クラブ選びに苦労したのがアイアンだったという。優勝したニュージーランドでは組み上げたばかりの620MBを使っていた。「つかまり具合いがしっくりくるアイアンがなく、マッスルバックのMBに戻そうとなったのですが、オフセットのない限りなくストレートネックのヘッドがないかずっと探していました」(幡地)
「タイトリストの担当の方がアメリカに問い合わせたところ、PGAツアーで僕と同じようにアイアンに悩んでいた選手用に削ったヘッドがあるからと、それと同じように削ったMBを送ってもらい日本で組み上げていただき、まさに試作段階のアイアンでプレーして勝ったんです。帰国後、それをもとに新たにでき上がったMBを4月から使い始め、関西オープンの優勝につながりました」
4IからPWが620MBで、3Iが620CB。このCBはセッティング撮影をした6月の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップの練習日に調整を加えていた。
「下の番手に合わせた見た目の部分と打点の調整を行いました。また、鉛の位置を調整して打ち出す球が最も強くなる位置に貼り直しました。3Iはキャリーで230ヤードです」と同社のツアー担当。
アイアンが決まったことによって3Wも変更したという。「アイアンを変更したため、3Wの球のイメージも揃えたいと相談があり、TSR2+からロフト16.5度のTSR2に替え、先端をカットして長さを調整。さらに(ネック調整で)ロフトを0.75度立て、見た目と希望する距離に合わせました。『安定したフェードを打ちたい』との要望を、こういった変更で叶えることができました」(同担当)
ドライバーはTSR4のロフト10度で平均飛距離は311.27ヤード(2位)。「ロースピンタイプのヘッドで僕にはこれが合っています」と本人。
優勝した関西オープン後の会見では、「今週、一番活躍してくれたのがパターでした」と語ったエースパターがスコッティキャメロンのファントムX T11。
前契約のテーラーメイド時代からマレットタイプのセンターシャフトを使っていて、これは昨年、黒いヘッドのセンターシャフトを3カ月待ちでオーダーして9月の東海クラシックから使用。平均パットのスタッツも1.74の13位と上々のようだ。
ボールは、昨シーズン、プロV1でスタート、「もう少し、しっかりした打感が欲しい」と最後の2試合はプロV1xでプレー。その後、「スピン量を少し落としたい」とレフトダッシュをテストし、今シーズンはプロV1レフトダッシュを愛用中。「タイトリストのスタッフの方には本当に感謝です」と幡地。さらなる飛躍に期待。
1W/TSR4(10度)・ベンタスブラック(7X)
3W/TSR2(16.5度→15.75度)・ベンタスブラック(7X)
3U/TSR2(18度)・ベンタスブラック(10TX)
3I/620CB(20度)・DG EXツアーイシュー(S400)
4I~PW/620MB・DG EXツアーイシュー(S400)
SW/ボーケイデザインSM10(56度)・DG EXツアーイシュー(S400)
LW/ボーケイデザイン ウェッジワークス(61度)・DG EXツアーイシュー(S400)
PT/スコッティキャメロン ファントムX T11(3.5度)・LA GOLF PシリーズSOHO
BALL/プロV1 レフトダッシュ
※スペックは編集部調べ ※3Wのロフトはネック調整でマイナス0.75度、3Uのライ角は標準よりも0.75度アップライト ※スペックとスタッツは6月13日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月2日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)