プロゴルファーナンバー1決定戦、全米プロゴルフ選手権で新たなヒーローが誕生した。カリフォルニアのゴルフ場でレッスンをおこなうクラブプロ、マイケル・ブロックがタイガー並みの歓声を浴びトップ15フィニッシュ。ローリー・マキロイと同組でプレーした最終日の15番ホールではティーショットが直接カップに飛び込むホールインワンを達成。舞台のオークヒルCCに地響きのような歓声が巻き起こった。
画像: ホールインワンをマキロイ(写真左)に祝福されるブロック。日ごとに注目が高くなるなか、今週のシンデレラストーリーをなんとホールインワンで締めくくった(写真は2023年全米プロ選手権 撮影/Getty Images)

ホールインワンをマキロイ(写真左)に祝福されるブロック。日ごとに注目が高くなるなか、今週のシンデレラストーリーをなんとホールインワンで締めくくった(写真は2023年全米プロ選手権 撮影/Getty Images)

151ヤードの15番パー3。7番アイアンでブロックが放ったショットはカップの淵を直撃し、そのまま消えるスーパーエース。大歓声のなか本人は「カップに入ったのが見えなかったので近くに寄ったのかな、と思った」と戸惑いながら帽子を脱いで熱狂するギャラリーに手を振った。

すると次の瞬間マキロイが近づいてハグ。心の中では「なぜハグされるんだろう?」とクエスチョンマークが渦巻いたが、そこでようやくホールインワンだったのだと理解した。

最終ホールもセカンドショットをグリーン左のラフに外しながら寄せワンのナイスパー。4日連続パープレーとはいかなかったが難コース相手に1オーバー71にまとめトータル1オーバー15位タイに入り来年の出場権を獲得した。

クラブプロにとって全米プロは夢舞台。これまでブロックは4度出場しているが予選をクリアできず、5度目の正直でやっと念願の決勝ラウンド進出を果たした。もしトップ10に入ればこれまでのクラブプロの全米プロでの最高位(11位)を塗り替えるところだったが、記録以上に価値のある15位タイ。

プレーイングパートナーのマキロイは「(15番で)左からの風に当てて打ったマイケル(ブロック)のドローボールは本当に素晴らしかった。直接カップインしたからね。記憶に残るショットを彼はずっと打ち続けた。メジャーの舞台で信じられないようなプレーを連発したのだから今週は間違いなく彼のためにあったと思う」と心からの賛辞を送った。

プレーだけでなくラウンド中2回もイヤホンをつけ中継ブースからの質問に応える“ウォーク&トーク”で大会を盛り上げた。土砂降りの3日目には憧れのジャスティン・ローズと一緒の組で「緊張してロージー(ローズ)の顔をまともに見られなかった」と可愛いことをいった46歳のおじさんプロ。

ヘッドプロを務めるゴルフコースではメンバーや関係者がクラブハウスに集まりパブリックビューイングさながらの盛り上がりで地元のヒーローのプレーに釘付けになった。ちなみに普段のレッスン料は1時間150ドル(約2万円)だがこの活躍で「もっと高額を払ってもいいから習いたい」という人が続出しそうだ。

これまでの最高獲得賞金はクラブプロ選手権で優勝したときの7万5千ドル(約1千万円)。今回はその4倍近い28万8333ドル(4千万円弱)を稼ぎ出した。

それだけではない。トップ15入りで次週のPGAツアー、チャールズ・シュワッブ・チャレンジの出場権も獲得。今後もスポンサー推薦が殺到しそうな勢いで、男子のゴルフ界に久々のシンデレラストーリーが誕生した。

「夢の中を歩いているようだ」とブロック。

一瞬で運命が変わることもある。

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