ZOZOチャンピオンシップに出場していた選手で名前が「テイラー」なのは、ベン・テイラー(イングランド)、ニック・テイラー(カナダ)、テイラー・ムーア(米国)、テイラー・モンゴメリー(米国)の4人。おや、テイラーが名字の人とファーストネームの人がいる。
これはよくあることなのか、言語学を専門とするアメリカ人講師に聞いてみた。「テイラーは、ファミリーネームとしてもファーストネームとしてもよくある名前です」とのこと。しかも「ファーストネームとして、男女ともに使えます」という。確かにアメリカの女性有名歌手、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)を知っている人は多いだろう。つまり、明治安田生命が解説したところの“ジェンダーレスネーム”の代表格というわけだ。ただ、アメリカでは「ジェンダーニュートラル」と言うそうで、近年の流行というわけではなく古くからある。日本ならさしずめ「かおる」さんといったところか。しかし「かおる」という名字の人は見かけないので、ジェンダーレスかつ名字・下の名前両方に使えるとなると……。「いずみ」さんが近いのかもしれない。
そして、日本で近年よく話題になる、“キラキラネーム”について。同じようなケースがアメリカでもあるのか聞いたところ「それに近い現象が“メイキングアップネーム”かもしれませんね」という。「たとえば『アシュリー』という名前はよくあり、スペリングだと『Ashley』が一般的ですが、それをあえて『Ashleigh』というスペリングにするんです。確かにスペリングを間違われやすいというのはデメリットかもしれませんが、逆に個性というメリットにもなり得ますよ」。ただ、日本では、キラキラネームだと就職の際に不利益を被るという説があるが「アメリカでは、名前による差別はほとんどないように思います。アメリカは世界中の国から人が集まった多民族国家。ちょっと“変わった”名前があったとして、それをからかったり差別したりして、その変わった名前がその人のルーツに由来したものだったりしたら、それこそ大問題になりかねません」
プロゴルファーの「Taylor」からは、内容がいささか脱線してしまったが、さらにアメリカ人講師と話してみると、「テイラーという名前で思い浮かぶのはテイラー・ロートナーのことですね」。テイラー・ロートナーはテレビシリーズ「トワイライト」などで知られる有名俳優(男性)で、元カノはテイラー・スウィフト。しかも、その後、(ロートナーが)結婚した相手がテイ・ドーム。しかし、この「テイ」は、実はニックネームで、本名はテイラー。そのため、米メディアでは「ミスター&ミセス テイラー・ロートナーの誕生だ!」と話題になったのだという。
さて、ZOZOチャンピオンシップの話に戻る。出場した4人の「テイラー」は、果たして「テーラーメイド」契約プロなのか。テーラーメイド社に聞いたところ、「テイラー・モンゴメリーのみが契約選手です」とのこと。ちなみに、テイラー・ムーアはピン契約で「PING」のロゴ入りキャディバッグに「Taylor Moore」とネーム刺繍を入れて戦っている。