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かつてメジャー初出場で初優勝した36歳のキーガン・ブラッドリー。先日のZOZOチャンピオンシップで勝利したブラッドリーの復活の秘密とは? 海外経験豊富、テレビ解説でもおなじみの佐藤信人プロが語る。 
画像1: 稀代のショットメーカー、ZOZO優勝のK・ブラッドリー復活の秘密

 第4回目を迎えたZOZOチャンピオンシップは、キーガン・ブラッドリーの4年ぶり、PGAツアー5勝目で幕を閉じました。優勝後、キーガンの感極まって泣く姿を見て、選手は高い熱量で戦っているんだな、と改めて思い知らされました。

 シーズンが始まったばかりの試合で、トップ選手は“それなりに”いる感じ。予選落ちはなく、選手側からすれば観光気分とまでは言いませんが、ご褒美的な大会と感じても不思議ではありません。

 でも、優勝争いをしたブラッドリーをはじめ、リッキー・ファウラー、アンドリュー・パットナムは4年近く優勝から遠ざかっている3人。それもあってか、選手たちの戦いぶりには感激したし、日本で開催された大会に素直に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 ボクは3日目にコースに足を運び、出場選手全員のショットを1ショットでも見るために動いていました。ショットメーカーと呼ばれる選手たちの、いわゆる芯を食ったときの打球音と弾道は見事というしかありません。

 さて、優勝したブラッドリーはアンカリング規制の最大の犠牲者と言えます。PGAに昇格した11年には早くも全米プロでメジャー勝者となり、2年間で3勝を挙げました。ところが13年にアンカリング規制が発表され16年から規制が始まります。それまで40位だったストロークゲインド(SG)パッティングは、16年以降、183位、149位、174位、178位、185位、186位と低迷。でも、彼がすごいのは、どんなにパットで苦しんでもシードが危なかったこともない、1ランク上のショットメーカーだったということです。

 そのパッティングに明るい兆しが見え始めたのが昨シーズン、大人気のパッティングコーチ、フィル・ケニオンに指導を仰ぐようになってから。打ち方ではなく、主にアライメントやグリーンの読み方を中心に教わったようですが、アンカリング規制後初めてSGパッティングがプラスに転じ88位に上昇しました。そして今季開幕戦、サンダーソンファームズで5位に入り、翌週のZOZOチャンピオンシップで復活優勝です。

 優勝後のインタビューでブラッドリーは、早くも来年のライダーカップへの思いを語りました。出場した12年と14年はともにアメリカチームは敗退、特にメダイナで開催された12年は歴史的大逆転を食らった大会です。4ボールや4サムでP・ミケルソンと組んで3戦全勝の活躍でしたが、日曜日のシングルスでR・マキロイに敗れ欧州選抜に逆転負け。このときのスーツケースをその後数年開かなったというエピソードがブラッドリーの悔しさを物語っています。

 優勝インタビューではアメリカにいる奥さんとfacetimeをつないで生交信。PGAの粋な計らいですが、二人の思いが伝わってきました。同じフロリダのコースを拠点にするJ・トーマスも、ブラッドリーの感極まり涙する姿に「あの姿は最高だ。彼がいかにハードに練習しているか……」とツイートしていました。この好調がこのまま続けば、今季再び面白い存在になりそうですね。

「今回ひさしぶりに生で見て、ブラッドリーのショットの正確さと美しさには改めてほれぼれ。パットの復調でますますショット力が生きますね」(佐藤)

※週刊GD22年11月8日号 連載「うの目 たかの目 さとうの目」より

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