千葉の習志野CCで開催されたPGAツアーのZOZOチャンピオンシップの結末は決して皆が望んでいた形ではなかったのかもしれない。だが十分に面白かった。連覇がかかった松山英樹がスタートでつまずき上位争いから脱落した後、主役に躍り出たのはここ数年スランプが続いているリッキー・ファウラー。3日目を終えて単独トップに立ち“ユタカ”のミドルネームを持つ日系人ゴルファーの3年8カ月ぶり優勝の期待が大きく膨らんだ。しかし結果はキーガン・ブラッドリーが逆転で4年ぶりの勝利を挙げ男泣き。「人生で最高の瞬間」を謳歌した。
画像: ゆかりのある日本で復活優勝とはならなかったが、今年の大会の主役となっていたリッキー・ファウラー(写真は2022年ZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

ゆかりのある日本で復活優勝とはならなかったが、今年の大会の主役となっていたリッキー・ファウラー(写真は2022年ZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

「タフな戦いになることはわかっている。ここには勝つために来ている。それが叶えば素晴らしいけれどチャレンジを楽しみたい」と1打リードの単独トップで最終日をスタートさせたファウラー。

ここ3年苦楽を共にしてきたジョン・テレリーコーチの元を離れ、デビューの頃から師事してきたブッチ・ハーモンに戻り、キャディも一新して新しいシーズンを迎えた33歳は「結果は出なかったけれどテレリーコーチに基盤を作ってもらった。新しいものと古いものをミックスして、ここのところ本当にスウィングが良くなっている」と自信を取り戻したかに見えた。

具体的には左腕のプレーンを少しスティープ(アップライト)にすることでトップが高くなり「懐にスペースができていいところにクラブが下りてきている」。2日目に63をマークし3日目までパーオン率はフィールド全体の2位。かつてメジャーで優勝争いを繰り返してきた頃のようなショットのキレが戻ってきていた。

不安材料は予選ラウンド(2日目まで)をトップまたはトップタイで通過したときの戦績が1勝9敗戦。3日目トップから出て勝ったのは8回中2回だけと勝ち切れずにいること。昨年のCJカップでも最終日をトップでスタートしながローリー・マキロイに逆転され3位タイに終わっている。

それでも“田中豊”を祖父に持つファウラーを日本のギャラリー、いや世界中の復活を望むファウラーファンが後押しした。中には彼のトレードマークのオレンジ(出身校のスクールカラー)のウェアやキャップを身にまとったファンも。しかし彼らの願いは届かずブラッドリーに逆転を許し1打差の2位タイに終わった。

「すごく気分良く今日のラウンドをスタートできたし(優勝を)やり遂げたかったけれど……。ちょっとほろ苦いね。でもここ数年できていなかったことが出来た。ポジティブな面がたくさんあった」とビタースイートなラウンドを振り返ったファウラー。「いいパットをたくさん打ったけれどカップに蓋がしてあったみたいだった」。

世界ランク160位まで落ち失うものはない彼は今回の優勝ニアミスをきっかけに来年は完全復活を遂げてくれると信じたい。

優勝したブラッドリーは3年前タイガーがここでツアー82勝目を挙げたとき同組で回り、熱狂と興奮を体感していた。「あのときのタイガーを思い出して感激もひとしお。5勝目だけれどどの勝利よりも価値がある」と涙が止まらなかった。

普段そわそわするような仕草が目立つブラッドリーが「タイガーを見習って歩くときも打球動作に入るときも少しゆっくりおこなうようにした」ことが勝因だったとか。バーディで後続を突き放した17番は「生涯最高、忘れられないホールになった」と声を上ずらせた。

余談だがブラッドリーのポロシャツの胸に『Putnam』(パットナム)の文字が。契約先の投資会社のロゴだが最終組で優勝争いしファウラーと共に2位に入ったアンドリュー・パットナムの名字と同じ。なんだかシュールでちょっと笑えた。

画像: 優勝したキーガン・ブラッドリー。タイガーが優勝した大会での勝利に涙し、喜んだ(写真は2022年ZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)

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