ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回は「自分に合ったアイアン選びのコツ」を教えてもらおう。

100切りを目指すレベルのゴルファーに限らず、クラブ選びは多くのアマチュアの悩みの種のひとつ。アイアンひとつを取っても、初心者にオススメできるクラブと上級者が使いやすいと感じるクラブは形状や性能は別物と言えるが「だからと言ってこのクラブは“やさしい”、あるいは“難しい”といった先入観でクラブ選びをしてしまうのはNGです」と兼濱は言う。

「アイアンを例にすると、プロが使うような薄いマッスルバックは、みなさんがイメージしやすい“難しい”クラブですよね。でも考えてみてください。プロは言ってしまえば、一打の結果に何百万円ものお金がかかっているわけで、そんな人たちが自分にとって難しいアイアンを使うはずがないですよね。つまりマッスルバックが一番やさしいと感じるから使うわけです。ここで言いたいのは、寛容か寛容でないかは、使う人のクセや求めていることによって変わるということです」(兼濱、以下同)

プロや上級者がマッスルバックを“やさしいアイアン”として使っているように、いわゆる“やさしい”と言われているモデルであっても、ゴルファーによっては「むしろ難しくなってしまうこともあります」と兼濱は続ける。

画像: 上級者に好まれるマッスルバックにしろ、いわゆる“やさしい”と言われているモデルにしろ、やさしい・難しいといった先入観で選ぶのは避けたいと兼濱

上級者に好まれるマッスルバックにしろ、いわゆる“やさしい”と言われているモデルにしろ、やさしい・難しいといった先入観で選ぶのは避けたいと兼濱

「『ヘッドの形状がこうなっているからやさしい』はもちろんあります。例えばダフりやすい方にはハイバウンスなクラブ、など。でもそれはダフりやすいゴルファーに向けたクラブなので、ダフるミスが自分にとってネックじゃない方にとっては、逆にハイバウンスであることが邪魔をしてめちゃくちゃ難しいクラブになってしまう可能性もあるんです」

そもそもゴルフは大人になって右も左もわからないところから始めるという方が多いスポーツ。初めて自分のクラブを買うときは知識も十分でなければスウィングの感覚もまだ養われていない、という方が大半だからこそ、今のクラブが自分に合っているか不安だし、買い替えるにしてもクラブ自体が高価だから失敗はしたくない。「その気持ちはとてもわかりますが、だからと言って『自分は初心者だからやさしいと言われているクラブを選ぼう』というように、このクラブはやさしい(あるいは難しい)という先入観に縛られてクラブを選ぶのは、個人的にはナンセンスです」と兼濱。

クラブを選ぶ際には「きちんと自分の感覚を軸に選ぶことが重要です」と言う。

「クラブ選びでもっとも大事なのは重量。シャフトの重量とクラブバランス、そして振り心地がクラブを変える際の決め手です。しかし結局のところ自分のスウィングの感覚をまず磨かないと、そもそもこれらの良し悪しを判断できません。遠心力を活かしたスウィングができないとシャフトのしなりが上手く使えず、その状態でフィッティングを受けたとしても、しなりが使えないなら最適解はガチガチに重くて硬いシャフトになってしまいますからね。それではもったいないです」

まずは振っていて「これは重く感じる・軽く感じる」「これは気持ちよく振れる・気持ちよく振れない」といった、漠然としたイメージでの二択でいいので「自分で判断できるレベルになることが重要」だと兼濱。「実際『クラブをなんとなくでもいいから自分で選べるようになって、それで初めてゴルファーですよ』と生徒さんには教えています。そういった判断ができる自分の“軸”ができるまでは1つのクラブを使い続けてスウィングの感覚を磨きましょう」と言う。

「まずは振り心地で選べる自分になることを目標に。そのうえでクラブを選ぶ際は実際に手に取って連続素振りをしたり、試打をしましょう。何回か振って、しっくり来たらもうその感覚に従って決めていいです。何なら『これは出会った』と感じたら『試打で使ったヘッドをそのまま買わせてもらえませんか』って言うべきですね、製品誤差はまったくのゼロというわけではないので。それくらい、自分の感覚を磨いたうえで、それに従ってクラブは選びたいですね」

協力/レッツゴルフ銀座

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