黄金世代とは1998年の4月から99年の3月に生まれた女子プロゴルファーの総称、しかしその名称が誕生する前にツアー優勝を飾ったのが1998年7月生まれの勝みなみ。2003年に宮里藍が高校生優勝して以来、女子ゴルフの盛り上がりを憧れとして見ていた女の子たち、98年生まれ‟黄金世代”がツアーに生まれた瞬間だった。

2014年、鹿児島の高校に通っていた15歳の少女がKKT杯バンテリンレディスで優勝し、黄金世代の先陣を切った。

画像: 98年生まれの勝みなみが14年のバンテリンレディスでアマチュア優勝を飾った(撮影/岡沢裕行)

98年生まれの勝みなみが14年のバンテリンレディスでアマチュア優勝を飾った(撮影/岡沢裕行)

勝みなみがゴルフを始めたのは8歳、06年のことだから宮里藍が国内外で活躍していた時期と重なる。かつてパク・セリが全米女子オープンと全米女子プロゴルフ選手権で優勝した98年、韓国に一大ゴルフブームが巻き起こった。当時10歳前後だったパク・インビやシン・ジエら「パルパル世代(88年生まれ)」がのちに世界を席巻。韓国におけるパク・セリとパルパル世代、日本における宮里藍と黄金世代は似たような関係にある。

勝みなみはプロテスト免除でツアーに出場する道もあったが敢えてプロテストを受験。17年に一発合格し、同期には新垣比菜、小祝さくら、淺井咲希、吉本ひかる、翌年には渋野日向子、原英莉花、大里桃子、河本結、高橋彩華ら(ここに挙げた選手は全員が黄金世代)がプロテストを突破し、彼女たちの快進撃がスタートする。

画像: 16年には17歳の黄金世代の畑岡奈紗が日本女子オープンをアマチュア優勝する快挙(撮影/大澤進二 )

16年には17歳の黄金世代の畑岡奈紗が日本女子オープンをアマチュア優勝する快挙(撮影/大澤進二 )

畑岡奈紗も黄金世代のひとり。しかもアマチュアで日本女子オープンを制覇してテスト免除でプロ転向し、17年にはミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでプロ初優勝。日本女子オープン連覇を達成し大器ぶりを見せつけた。

じつは彼女の活躍は男子プロにも影響を与えている。

ナショナルチームのコーチ、ガレス・ジョーンズ氏の指導で畑岡が国内メジャーに勝ったことで、金谷拓実は「奈紗ちゃんが“65パーセントをショートゲーム、35パーセントをロングゲームの練習に費やす”というガレスの教えを守って結果を出してから、僕もガレスを信じるようになりました」。その結果、金谷もアマチュア優勝を経てプロで2勝を挙げている。

18年には沖縄出身の新垣比菜がサイバーエージェントレディスで優勝。髪型も全体の雰囲気も宮里そっくりで本人も「憧れの人。藍さんのような選手になりたい」と打ち明けた。

その年、小祝さくらは2位に4回入りながら優勝は遠かった。しかし19年のサマンサタバサガールズコレクション・レディースで初優勝を飾ると21年に4勝を挙げ、賞金女王争いに加わりメルセデスランキング、賞金ランキングともに3位。トッププロの仲間入りを果たした。

画像: 17年の最終プロテストでは、勝みなみ(中段左)、小祝さくら(中段右)、新垣比菜(上段中央)ら、多くの黄金世代がプロ合格を果たす(撮影/矢田部裕)

17年の最終プロテストでは、勝みなみ(中段左)、小祝さくら(中段右)、新垣比菜(上段中央)ら、多くの黄金世代がプロ合格を果たす(撮影/矢田部裕)

これまで黄金世代で優勝しているのは全部で11名。畑岡が国内ツアー5勝、米ツアー6勝を筆頭に、小祝が国内8勝、勝が国内8勝、渋野日向子は国内6勝、海外メジャー1勝、原が国内4勝、大里が2勝、新垣、淺井、河本、植竹希望、高橋彩がそれぞれ1勝ずつ。

11名で国内通算38勝、海外7勝を紡ぎ出しているのだから凄い。同じ学年の選手がこれだけ活躍するのは過去に類がなく黄金世代と呼ばれるのもうなづける。

もし宮里藍のセンセーショナルなアマチュア優勝がなかったら黄金世代の快進撃はなかったかもしれない。若い世代が躍動することで女子プロ人気は沸騰。20年前のあの日から女子ゴルフの歩みは止まっていない。(第5話へと続く)

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