ばす練習から取り組んだらいいし、7番アイアンが得意な人は7番アイアンをさらにいいショットが打てるようにしたらいいと思う。結局そのショットを生かす、つまりスコアにつなげるにはコントロールだったり、ほかのショットも必然的によくする必要が出てくるし、こうやって練習すると何よりも楽しく練習ができると思うよ。楽しいって思えなくちゃ効率のいい練習にもならないからね。

撮影協力:ファイブハンドレッドクラブ

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