5月初め、欧州ツアーからリー・ウエストウッドなどの大物選手たちが退会した。それを機に欧州ツアーのキース・ペリーCEOの運営方法に異を唱える声も上がり始めた。

「退会は寂しいが、仕方がなかった」リー・ウエストウッド

欧州ツアー(DPワールドツアー)から退会したのは、すでに現在LIVゴルフでプレーしているリー・ウエストウッド、セルヒオ・ガルシア、イアン・ポールター、リチャード・ブランドの4選手。昨年6月、欧州ツアーの本部があるロンドンでLIV開幕戦が行われ、これに欧州ツアーに登録している17選手が許可なく参戦した。

画像: 左からリー・ウエストウッド、セルヒオ・ガルシア、イアン・ポールター。正式に欧州ツアーを退会した(写真は各選手の公式ツイッターより)

左からリー・ウエストウッド、セルヒオ・ガルシア、イアン・ポールター。正式に欧州ツアーを退会した(写真は各選手の公式ツイッターより)

そのため欧州ツアー側は、各選手に10万ポンド(約1700万円)の罰金を科した。結果、ガルシアを除く16人が罰金を支払ったが、先の4人が欧州ツアーを退会。今後、彼らに追随する選手が現れるという報道もある。

欧州ツアー25勝のウエストウッドは、「退会は寂しいが、さらなる罰金や制限の可能性があるので離れることにした。これまで長年、欧州ツアーのメンバーでありながら、PGAツアーでもプレーしてきた。それとLIVでプレーすることの何が違うのだろうか」

「欧州ツアーは、PGAツアーと提携して欧州ツアーのトップ10に入った選手は、PGAツアーに進めることになった。優れた才能の流出だと思う。ペリーCEOは認めたくないようだが、欧州ツアーはPGAツアーの下部ツアーになってしまった」と、いまの欧州ツアーの在り方を非難。

欧州のゴルフメディアも現状について、ギャラリー数の減少、イギリス国内でテレビ中継されない大会数の増加、欧州ツアーだけでプレーする選手が契約スポンサーの獲得に苦心していること、世界ランキングの分配ポイントの減少といった苦境を指摘している。さらに、LIVが支援しているアジアンツアーの2大会が、今年8月にイギリス国内で実施される予定もある。

2024年のPGAツアーの日程変更にともない、欧州ツアーの歴史あるビッグトーナメントが軒並み9月~11月に追いやられるなど、ツアー価値の低下が表れていると非難。欧州ゴルフメディアは対応策の早急な実施を提言している。

果たして、ペリーCEOの対応はいかに? ちなみに日本の国内ツアーはLIV出場を認めているが、その他の事例は、まさに他山の石としてほしい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月30日号より

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