「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は宮城さんに今年のドライバーベスト3を選んでもらった。

みんゴル取材班(以下、み):2022年は話題性のあるドライバーがたくさん出ました。週刊ゴルフダイジェスト12/27号のランキング特集では「ステルス」と「ローグST MAX」が1、2位を占め、シリーズ別でも「ステルス」と「ローグST」が2強でした。宮城さんの考えるベスト3はどのクラブですか。

宮城:「ステルス」が先行して「ローグST」が追うという展開は予想通りでしたね。評価はセールスが示している通りで、この2つは外すわけにはいきませんが、ぼくは振りやすさで評価されている「ローグST」を2位、使う人を選ぶ「ステルス」を3位にします。

み:「ステルス」は3タイプ、「ローグST」はツアーバージョンをいれて7タイプ。それぞれのイチオシは?

宮城:「ステルスプラス」と「ローグSTトリプルダイヤモンドLS」です。「ステルス」はフェースをカーボンにして24グラムもの余剰重量を作っているわけですが、いちばん振りやすいのが「ステルスプラス」です。理由は前方にスライダー式のウエイトをつけることで極端な重量配分になっていないからです。意外と女子プロで使用者が多いのもそのためでしょう。「ローグST」は振りやすさでプロから評価されていますが、その中で「トリプルダイヤモンドLS」は飛距離性能が圧倒的なモデルです。

み:どちらもハードヒッター向けですね。

宮城:両方ともスピンを減らして初速を上げているので、ミスをしたときに大事故になります。プロでも自信を持って振れている人はいいけれど、調子を落としていると怖いでしょうね。最終的には飛ぶメリットをとるか曲がらないメリットをとるかですが、曲げたくなければ「ローグST MAX」とか「G430シリーズ」とか重心の深いドライバーを使うべきでしょう。

み:その「G430」が1位ですか?

宮城:残念ながらまだ打っていないのですが、ぼくのところにも打感がよくて飛ぶ「G400」のようだという評価がプロやトップアマから上がってきています。従来のピンの弱点がカバーされているので、もう少し早く出ていれば確実にベスト3に入れていたと思います。

み:では1位はどのクラブですか。

宮城:「ステルスグローレ」が2強の「ステルス」と「ローグST」を押しのけて圧倒的にいいですね。以前の「グローレF」や「F2」はつかまるヘッドでライ角もアップライトだったためつかまりすぎることがありました。それに対して「ステルスグローレ」は2度くらいフラットで、フェースがほぼストレートでかぶって見えないので構えやすくなりました。カチャカチャのついた「ステルスグローレプラス」のほうは標準ライ角がさらにフラットで、つかまりが足りないときにアップライトにできる設定です。これが逆にアップライトが標準だとフラットに調整したときにフェースが開きすぎてしまいます。その点がよくできています。

み:クラブ設計家らしい着眼点ですね。

宮城:「ステルス」も同じですが、フェースがカーボンだからいいというわけでなく、その余剰重量を生かしてどう作り込むかが大事です。「ステルスグローレ」は「ステルス」ほどの操作性はありませんが全体的なバランスがとれていて音もよくなっています。ヘッドがちょっと軽めなので45.5インチくらいの長さで40グラム台のシャフトで組めば相当いいドライバーになると思います。

画像: 宮城氏が選ぶ2022年のドライバーベスト3は「ステルスグローレ」「ステルスプラス」「ローグSTトリプルダイヤモンドLS」だ!

宮城氏が選ぶ2022年のドライバーベスト3は「ステルスグローレ」「ステルスプラス」「ローグSTトリプルダイヤモンドLS」だ!

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