ピンやハザードまでの距離を計測することに加えて、高低差まで計測できるレーザー距離計。ツアーで人気の実売価格5万円前後のレーザー距離計の3モデルを比較した。

ピンやハザードまでの正確な距離を計測することで番手選びの助けになるレーザー距離計。正確な距離を知ることでゴルフのレベルアップにつながるというのは、プロゴルファーでみんなのゴルフダイジェスト編集部の中村修。

「正確な距離を知ることで、ターゲットが明確になり番手ごとの正確な距離(キャリー)を知ることができます。最近の計測器は高低差も計測できるので、打ち上げや打ち下ろし、ライや風による飛距離の違いを積み重ねていくことで、経験値が上がり番手選びや距離感を養うことにつながります」(中村修、以下同)

画像: 左奥から「ボイスキャディTL1」、「ブッシュネル ピンシーカーツアーV5シフトスリムジョルト」、「ニコン クールショットプロⅡスタビライズド」

左奥から「ボイスキャディTL1」、「ブッシュネル ピンシーカーツアーV5シフトスリムジョルト」、「ニコン クールショットプロⅡスタビライズド」

ツアーでもレーザー距離計の使用が許されるようになり、ヤーデージブックに慣れたプロキャディでも計測器を使用する姿が見られるようになっている。競技においては高低差を計測することは禁じられているが、高低差測定をワンタッチでオフにできる機能もあるので、試合中の使用も増えてきているという。

ここでは、ツアーで人気の実売価格5万円前後の3モデル「ニコン クールショットプロⅡスタビライズド」、「ブッシュネル ピンシーカーツアーV5シフトスリムジョルト」、「ボイスキャディTL1」を比較してみよう。

3モデルに共通しているのは、正確な距離計測機能、高低差測定、安全性の高いレーザー光、防水性、近距離優先アルゴリズム、6倍スコープ倍率、高低差オフ機能など。基本的な機能に大きな違いは見られないがそれぞれに特徴があると中村はいう。

「大きさ、重さ、視認性、バイブレーション機能、マグネットなど使い勝手に特徴がありますので、自分のプレースタイルに合わせたモデルを選ぶことが大切だと思います」

ニコン クールショットプロⅡスタビライズド

まずは「ニコンクールショットプロⅡスタビライズド」。最大の特徴はコンパクトなフォルムと実測値189.5グラムという軽さで、ケースを入れても236グラムと3モデルのなかで最も軽量でコンパクトだ。

その理由は、ケースをベルトに通して、体から離すことなく使うように考えられているからだろう。ケース自体の重量も軽いのでスウィングの邪魔にならない腰のあたりに通しておけば、重さも気にならないし、カートの乗り降りでも邪魔になることはない。

画像: コンパクトで軽量だからベルトに通して身につけるのに適したモデル「ニコンクールショットプロⅡスタビライズド」

コンパクトで軽量だからベルトに通して身につけるのに適したモデル「ニコンクールショットプロⅡスタビライズド」

「実際にターゲットに合わせて計測してみると、手ぶれ補正機能が備わっていることとターゲットに照準が合うとロックオン機能で表示にアクセントがあります。それによってバイブレーション機能がなくてもターゲットに合わせやすくなっています。数値表記の明るさを調整することができることも見やすさにつながる機能です」

画像: 手ぶれ補正とロックオン機能を装備したことでターゲットに合わせやすい

手ぶれ補正とロックオン機能を装備したことでターゲットに合わせやすい

別売りでブッシュネルと同じようなハードケースも販売されているので、キャディバッグにぶら下げて使いたい人は購入することをお勧めする。軽くてコンパクトなので女性でも使いやすいはずだ。

ブッシュネル ピンシーカーツアーV5スリムシフトジョルト

続いて「ブッシュネル ピンシーカーツアーV5スリムシフトジョルト」。こちらもツアーで使用率の高いモデル。特徴はターゲットに照準が合うとバイブレーションで教えてくれる機能。狙ったターゲットに照準が合っているかわかりやすい。

強力なマグネットを内蔵しているので、カートやクラブにくっつけておくことができるのも特徴だ。その分、本体の重量は実測222.5グラム、ケースを入れて324.5グラムとニコンクールショットの236グラムと比べると90グラムほど重くなる。

しかし、がっちりしている堅牢なボディは、衝撃にも強そうだ。持ちやすいフォルムとバイブレーション機能でターゲットに照準が合わせやすい。ケースはファスナーを開けっ放しでもワンタッチで取り出せる工夫もあって機能的だ。

画像: 持ちやすいフォルムと堅牢なボディ、ケースも頑丈な「ブッシュネル ピンシーカーV5スリムシフトジョルト」

持ちやすいフォルムと堅牢なボディ、ケースも頑丈な「ブッシュネル ピンシーカーV5スリムシフトジョルト」

「私は10年ほどツアーV2というモデルを使用してきてたので、その耐久性は間違いないです。計測してみるとバイブレーション機能でターゲットに合わせやすく、誤って奥のターゲットまでの距離を計測してしまうこともありませんね」

バイブレーション機能でどのターゲットまでの距離を計測したかが判別しやすい

上位機種では、気温や高度(気圧)までを考慮して打つべき距離を推奨してくれ、レンズや表示の明るさもアップしているから、さらなる機能を求めるゴルファーは要チェックだ。

ボイスキャディTL1

最近ツアーでの使用が増えている「ボイスキャディTL1」。最大の特徴はレンズと表示がとても明るく見やすいこと。バイブレーション機能もありターゲットに照準が早く合わせやすい。マグネットを内蔵している本体の重量は実測247.5グラム、ケースを入れて368.5グラムと3モデルの中で最も重い。

画像: レンズと表示される数値が明るく見やすい。ブッシュネルと同じくマグネットとバイブレーション機能も装備する「ボイスキャディTL1」。傷や汚れを防止するシリコンカバーも付属している(右上)

レンズと表示される数値が明るく見やすい。ブッシュネルと同じくマグネットとバイブレーション機能も装備する「ボイスキャディTL1」。傷や汚れを防止するシリコンカバーも付属している(右上)

「実際に使ってみると、明るさを自動調整する機能も装備されているので、驚くほど明るく見えます。適度な大きさの数値表示に点滅とバイブレーション機能で、どのターゲットに合わせて計測されたのかの判別もしやすい。ツアーで人気急上昇なのも理解できるモデルです。汚れや傷を防ぐシリコン製のイエローのカバーが同梱されているのも嬉しいですて。別売りでカラバリもあります」

画像: ピンのような細いターゲットまでの距離を計測する際には計測ボタン長押しするとスキャン機能で正確な距離が測定できる

ピンのような細いターゲットまでの距離を計測する際には計測ボタン長押しするとスキャン機能で正確な距離が測定できる

ニコンは手振れ補正ロックオン機能とケースをベルトに通しても気にならない軽量コンパクトが特徴。ブッシュネルとボイスキャディの2モデルはバイブレーション機能とマグネット装備で、身につけるというよりは、カートやキャディバッグをベースに使ったら戻すという使い方になるだろう。

一度購入すれば数年は買い替えることのないレーザー距離計測器だけに、自分のプレースタイルに合わせて選びたい。

This article is a sponsored article by
''.