世界のトップが勢ぞろいし昨年の全英オープン以来のフィールドの厚さとなったアーノルド・パーマー招待初日、復活に懸けるリッキー・ファウラーが好スタートを切った。19年のWMフェニックス・オープンで優勝して以来どん底にあえいできた彼が本来の姿に戻る日がようやく近づいてきたようだ。

09年PGAツアーデビュー2戦目のフライズ・トッド・コム・オープンでいきなりプレーオフに進出。出身校オクラホマ州立大学のチームカラー、オレンジで全身を固め長髪をなびかせたファウラーはまるでスクリーンから飛び出してきた人気俳優ザック・エフロンのように輝いていた。優勝はならなかったが瞬く間にファンが拡大し、ゴルフを知らない女子が会場に押し寄せ彼が登場すると黄色い声援が飛び交うようになった。

画像: オレンジ色のウエアに長髪をなびかせていたデビュー当時(写真左)と34歳になり父親としての一面も見せるようになったリッキー・ファウラー(写真右)。最近は不調にあえいでいたが、今シーズンは調子を取り戻しつつある

オレンジ色のウエアに長髪をなびかせていたデビュー当時(写真左)と34歳になり父親としての一面も見せるようになったリッキー・ファウラー(写真右)。最近は不調にあえいでいたが、今シーズンは調子を取り戻しつつある

社会現象を巻き起こしたファウラーも昨年末34歳になり一児の父になった。試合会場では1歳の愛娘マヤちゃんが「ダダ(ダディー)」といいながら父を追いかける姿が度々目撃されている。

「ここ数年はタフな戦いが続いていた。歯を食いしばって目の前の状況に耐え、いくつかの必要な変更に取り組み、ようやく気持ち良くプレーできるようになってきた気がする」

19年の5勝目以来、勝星は途絶えここ3シーズンのフェデックスカップランキングは94位、134位、133位と低迷。3年間でベスト10入りはわずか4回。60試合に出場し24回の予選落ちを喫してきた。

何が悪かったのか? 当初本人は「メンタルの問題」と語っていたがスタッツを見るとすべてが平均を大きく下回っていた。しかし今シーズンは出場8試合ですでにベスト10入り3回。予選落ちは1回でポイントランク24位につけている。

しかもストローク・ゲインド・アプローチ・トゥ・グリーン(グリーンを狙うショット)は平均0.941で全体の7位に入るなどバンカーからのサンドセーブを除くほぼすべてのデータが過去3年とは別人のようにツアーの平均を大きく上回っている。つまりどこか1つが改善されたわけではなく、トータルで技術面のすべてが底上げされたことになる。

世界ランクトップクラスが大挙して出場しフェデックスランクトップ30全員が顔を揃えた今大会でも、好調なショットに加え13番では10メートル以上あるパーセービングパットを沈めるなど4アンダー68をマーク。単独首位のジョン・ラームに3打差の5位タイと好調な滑り出しを見せた。

14年には4大メジャーすべてでトップ5入りしネクストメジャーチャンピオンの呼び声が高かったファウラー。時は流れ23年の彼は再び高みを目指すべく肩の力を抜いて前を見つめている。長かった髪は34歳らしい短髪に変わりラウンド後は父親の顔になる。そんな彼がかつての輝きを取り戻す日はいつ?

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