アメリカでは昨年の秋に発売された「VENTUS(ベンタス) TR RED」と「VENTUS TR BLACK」が、いよいよ日本市場にも登場! どんな性能のシャフトなのかゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広が検証した。今回は「VENTUS TR RED」!

昨年USPGAツアー17勝をあげて圧倒的に支持されているプロ・アスリート向けシャフト「VENTUS」シリーズ。その「VENTUS」シリーズをさらにフジクラ独自の3次元モーションキャプチャーシステム(ENSO)による分析結果と多くのツアー選手の要望からバージョンアップさせて誕生したのが「VENTUS TR」シリーズです。アメリカで発売された2022年秋以降は日本のトーナメントでも使用プロが活躍したのが目立ったことでギアトレンドに敏感なゴルファーの間で話題になっているシャフトです。今回は注目の新製品「VENTUS TR RED」を検証したいと思います。

「VENTUS TR RED」はシリーズの中で最もボールのつかまりを求めた設計のシャフトです。「VENTUS」シリーズには日本には正規で販売されてなかった先調子系の「VENTUS RED」が存在していました。並行輸入で日本にも入ってきていましたので知っている方もいると思います。

その「VENTUS RED」をベースに改良された先中調子のシャフトが「VENTUS TR RED」になります。「TR」はツアーレイテッドの略で、ツアープレーヤーに要求されたツアー規格のシャフトという意味です。日本でのバリエーションは50グラム台のR、S、60グラム台のS、X 、70グラム台のS、Xの6モデルがラインナップされています。今回は50グラム台のRとS、60グラム台のSと Xを検証しました。

画像: ヘッドはピン「G430MAX」を使い検証した。6S は68グラムでシャフト振動数269cpm、6X は69.5グラムでシャフト振動数277cpm

ヘッドはピン「G430MAX」を使い検証した。6S は68グラムでシャフト振動数269cpm、6X は69.5グラムでシャフト振動数277cpm

まずは50グラム台から打ってみました。ワッグルした感じは手元側がしっかりした印象で、バット部分の剛性の高さを感じられます。バット径は珍しく全モデル15.45とわりと太めの設定です。5Rと5Sから試してみましたが、シャフト重量はどちらも59.5グラムとまったく同じで50グラム台といっても重量感がありますね。手元剛性を高くしてあるのでしっかりしたフィーリングです。ダウンスウィング時に楽に切り返しができるシャフトではありませんが、先中調子という割には切り返しのタイミングがとりやすい手元調子系シャフトの要素も感じられます。このあたりはプロスペックのシャフトらしさを感じますね。

シャフト全体の剛性は高く、とくに手元側の剛性が高いので剛性差によって中間部分から先の先端部分の動きは感じますが勝手に走るイメージはありません。

「VELOCOREテクノロジー」を採用している先端部分の剛性は高く、先中調子のシャフトながら、インパクトで叩いても左に巻き込むような感じはありません。ヘッドのポジションを感じとりやすいので、自分の意思でヘッドを動かしていけるイメージです。

5Rは先端部分に動きを感じられてボールのつかまりの良さを体感しやすいと思いますが、シャフト振動数が254cpmですのでRフレックスとしてはしっかりしたフィーリングとイメージするといいでしょう。

5Sは全体的に剛性が高く、手元剛性の高い、中弾道、スピン量は多くなく、少なくもないシャフトで、先端部分が走るイメージというよりは自分のイメージで動かしやすい先中調子シャフトです。

シャフト振動数は264cpmとなり、シャフト先端にかけて徐々に加速して行くようなフィーリングが得られます。トルクも少なく、部分的にねじれるイメージがないので、一体感のあるシャフト挙動は気持ち良く振っていけ、スピード感のあるフィーリングです。しっかりとボールをとらえて、打点のばらつきも少なく安定した弾道が得られます。叩ける先中調子シャフトとして良いイメージのシャフトですね。

6Sと6Xに関しては、私のパワーやヘッドスピードでは本来のシャフトパフォーマンスが発揮できていないものの、テストヘッドが「ピンG430 MAX」というのもあって意外とハードには感じませんでした。この重量帯でSや Xのフレックスになると、特に先中調子というイメージも感じず、一体感のあるシャフト挙動ですが、ボールをしっかりととらえるので右へ出ることもなく、強めにインパクトしても弾道は安定していてボールの着弾にバラつきもありませんでした。

計測器でのデータでは意外にも打ち出し角度はどちらも変わらず、飛距離性能的にも一緒でした。シャフトの切り返しさえできれば、ハードヒッターでなくても意外と打ちやすく感じられるかもしれません。本来のターゲットの方が打てばボールのとらえやすい先中調子のアスリートシャフトのパフォーマンスが体感できるでしょう。

「VENTUS TR RED」はツアー用の先中調子シャフトでした。今回検証したどのモデルも全体的な剛性が高く、特に手元剛性が高め、中弾道でスピン量は多すぎず、少なすぎずのシャフトです。「プロ、アスリートゴルファー基準」のボールの上がり易さとつかまりの良さを体感できるシャフトですね。シャフト中間部から先にかけての動きはどのスペックにも感じられるので先中調子のクセは感じにくいと思います。しっかりしたシャフトが好みだけれど、しっかりし過ぎているとスウィングに余裕がなくなるので少しシャフトにアシストして欲しいという方に良いシャフトだと思います。

飛距離性能的にはシャフトが飛距離を出してくれるイメージよりもインパクトでのエネルギーロスがないのでプレーヤーが振った分だけ飛距離につながるイメージです。叩ける先中調子シャフトとして日本でも人気になるでしょう。

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