ゲンちゃんこと時松隆光プロと昨年4月にツアー初勝利を挙げた桂川有人プロがトークを展開。桂川は、シーズンを通して活躍するためのトレーニングについて熱く語った。

時松 ツアーで人気急上昇、22年も大活躍したカッちゃんだけど、特に頑張ってきたな、と感じていることってある?

桂川 ゴルフを始めてからここまでは、フィリピンでの留学生活も含めて、ゴルフ漬けだったんです。ほんと、ゴルフしかしてこなかった。だから体も痩せていて、まだまだ線が細いと自分では常に思っていました。もしプロになっても、1試合や2試合、たまたま活躍するくらいは、もしかしたらできるのかもしれないけど、年間通して上位争いするとなると、どうなのかなという不安は、大学入学前からありました。

画像: 「大学時代はトレーニング方法がまったくわからなかったので、とりあえず重たいものを挙げておけばいいだろうという感じでした」(桂川)

「大学時代はトレーニング方法がまったくわからなかったので、とりあえず重たいものを挙げておけばいいだろうという感じでした」(桂川)

時松 フィジカルトレーニングだね。フィリピンから帰国して、即プロ入りはせずに日本大学への進学を選んだことにも、トレーニングができるという環境が影響した?

桂川 はい。大学ではトレーニングマシンを使いすぎて、ちょっとおかしくなっちゃったくらいです(笑)。「ガリガリだな、そんな体で大丈夫?」と人から指摘されるのが嫌な時期があって。

時松 「ガリガリだな」って言われるほうが、「また太ったな」って言われるより僕はいいけどね。「あれ? 痩せたんじゃない?」なんて言われるとニヤケが(笑)。オジさん発言?

桂川 大学時代はトレーニング方法がまったくわからなかったので、とりあえず重たいものを挙げておけばいいだろうという感じでした。スクワットで100キロ以上挙げて、ガッツリやった気になっていました。

時松 カッちゃん、ものすごいがむしゃらさだね!

桂川 でもトレーニング方法などを少しずつ勉強するようになってからは、ほぼ自重しかやっていないです。以前はゴルフにつながるトレーニングというよりも、とにかく体をデカくしたい一心でした。結局は体重が6キロ増えて、少し筋力がついたんですけど、ドライバーの飛距離には、あまり反映されなかったですし。

時松 ゴルフはデカければいいというわけでもないんだろうね。痩せてから活躍しだしたという選手も多いしね。

桂川 確かに、ジャスティン・トーマスにしても、太ってはいないですよね。だから最近はさらに思考が変わって、ゴルフのことを考えると、筋力トレーニングばかりがいいわけじゃないというか。細いから飛ばないとか、細いからケガをしやすいとか、細いから体力がないとか、そんなこともないのかなって。

画像: 「僕は、飛ばし屋というよりも、時松さんのタイプに近い選手だと自分では思っているので、技巧派の時松さんには、すごく憧れているんです」(桂川)

「僕は、飛ばし屋というよりも、時松さんのタイプに近い選手だと自分では思っているので、技巧派の時松さんには、すごく憧れているんです」(桂川)

時松 僕は大学へは行かずに高校を卒業してプロを目指したんだけど、やっぱり大学進学も遠回りというわけではなく、価値があるんだろうね。だってカッちゃんも、筋トレをやってみて、ゴルフに重要なのはそこだけではないのかなと気づけたのも、大学時代に身をもって体験してみたからこそ、だよね。

桂川 はい。大学へ行ったことはそれ以外にもよかったと思うことがたくさんあります。高校時代はフィリピンにいたので、直接アジアンツアーへ行くという選択肢もあったかもしれません。それと、フィリピンでは日本から来る企業の社長さんとラウンドさせていただいて、普通の高校生ではなかなか得がたい経験ができるというありがたさも確かにありました。ただ、フィリピンだと、単純に同年代の日本人の友だちがいないんですよ(笑)。だから日大のコーチが声をかけてくださったとき、よし、行こう、そう決めました。

時松 日大といえば、僕の地元福岡出身の清水大成が、カッちゃんと同級生だよね。

桂川 はい。寮の同部屋でした。時松さんと大成は、師匠が同じ方なんですよね。ベースボールグリップで有名な「桜美式」の。

時松 うん。篠塚武久先生に、一緒に習っていた。大成が大学へ進学してからは、彼が寮のある静岡で、僕はそのまま福岡だから、なかなか会えていないけどね。

桂川 大成もベースボールグリップですけど、バッカーン! とどれだけ飛ばすんだっていうぐらいの打球でビックリしました(笑)。大学進学してよかったのは、同じプロを目指す先輩や同級生がいて、お互いに切磋琢磨できたということもあります。

時松 同じベースボールグリップでも、大成は僕とは違って飛ばし屋(苦笑)。

桂川 でも僕は、飛ばし屋というよりも、時松さんのタイプに近い選手だと自分では思っているので、技巧派の時松さんには、すごく憧れているんです。

時松 カッちゃんに慰められているような気が……(笑)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月24日号「時松プロ ご指名プロと技トーク わかったなんて言えません」より

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