2023年の国内女子ツアーは昨年同様38試合を開催する。賞金総額は44億9千万円。ステップ・アップ・ツアー(下部ツアー)は4試合増え、年間21試合の大会数。両ツアーの賞金総額を合わせると初の50億円突破となる。あの2003年からちょうど20年目の今年、3月2日の開幕が持ち遠しい女子ゴルフ界を占ってみよう。

ツアーの盛況が続いているのはひとえに選手たちが観て面白いエキサイティングなプレーを披露してくれるから。黄金世代の活躍が呼び水になり、今や2000年以降に生まれた選手たちがツアーを席巻している。

画像: 2000年生まれの吉田優利は22年未勝利ながらメルセデスランク6位。22年女王の山下美夢有に次ぐトップ10フィニッシュ回数と2位5回という成績。1勝挙げれば、その勢いで大ブレークの可能性大(撮影/大澤進二)

2000年生まれの吉田優利は22年未勝利ながらメルセデスランク6位。22年女王の山下美夢有に次ぐトップ10フィニッシュ回数と2位5回という成績。1勝挙げれば、その勢いで大ブレークの可能性大(撮影/大澤進二)

昨シーズンの賞金ランクトップ10のうち00年以降に生まれた選手は6名。残り4人のうち98年生まれが2人(勝みなみ、小祝さくら)。99年生まれが1人(稲見萌寧)とベテランが上位を占めていた以前とは大きく様変わりした。

10位の上田桃子だけが80年代生まれだが、シードを獲得した選手の中には02年生まれの双子の姉妹・岩井千怜(22位)&明愛(44位)もいる。特に岩井ツインズの妹・千怜は21年6月のプロテストに合格し挑んだ昨シーズン、夏場のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝を飾ると、続くCATLadies2022で2試合連続Vを達成。20歳(7月5日生まれ)になったばかりの快挙だった。

すると今度は、21年11月のプロテストに合格した川﨑春花が日本女子プロゴルフ選手権でメジャー制覇に成功。10代(19歳)のパワーが炸裂し、その翌週には同プロテスト1位合格で同期(03年生まれの同じ年)の尾関彩美悠が住友生命Vitalityレディス東海クラシックで優勝をさらった。さらに10月のNOBUTAGROUPマスターズGCレディースでは川﨑が2勝目を挙げるなどルーキーが躍動したシーズンとなった。

今年もまた、プロテストに合格したばかりのルーキーの中から優勝者は出るのか? いや、出るか出ないかの問題ではなく何人勝つのか? のほうに注目が集まっている。

画像: 22年に2勝ずつ挙げた勝みなみと西村優菜は米ツアーへ。この2人の4勝ぶんを誰が奪うのか

22年に2勝ずつ挙げた勝みなみと西村優菜は米ツアーへ。この2人の4勝ぶんを誰が奪うのか

一方、海外に目を向けると23年は勝みなみと西村優菜が厳しいQシリーズ(最終予選会)を突破し米女子ツアーに挑戦する権利を得た。すでに勝と同い年の渋野日向子、西村と同い年の古江彩佳が主戦場をアメリカに移しているが、勝と西村が参戦することでジャパン色が米ツアーに浸透するはずだ。

古江はルーキーイヤーに1勝を挙げており、ジュニア時代からのライバルである西村、もちろん渋野や畑岡奈紗、笹生優花、勝みなみにとっても刺激になっていることは間違いない。人気選手が海外に行ってしまうと国内ツアーが心配になった時代はもう過ぎた。彼女たちが海の向こうで活躍することで国内ツアーも盛り上がるのだ。

画像: 22年、ステップ・アップ・ツアーで5勝して賞金女王に輝いた櫻井心那もブレークの予感。03年生まれの川﨑春花よりさらに1年下の04年生まれ。彼女たち最年少組と上田や藤田さいきら宮里世代との戦いが見れそうだ(撮影/有原裕晶)

22年、ステップ・アップ・ツアーで5勝して賞金女王に輝いた櫻井心那もブレークの予感。03年生まれの川﨑春花よりさらに1年下の04年生まれ。彼女たち最年少組と上田や藤田さいきら宮里世代との戦いが見れそうだ(撮影/有原裕晶)

もちろん上田を筆頭にベテランたちも奮起するはず。百花繚乱、誰が勝ってもおかしくない状況は今年も続くだろう。20年前は宮里藍という傑出したプレーヤーが主役だった。しかし今は、誰もが主役になり得る。今年もまた大勢のファンが会場を埋め尽くすことだろう。選手とギャラリーの間はたった1本のロープだけ。臨場感溢れるゲームの目撃者はあなただ。(了)

This article is a sponsored article by
''.