飛距離の差をカバーするにはショートゲームを磨くしかないんです
GD アメリカ女子ツアーのQTのとき、目標の20位に届かなくて、「戦えないんじゃないか」と少し弱気になっていましたが、去年一年間戦ってみて、そのあたりの気持ちは変わりましたか?
西村 トップを見ると、まだまだ遠いと思います。でも、必死にやりながら、いろんなことを感じながらシードは取れたので、いまは「戦えない」とは思っていないです。でも、上との差はまだまだあるな、とは感じます。
GD それは飛距離ですか?
西村 飛距離もそうですし、日本のように飛距離をカバーできるホールがあまりないので難しさを感じています。たとえば日本だと、パー5のサードショットでしっかりつけてとか、ショット力でカバーできたんです。でも、アメリカではグリーンが硬かったり、ピンを狙えなかったりという状況が多くて、必死に攻めてバーディを取れるパー5が日本ほど多くないんです。だからこそ、飛距離のギャップを感じてしまうというか、ほかをもっともっと強化しないと、飛ばせる選手には追い付かないなって思っています。
GD 何を強化したいですか?
西村 ショートゲームとパッティングでカバーするしかない! って思っています。
GD スタッツを見ると、サンドセーブ率が1位です。それと、平均パット数が5位(28.66)、パーオンしたときのパット数も11位(1.760)ですよ。
西村 このオフは、アプローチとパットを強化したので、数字に出てくれるのは嬉しいですね。
GD アメリカで勝つということは、どういうふうに考えていますか?
西村 まずは優勝争いをする回数を増やしたいと思います。その中でチャンスがあれば、っていう感じです。日本よりチャンスが少ないと思うので、「ここはいけるな」っていう自分の得意コースをどんどん経験して、そういう試合にピークを合わせるということも考えています。
GD 今年は一つメジャーが終わって、次は全米女子オープンですが、メジャーに関してはどのように考えていますか?
西村 メジャーは昔からの一番大きな目標でもあるんですが、シェブロンとエビアン以外はコースが変わるので、その難しさがあるなって感じています。
GD 勝機があるとすれば、どういうコースでしょうか?
西村 ちょっとトリッキーなほうがいいかもしれないです。たとえばシェブロンのコースは、割と広くて距離があるので、やっぱり飛ぶ人に有利なんです。エビアンのようなトリッキーなコースのほうが戦いやすいとは思っています。
GD 今年の全米女子プロは、コースの木が大きくて、その木の間を縫っていくようなコース
だったと思います。フェアウェイの真ん中に木があるホールもあって、距離も長くはなかったはずで、チャンスがあるかもしれませんね。
西村 そうなんですか。どんなコースか早く見たいです。メジャーはいつもすごく楽しみですから。
GD 去年は確かアーカンソー選手権で、ホントにちゃんと優勝争いをしたのは初めて、と言っていましたね?
西村 そうです。優勝争いの緊張感は、やっぱり20~30位で戦っているのとは全然違うんです。優勝に近づくには、優勝争いの緊張感のなかでどれだけ自分のゴルフができるかがとても大事で、今シーズンはまだできていないので、まずはそこかなと思っています。
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在米カメラマンで、数多くの米PGAツアーや米LPGAツアーを取材する田邉安啓氏による西村優菜へのインタビューの続きは今日発売の2024年6月11日号の「週刊ゴルフダイジェスト」かMyゴルフダイジェストへ!
取材・撮影/田邉安啓