女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。焼き肉のタン塩が大好きという小祝さくらのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第11話は「思い通りに打ちたいから」

フェードボールに取り組みましたが、フェーダーではありません

小祝さくらは進化のためには変化を恐れない。ドローヒッターだった小祝さくらだが、昨年オフから、新コーチの吉田直樹とともに、「フェードボール」に取り組んだ。

そもそも吉田コーチを見つけたのはユーチューブだ。「教え方や理論がよさそうだと思ったんです。谷原(秀人)さんを教えている方で、ちょうど一緒にラウンドする機会があって、つないでもらいました」

画像: 今年の目標を、色紙を渡した瞬間スラスラと「メジャー優勝」と書いた小祝さくら。「あ、メジャーといっても、国内メジャーです、今は(笑)」

今年の目標を、色紙を渡した瞬間スラスラと「メジャー優勝」と書いた小祝さくら。「あ、メジャーといっても、国内メジャーです、今は(笑)」

「私は新しい理論を常にチェックするわけではないんです。シャローイングとかGGスウィングとか、すごいなと思いますけど、自分には絶対できないだろうと思ってもいて、そこは一切見ていない(笑)」

「でも、こういうふうにやってみたいなということも何となくあったので、コーチに聞きながらチャレンジしてみようと思ったんです」

ドライバーショットが散らばっていたので安定感が必要だと思ったから、挑戦した。やると決めたらやる女、それが小祝さくらだ。

「フェードを打つときは少し左に向いて、軌道はアウトサイドインで。最初は違和感しかなくて、けっこう難しいなって。本当にできるのかなって思いながらやっていました。でも変えてよかった。安定感が出てミスも減りました。飛距離は変わっていません」

画像: オフ練のひとコマ。少し練習して偶然打てても「できた!」と騒がない小祝さくら。しかし取り組んでいる課題に「今のできてたよ」とコーチが言っても「えっ、今やっていないんですけど」と答えるのもまた、小祝さくら

オフ練のひとコマ。少し練習して偶然打てても「できた!」と騒がない小祝さくら。しかし取り組んでいる課題に「今のできてたよ」とコーチが言っても「えっ、今やっていないんですけど」と答えるのもまた、小祝さくら

思い通りの球を打つ精度をもっと上げられたらいいな

昨年前半は安定していたショットだが、スウィングに偏りも出てくる。ドローばかり打つとクラブがどんどん下から入ってくるが、フェードの練習ばかりするとクラブが上から入って、今度はつかまらなくなってくる。

そうして調子が悪くなったりしていた。だから昨夏頃の小祝さくらは、試合ではフェードを打つが、練習ではドローも打ってスウィングを整えたりしていた。

キャディの小畑貴宏は語る。「左ピンのときは少しドローめで、右ピンのときはカットめで狙えるの
は、女子では申ジエプロしかいません。でも、さくらプロもそうできたらいいねと話をしていて、昨年末の3ツアーズで実際やってみて、上手い感じでいったんですよ」

今年の開幕前まで、さらなるショットの安定性を課題において練習してきた。「もうそれだけ。やっぱり思い通りの球を打ちたいですし、もっと精度を上げられたらなあと考えて取り組みました」

「今の私、‟フェーダー”という感じは一切ないんです。自分の球筋をそう決めているわけではなく、ピンポジションだったり、風向きといったシチュエーションに応じて打ち分ける感じにしています」

「そうすることで、マネジメント、自分のゴルフがけっこうラクになりました」

言われたことをただひたすら練習するだけではなく、その練習の意味や効果、最終的に目指すことも考えて、練習に取り組むようになった小祝さくら。より進化した小祝さくらの2023シーズンが開幕した。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月14日増刊号より(PHOTO/Satoru Abe)

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