稲見萌寧が火付け役!?
女子プロ界をジャックした三角形パター
テーラーメイド「トラスTB1 トラスヒールパター」
中古相場 在庫ほぼなし

写真は稲見萌寧の「トラスTB1トラスヒールパター」
国内女子ツアーで一時20~30%のプロが使用
初級者から上級者までの4万回にも及ぶパッティングデータから、トウ側に当たるミスが多いことが判明し、その結果を基に作られた『トラス パター』。日本では20-21年シーズンの賞金女王・稲見萌寧をはじめ、永峰咲希、菊池絵理香、堀琴音、若林舞衣子と女子プロ界を席巻。中古市場では売り切れが続出し、ネットオークションでは元値よりも高値で取引されている逸品。
トラス構造とは、橋や建物を造る際に強度を高めるために使われる建築構造で、スカイツリーにも使われており、「下向きの力」を「斜めの向きに引っ張る」ことで力を分散し、ねじれに強くなるというものだ。『トラスTB1』と『トラスTB2』、そして後継モデルである『TPコレクション ハイドロブラスト ジュノTB2』を合わせると、『トラスパター』は20-22年の日本女子ツアー2シーズンで17勝を挙げ、女子プロ界では一時、20~30%の選手が使用した。テーラーメイドのレップは「多くのプロから『トラスのブレードならミスに強く、ショートパットがラクになった』という声を貰っています」と胸を張る。

稲見萌寧の賞金女王戴冠に大きく貢献
2021年に驚異の年間8勝を挙げた稲見の愛器。しかし、その代償は大きく、インサート部分が摩耗し、パッティングの精度を下げていた。今年のニトリレディスからは同モデルの新パターで調整し、優勝。新パターについて聞くと「感触は前から使用しているパターと同じフィーリングでいきました。やはり安心感がありますね」
三菱電機レディスで稲見のシャフトが替わった
稲見萌寧のパターシャフトに変化が!? これは「フルーテッドフィール」という『スパイダーGT』の純正シャフト。「上から来るヘッド軌道の緩和」を目指しているという。

畑岡奈紗のトラスは世界でただひとつ

畑岡の「トラスTB2」には市販と違い、オフセットがない。これまで畑岡が使用してきたセンターシャフトパターに似せたプロトタイプだという。
堀琴音の涙の復活劇をサポート
テーラーメイド 「トラスTB2」

21年にニッポンハムレディスにて、長いスランプを抜けてプロ8年目で涙の初優勝。また22年のTポイント×ENEOSで2勝目を挙げた堀のパターは「トラスTB2」。勝利のために足りないのは「パター」だと分析した結果、たどり着いた一本だ。
トラスTB2トラスセンター
三角形がセンターにあり左右ブレに強い

センターシャフトのようにヘッドの中央に三角形が広がっている「トラスTB2」。オフセットは弱く、構えてみるとセンターシャフトにも見える。トウ側に当たってもヘッドのよじれを感じさせない構造。
高橋彩華の初優勝を助けた
テーラーメイド「トラスTB1」

「私のイメージではインパクトゾーンは完全に直線。振り幅で距離感を出す、完全振り子ストロークです」と自身のパッティングを解説する高橋が相棒に選んだのはブレード型の構えやすさと安定感を併せ持つ「トラスTB1」だ。
トラスTB1トラスヒール
ブレードタイプのように開閉しやすい

シャフトの外径右側にフェースが重なる「フルオフセット」形状でヘッドを開閉するストロークが向く「トラスTB1」。トウ側ウェイトがヒール側に比べて重く重心位置を真ん中に持ってきている。
後継モデルも人気
「TPコレクション ハイドロブラスト ジュノTB2」
中古相場2万9000~4万円

渡辺彩香や若林舞衣子が優勝時に使用していたのは『トラスTB2』の後継モデル。従来モデルよりも三角形を小型することでフェースの開閉がしやすく、違和感を与えない顔を実現。
2022年週刊ゴルフダイジェスト11月22日号より。(PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara)