PGAツアーのWMフェニックス・オープンは今年から昇格試合に指定されたことで賞金総額2000万ドル(約26億円)、優勝賞金は昨年の倍近い360万ドル(約4億7千万円)に跳ね上がり大幅に規模を拡大した。ディフェンディングチャンピオンのスコッティ・シェフラーは昨年この大会でツアー初優勝を飾りマスターズまでの2カ月で4勝、一気に世界ランク1位に躍り出た。連覇がかかる今年シェフラーが掲げた戦略とは?

昨シーズン、シェフラーはパーオン率ナンバー1に輝いている。彼が叩き出した数字は72パーセント(パーオン率)以上。平均して18ホール中13ホールでパーオンに成功していることになる。

その理由を本人は「飛距離が伸びたことでグリーンを狙いやすくなった」と語り、一昨年305ヤードだったドライビングディスタンスが311ヤードに伸びたことが高いパーオン率をマークした要因だといった。

しかしそれだけではない。リスクを恐れず果敢にピンを攻めるからパーオン率が高いのかと思いきやシェフラーは「ピンを狙うことはほとんどない」というのだ。

「いつもピンから若干離れたところを狙っている。ショートサイドを狙うことは滅多にない。もちろんウェッジで狙えるときはピンをターゲットにすることもあるけれど、それより大きなクラブではグリーンセンターとピンの間のどこかを狙っている」

シェフラーが目指すのは一か八かのギャンブル的ゴルフではなくリスクを回避する「安全第一のゴルフ」。「このコース(WMフェニックスOPの舞台TPCスコッツデール)では傾斜を上手く利用して寄せることを考えている」

大会初日は強風のためサスペンデッドが決定しておりシェフラーが本領を発揮するのは第2ラウンド以降になりそうだ。

画像: ウェッジより大きなクラブではショートサイドを狙うことはないとシェフラー。この戦略、参考になる人も多いのでは?(写真は2022年ツアー選手権 撮影/Blue Sky Photos)

ウェッジより大きなクラブではショートサイドを狙うことはないとシェフラー。この戦略、参考になる人も多いのでは?(写真は2022年ツアー選手権 撮影/Blue Sky Photos)

優勝賞金4億7千万円だけでなく最下位でも4万3千ドル(約560万円)を稼げるとあって、今年はかつてないほどマンデー予選に選手が殺到した。さらにマンデーに出場するための地区予選に600人以上がエントリー。勝ち上がった112名がマンデーに出場したった3枚の切符(出場権)を目指し戦った。

中には前週のAT&Tペブルビーチ・プロアマを途中棄権してマンデーにトライしたツワモノまで。シードを持たない選手たちにとって今大会がいかに魅力的かがわかるエピソードである。

ツアーでもっともギャラリーが多いことで知られる今大会。「安全第一ゴルフ」のシェフラーの連覇はあるのか? 初日出遅れた大会2勝の松山英樹のチャージはあるのか? ビッグネームが集結した大会で最後に笑うのは誰だ!

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