傾斜地からのショットが上手い人と、苦手な人との違いを探るこのシリーズ。第4回目となる今回は、つま先下がりの斜面だ。

つま先下がりは、スウィング中にバランスを崩しやすく、ミート率が落ちやすい。それゆえに、このライを苦手にしている人は多いようだ。では、具体的にはどこに問題があるのか? プロコーチの井上透氏に聞いてみた。

画像: 井上透コーチとゴルフ歴2年の細野里奈さん。つま先下がりのトップ

井上透コーチとゴルフ歴2年の細野里奈さん。つま先下がりのトップ

「傾斜地からのショットを苦手にしてしまう人というのは、基本的にアドレスの体重配分と、スウィング中の体重移動がよくありません。逆に言えば、この2つのポイントを見直すことができれば、つま先下がりからのミスショットをかなり減らせると思いますよ」(井上)

というわけで、今回も足裏にかかる圧力と体重移動を計測できる豊田合成㈱のインソール『FEELSOLE』を使用して、上級者と初級者の違いを比較検証してみよう。

画像: インソール『FEELSOLE』。シューズの中に敷いて運動すると、足裏のどこに体重がかかっているのか、体重がどのように移動するのか計測できる。価格は4万9500円(税込) 問い合わせ先は、豊田合成ライフソリューションスペシャルサイト https://toyodagosei-led.jp/form/ lifesolution.base.shop

インソール『FEELSOLE』。シューズの中に敷いて運動すると、足裏のどこに体重がかかっているのか、体重がどのように移動するのか計測できる。価格は4万9500円(税込) 問い合わせ先は、豊田合成ライフソリューションスペシャルサイト https://toyodagosei-led.jp/form/

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つま先下がりは、つま先体重になりやすい。これがミスのもと

まず注目してもらいたいのは、アドレスの体重配分だ。井上コーチのデータを見ると、平らなライも、つま先下がりも、足裏にかかる圧力に大きな差はない。それに対して、傾斜地が苦手な細野さんは、つま先下がりになると、体重がかなりつま先寄りにかかっていることがわかる。なぜ、細野さんはつま先体重になってしまうのだろう?

画像: 井上コーチの場合、平らなライのアドレスは、左かかと58%左つま先42%(写真左)、つま先下がりのアドレスは、左かかと57%左つま先43%(写真右)と、前後の体重配分に大きな差がない

井上コーチの場合、平らなライのアドレスは、左かかと58%左つま先42%(写真左)、つま先下がりのアドレスは、左かかと57%左つま先43%(写真右)と、前後の体重配分に大きな差がない

「つま先下がりは、球が足元よりも低い位置にあるため、ヘッドをボールに届かせようとして、いつもより前かがみになってしまう人が多い。細野さんがつま先体重になってしまうのも、これが原因です」(井上)

画像: 細野さんの場合、平らなライのアドレスは、左かかと45%左つま先55%(写真左)、つま先下がりのアドレスは、左かかと22%左つま先78%(写真右)と、かなりつま先体重になっている

細野さんの場合、平らなライのアドレスは、左かかと45%左つま先55%(写真左)、つま先下がりのアドレスは、左かかと22%左つま先78%(写真右)と、かなりつま先体重になっている

つま先体重が強くなれば、それだけスウィング中にバランスを崩しやすくなる。細野さんが、つま先下がりを苦手にしてしまう大きな原因は、この前かがみ&つま先体重の構えにあったのだ。

平らなライの体重配分に近づくよう、両ひざを曲げて構える

「つま先下がりで、バランスを崩さずにスウィングするためには、なるべく平らなライと同じ体重配分で構えることが大切です。そのためには、平らなライと同じ前傾角度のまま、いつもより両ひざを曲げて構えるのがポイント。前かがみになって前傾が深くなると、つま先体重になってしまうので注意してください」(井上)

画像: 井上コーチの場合、平らなライのアドレスは、左かかと58%左つま先42%、右かかと63%右つま先37%。平らなライのトップは、左かかと63%左つま先37%、右かかと62%右つま先38%

井上コーチの場合、平らなライのアドレスは、左かかと58%左つま先42%、右かかと63%右つま先37%。平らなライのトップは、左かかと63%左つま先37%、右かかと62%右つま先38%

次に、スウィング中の体重移動を見てみると、井上コーチは、足裏の前後の体重移動が抑えられているのに対し、細野さんは前後に大きく体重が移動していることがわかった。

画像: 井上コーチのつま先下がりのアドレスは、左かかと57%左つま先43%、右かかと40%右つま先60%。つま先下がりのトップは、左かかと53%左つま先47%、右かかと43%右つま先57%と、前後の体重移動が抑えられている

井上コーチのつま先下がりのアドレスは、左かかと57%左つま先43%、右かかと40%右つま先60%。つま先下がりのトップは、左かかと53%左つま先47%、右かかと43%右つま先57%と、前後の体重移動が抑えられている

「基本的に、バックスウィングでは体の回転に伴って体重が右かかとにします。ただ、細野さんは、つま先体重で構えているために、右かかとへの体重移動が大きくなってしまうようです。さらに、ダウンスウィングにおける左かかとへの体重移動も大きいために、体がボールから遠ざかり、ボールの頭を叩くようなミスになってしまいました」(井上)

画像: 細野さんの場合、平らなライのアドレスは、左かかと45%左つま先55%、右かかと50%右つま先50%。平らなライのトップは、左かかと34%左つま先66%、右かかと49%右つま先51%

細野さんの場合、平らなライのアドレスは、左かかと45%左つま先55%、右かかと50%右つま先50%。平らなライのトップは、左かかと34%左つま先66%、右かかと49%右つま先51%

つま先側の地面が低く、バランスを前後に崩しやすいつま先下がりでは、前後の体重移動を抑えてスウィングすることが大切だと、井上コーチは言う。では、どんな練習をしたら、その感覚を手に入れることができるのだろう?

画像: 細野さんのつま先下がりのアドレスは、左かかと22%左つま先78%、右かかと29%右つま先71%。つま先下がりのトップは、左かかと26%左つま先74%、右かかと53%右つま先47%と、前後の体重移動がかなり大きい

細野さんのつま先下がりのアドレスは、左かかと22%左つま先78%、右かかと29%右つま先71%。つま先下がりのトップは、左かかと26%左つま先74%、右かかと53%右つま先47%と、前後の体重移動がかなり大きい

両かかとで板などを踏んだまま打つ練習が効果的

「練習方法としては、両かかとで板など(写真はバランスディスクを使用)を踏んだまま球を打つとよいでしょう。アドレスしたときの両足首の角度を変えず、いつもより少しコンパクトに振れば、前後の体重移動が抑えられ、つま先下がりに強いスウィングが身につくと思いますよ」(井上)

画像: つま先下がりに強くなるには、両かかとで板など(写真はバランスディスクを使用)を踏んだ状態で球を打つとよい

つま先下がりに強くなるには、両かかとで板など(写真はバランスディスクを使用)を踏んだ状態で球を打つとよい

つま先下がりに強くなりたかったら、前かがみ&つま先体重のアドレスを見直し、前後の体重移動を抑えたスウィングを身につける。みなさんもぜひ試してもらいたい。

THANKS/木更津GC

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