2023年キャロウェイの新モデル「パラダイム」はボディが360度カーボンシャーシでフェースはチタン。ところが30年も前にチタンフェースのカーボンウッドが登場していた。
画像: 1993年6月に発売されたヨネックスの「チタンカーボン」(写真は1993年の広告から)

1993年6月に発売されたヨネックスの「チタンカーボン」(写真は1993年の広告から)

1982年にカーボングラファイトとパーシモンを一体化したゴルフクラブ、「カーボネックス」を発売しゴルフ界に参入したヨネックス。翌年には世界初のカーボンアイアンを発売し、「9番アイアンで150メートル飛ぶ」という使用プロのひと言で人気に火が付く。

91年には全米のカーボンヘッドクラブ市場で半数近くのシェアを占めるまでになり、92年にはフィル・ミケルソンと契約。そして翌年6月に登場したのが、カーボングラファイトのボディにチタンフェースを組み合わせた「チタンカーボン」だった。

当時の一般的なメタルウッドに比べ、重心位置を低く、深くした低重心高弾道設計。反発特性に優れたカーボンボディと純チタンのフェースを世界で初めてコンポジット。一体成形することで、カーボンが弾き、チタンフェースがスピン量をコントロール。ヘッドだけでなく、ボロンで強化した軽量シャフトを合わせることで、軽々と振り抜けるとともに、しぶとい粘りを実現した。

このドライバーを手にした「ヨネックス飛ばし屋軍団」が来日すると、全国各地でデモンストレーションを行い、400ヤードドライブを披露して日本のゴルファーを驚嘆させる。さらに飛びすぎてカメラのレンズを割るというテレビCMも話題になり、一大ブームを巻き起こした。

翌94年には当時250〜260ccだったヘッド体積を大幅に上回る大型300ccヘッドの「チタンカーボン300」も発売。慣性モーメントが大きくなり、スイートスポットも拡大。芯を外しても飛距離、方向性への影響は少なく、さらに真っすぐ飛ばせるようになる。このモデルは海外でも「Super A.D.X」ドライバーとして人気となった。

画像: 「チタンカーボン」発売の翌1994年に登場した「チタンカーボン300」。当時としては大型の300㏄、シャフトも45インチの長尺だった(写真は1994年の広告から)

「チタンカーボン」発売の翌1994年に登場した「チタンカーボン300」。当時としては大型の300㏄、シャフトも45インチの長尺だった(写真は1994年の広告から)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月14日号「ニッポンゴルフ初物語」より

This article is a sponsored article by
''.