最後の優勝から8年。2010年の全米女子オープンチャンピオン、ポーラ・クリーマーが戦いの舞台に帰ってきた。結婚、離婚、出産を経て36歳になった彼女は復帰第2戦でホールインワンをマーク。スコア的には奮わなかったが、長期休養を経て新たなスタートラインに立ったいま、母として、選手としての心境を語った。

畑岡奈紗が1打差の単独2位の好発進を切った米女子ツアー、クローガー・クイーンシティ選手権初日、クリーマーは出入りの激しいゴルフでイーブンパー72、64位タイからのスタートとなった。

「まるでローラーコースターみたいなスコアカードですね。でもこれがゴルフ」とクリーマー。10番から出て2連続バーディと快調な滑り出しを見せたがその後2ボギー、1ダブルボギーを叩き1オーバーで折り返すと後半もボギーが先行する苦しい展開。

しかし5番パー4で残り104ヤードの2打目が「グリーンに跳ねてボールがダンスしながら入ってくれた」とイーグル奪取に成功。迎えた8番パー3では「155ヤード、完璧な7番アイアン(のショット)が打てた」とホールインワン達成。エース、イーグル、バーディ、パー、ボギー、ダブルボギーをすべて取り揃えたラウンドに本人苦笑い。

「ショットというよりグリーンの速さを最後までつかめませんでした。練習ラウンドよりずっと速くなっていて、3パットが多すぎました。でも先週復帰して今週が2試合目。ショットがすごくキレているしポジティブな面が多かったです。明日はケアレスミスをなくして週末もプレーしたい」と決勝ラウンド進出に意欲を見せた。

画像: 36歳になったポーラ・クリーマー。復帰第2戦目でホールインワンを達成するとは、さすがツアー10勝の実力者だ(写真は2022年 Dana Open 撮影/Getty Images)

36歳になったポーラ・クリーマー。復帰第2戦目でホールインワンを達成するとは、さすがツアー10勝の実力者だ(写真は2022年 Dana Open 撮影/Getty Images)

05年にデビューするやいきなり世界中で5勝を挙げ、ルーキーには不可能とされていた欧米チーム対抗戦ソルハイムカップのメンバー入り。同世代の宮里藍のライバルとしてツアー通算10勝を挙げている彼女はピンクパンサーの愛称でアメリカはもとより世界中で不動の人気を誇っていた。

10年には一番欲しかったナショナルオープン(全米女子オープン)のタイトルを獲得。14年のHSBC選手権ではプレーオフ2ホール目で25メートルのイーグルパットを沈めて劇的な10勝目を挙げたがその後ケガもあり成績はジリ貧。

私生活では14年にパイロットのデレク・ヒース氏と結婚したが4年後に離婚。昨年元野球選手のシェーン・ケネディ氏と婚約し今年の1月7日長女ヒルトン・ローズちゃんを出産した。

妊娠中の昨年9月から新コーチ、グラント・ウェイト氏とスウィング改造に取り組み「その成果を実感している」とショット力でエースやイーグルをマークした。それにしてもこの日のローラーコースターのようなスコアカードは彼女のこれまでの人生を象徴するような気がするが。

「今は自分だけでのためではなく娘のためにプレーしています。今日彼女はホテルにいたけれど、いつか彼女に“ママがホール・イン・ワンしたときあなたも一緒にいたのよ”と伝えたい。実際彼女の存在をラウンド中ずっと感じていました。娘が心の支え。彼女がいればできないことなんてありません」

新生クリーマーの今後に注目だ。

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