軟鉄鍛造アイアンの魅力といえば、やはりそのソリッドな打感だが、軟鉄鍛造なのに中空構造を採用したアイアンが今から40年近く前に発売されていた。
画像: 2ピースボール人気に伴って登場した中空構造の「アルタスMSPアイアン」(写真は1983年の広告から)

2ピースボール人気に伴って登場した中空構造の「アルタスMSPアイアン」(写真は1983年の広告から)

1972年にスポルディングが初の2ピースボール「エグゼクティブ」を発売すると、米国ではわずか10年で2ピースボールがゴルフボール全体の約4割のシェアを占めるまでに急成長。日本でも、82年から国産2ピースボールが発売され、メタルウッドの広まりとともに「メタルと2ピースの組み合わせは飛ぶ」と評判になり、また耐久性に優れていることから、一気にアベレージゴルファーの間で広まっていった。

だが、確かに2ピースボールは飛ぶが、飛ぶがゆえにアイアンでのコントロールが難しく、また、打感が硬い、アプローチで止まらないという側面も持っていた。そこで「2ピースボール専用」と謳ったアイアンが各メーカーから発売されるようになる。高硬度で耐熱、耐蝕、耐摩耗性に優れたニューセラミックスをフェースに溶射することで、フェースとボールの硬度差を大きくしてソフトな打感を得られるようにしたモデル、スコアラインをなくし、ボールとフェース面の接触面積を大きくすることでスピン量を増やそうとしたアイアン、そしてカーボンヘッド……。だが、2ピースボールの雄、ブリヂストンが出した答えは軟鉄鍛造の中空構造だった。

見た目はマッスルバックのブレードアイアンだが、中空の「エアロスペース構造」を採用することで重心を深くして、スイートスポットを左右だけでなく上下にも大きくした「マキシマムスポット(MSP)」が飛距離のバラつきを解消。方向性も飛躍的に向上し、しかも低重心化により、これまでよりも安定した弾道になり、アプローチでも狙ったポイントに止められるという触れ込みだった。3番~PWの8本セットで軽量スチール11万2000円、カーボン36万円だった。

画像: 1982年に発売されたブリヂストンの2ピースボール「アルタス」1番手から2番手飛ぶとたちまち人気になり、一気に糸巻きボールを凌駕した(写真は1982年の広告から)

1982年に発売されたブリヂストンの2ピースボール「アルタス」1番手から2番手飛ぶとたちまち人気になり、一気に糸巻きボールを凌駕した(写真は1982年の広告から)

※週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日号「ニッポンゴルフ初物語」より

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