ゴルフ好きの元プロ野球投手の武田一浩のベストスコアは『68』、現在のアベレージスコアは『81』という腕前。これまでトラックマンなどの弾道測定器で計測をしたことがないという武田に対し、プロゴルファー・高島早百合が初の測定。その結果から弱点を見つけ出しレッスンをする。

高島:武田さん、現在のゴルフの悩みはありますか。

武田:悩みは無いんですけど、これまでゴルフは一度も人から教えてもらったことがないんですよ。だから弱点があったらむしろそれを教えて欲しいんですね。

高島:わかりました。じゃあまずトラックマンでドライバーショットを測定して、その結果を踏まえつつ弱点を探してみたいと思います。

画像: ゴルフのレッスンは一度も受けたことはないのにベストスコアは68。改善点はあるのか?!(撮影/野村知也)

ゴルフのレッスンは一度も受けたことはないのにベストスコアは68。改善点はあるのか?!(撮影/野村知也)

――武田がドライバーで人生初というトラックマンの測定を行った結果を見て、高島が弱点を発見した。高島:弾道はやや右に出たストレート系の弾道で、ミート率は1.51でこれは凄くいいんですよね。ただ、スピン量が3100rpmなんです。

武田:野球なら、3100回転のボールを投げれば打たれないんですけれどね。

高島:え、どういうことですか?

武田:ストレートボールで2700回転の球を投げるピッチャーってそんなにいないんですよ。変化球で2900回転くらいですからね。それでいくと3100回転ということは、一級品のスライダーが投げられということです。

高島:へぇ~、そうなんですか。回転数が多いと球が曲がるというのはゴルフでも同じなので、ドライバーショットも回転数はあまり多くないほうがいいんですよ。

武田:ドライバーのスピン量はどれくらいが理想なんですか。

高島:2000~2500rpmくらいです。

武田:スピンを減らすにはどうやったらいいんですか。

高島:ではもう1球打ってみてください。

――2球目の弾道は真っすぐに出てからやや左に曲がるドロー系の弾道だった。

武田:これは好きな球です。

高島:今のはスピン量は2200rpmですから、少ないですね。

武田:スピンが常時、これくらいならいいってことですよね。そうするにはどうしたらいいんですか。

画像: 武田一浩のトップからインパクトまでのスウィング。ややアウトサイドインの軌道でクラブが下りてくる

武田一浩のトップからインパクトまでのスウィング。ややアウトサイドインの軌道でクラブが下りてくる

高島:武田さんは、スウィング的には少しアウトからクラブが下りてきているのが特徴です。その時にフェースが開くと、1球目のようにスピン量が増えたスライス系の球になるし、フェースが閉じていれば2球目みたいなドローになるんですね。

武田:なるほど。

高島:ただ今のドローはストレートに出て左に飛んでいるので、自分で上手くつかまったな、という球が打てた時に、思ったよりも左に飛ぶことが多いんじゃないですか。

武田:よく知ってますね。

高島:やっぱりそうですか(笑)。これを、右から出て左に戻ってくる安定したドローを打つためには、もう少しダウンスウィングでインサイドからクラブを入れてこないといけないですね。

――トラックマンで武田の弱点が軌道がアウトサイドから入ってきていることが判明したことで、今後の課題はクラブをインサイドから入れてきて、安定したドローを打てるようにすることに設定。ここから高島のレッスンがスタートする。最初のポイントはフェースを閉じる動きである。

高島:武田さんは、バックスウィングでクラブを上げていく時に右ひじが空いちゃうんですよ。それで右サイドが詰まったような上がり方になっていて、その詰まった腕がダウンスウィングで伸びながら下りてくるんですよね。それに体の回転が加わるとクラブがアウトサイドから下りてきているんです。

武田:ああ、なるほど。では、それはどうしたらいいんですか。

高島:原因はトップで手が近くなることですだから、それを体から離して上げればいいわけですよ。そして、遠くへ上げた時に、クラブフェースは閉じて上げる、そうすると右ひじが締まってきますから、インサイドからクラブを下ろしてこれます。

画像: レッスン前のクラブの上がり方(左)とレッスン後の正しいクラブの上がり方(右)。右ひじが締まり、左手の甲が手のひら側に折れるようになった。(撮影/野村知也)

レッスン前のクラブの上がり方(左)とレッスン後の正しいクラブの上がり方(右)。右ひじが締まり、左手の甲が手のひら側に折れるようになった。(撮影/野村知也)

武田:バックスウィングでフェースを閉じて上げる時に何かポイントはありますか。

高島:武田さんはバックスウィングでクラブを上げていく時に、左手の甲が甲側に折れちゃうんですよ。これを、左手の甲を手のひら側に折るようにして上げてください。そうするとフェースが開かないです。

武田:これは違和感全開だな。

高島:そうなんです。恐らく今までのスウィングイメージとは真逆なんですよね。今までの武田さんは、手元を体の近くから離さないようにして体の回転でヘッドの円軌道を作っているんですよね。そうなると、普通に打てばアウトサイドから入ってくるスライス系で、フェースが閉じてくれば2球目に打ったような引っかかる危険があるフック系になるわけです。

――理解はできるが、なかなか実際に体を動かすとなると難しい感じの武田だったが、ふと閃いたように高島に質問をする。

武田:具体的に、トップの時にはどうなっていればいいんですか。

高島:トップで左手の甲が真っすぐになっています。そして右ひじは外に向いていない(右ひじが体の背後に出っ張っていない)。

武田:それでフィニッシュはどんな感じなんですか。

高島:フォロースルーで左手は甲側には折らないで、最後のフィニッシュの時にちょっと折れるくらいの感じです。

武田:分かりました。やってみます。

画像: レッスン後のトップからインパクト直後までの動き。トップでの左手の甲がかなり改善、インパクト後もすぐに左手は甲側に折れることがない

レッスン後のトップからインパクト直後までの動き。トップでの左手の甲がかなり改善、インパクト後もすぐに左手は甲側に折れることがない

――最初のうちはトップが出たりしてうまくいかなかったが、次第にストレートボールからドローボールが出るようになった。そしてついに、右に出てから戻ってくるドローが出るようになった。

高島:お、イイ感じですね。

武田:これね、野球のピッチングと同じなんですよ。例えばスライダーの曲げ幅というのは手のトップの位置のポジションとフォローで決まるんですよ。途中の形はあまり考えなくていいんですよ。だからドローボールもそれと同じだなと思って。

高島:なるほど。確かに、トップとフォローの左手の甲の形とかを意識することで、以前のようにアウトサイドから入ってくることが無くなってきているので、それによってスピン量も曲がり幅も減っていますよね。

武田:いやぁ、勉強になりました。ありがとうございます。

撮影協力/Ever Golf Studio

画像1: ベストスコア68!元プロ野球選手・武田一浩のドライバースウィングがすごい!【高島早百合プロ】 youtube.com

ベストスコア68!元プロ野球選手・武田一浩のドライバースウィングがすごい!【高島早百合プロ】

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