開く・閉じるがやりやすい、万能ウェッジ
連載34回目は「ゴルフクラフト・大信プロダクト」の福嶋さんがオススメする1本をご紹介。福嶋さんは本試打企画の15回目に掲載され、「ロッディオコンシェルジュ」を取得している。今回は「アクシスゴルフ Z4TOUR WEDGE」がオススメのクラブとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。
工房店主の福嶋さんが「Z4TOUR WEDGE」の特徴を語る
Z4TOUR WEDGEに対して福嶋さんは、「今回のウェッジはバウンスは多いですけど、見た目に反して抜けが良く、刺さったりザックリを少なくできるウェッジだと思います。芝が薄い所やベアグラウンドではボールに対して綺麗にクラブを入れなくてはいけないところですが、そのほかの通常のケースでは楽に打てるウェッジです。これとは反対にローバウンスを好むプロがいることは事実ですが、アマチュアが使用するとバウンス効果が少なくごまかしが効かず、アプローチに苦手意識が出てしまうこともあります。ハンドファーストが強い人ほどクラブが刺さりやすい傾向があるので、ザックリで悩んでいる人にとっては抜けが良く刺さらないような救世主になる可能性があります」と語った。
今回特徴的なバックフェースに施されている8つのウェイト調整に関して聞くと、「基本的には工房に来ていただくことが好ましいです」と語り、理由を尋ねると「ウェイト調整では重たくするにはタングステンを使い、軽くするにはアルミ素材のパーツを使用します。脱着の際にネジ穴をなめてしまい外せなくなってしまうことや、パーツが破損してしまうケースが注意点です。ですがシャフトを変えずにバランス調整できることはカスタム性に富んでいてメリットですので、ご自身で調整する際は十分注意して行ってください」とウェイト調整時の注意点も教えてくれた。ウェイト調整の効果に関して福嶋さんは、「ヒール側を重くすると重心距離が短くなり方向性が安定する傾向があり、ソール側を重たくすると重心深度が深くなって球が上がりやすくなります。カスタマイズすることで自分に合ったウェッジを作ることができます」と可変ウェイトの効果を教えてくれた。
アクシスゴルフ「Z4TOUR WEDGE」の印象を堀越プロに聞いた。
「アクシスゴルフのウェッジはツアープロの大槻智春プロが60度を使っていることで有名ですよね。このウェッジは重心距離が平均的で、オートマチックさと操作性が丁度よく合わさっていると思います。そのため難しすぎず、開いたり閉じたりしやすい万能なウェッジという印象です。構えてみるとウェッジの刃が出ていて、所謂FP値が多めとなっています。好みはありますが、この刃が出ていることによってボールを拾えるイメージが出やすいと思います」(堀越プロ)
「傾向として、ウェッジの重心距離が短いと操作性が良く、長いとやさしめの傾向で、オートマチックに打てるような印象が強いです。今回のウェッジは平均的な長さのため万人が使いやすいようなウェッジに仕上がっていると思います」と今回のウェッジに対する印象と、重心距離による操作性などの違いを解説してもらった。
あらゆるシチュエーションで試打を開始 !
①バンカー
▶「ハイバウンスならではの打ちやすさとお助け感」
「今回のアクシスウェッジは珍しいくらいハイバウンスなウェッジでした。砂の量や硬さにも寄りますが、バウンスがあるほうが砂に潜り過ぎずに打てることができます。砂が軟らかく多めの時はかなり楽に出すことができますが、砂が薄い、硬い時はバウンスが弾かれてしまうため注意が必要です。バンカーが苦手な方や、ある程度やさしさを求める方にもおすすめできるので、是非試してほしいですね」(堀越プロ)
②花道(20Y)
▶「 “ ザックリ ” を出にくくすることができるバウンス」
「ハイバウンスだと刃が浮いてしまうイメージを持っている方がいますが、実際は芝によって少し沈むので違和感を感じにくいと思います。バウンスが16度もあるため、入射角が鋭角に入るゴルファーはザックリを防いでくれる効果が期待できます。ザックリを怖がり過度にハンドファーストに構えている方は、ハイバウンスを使うことで芝に刺さらずに打つことができると思います」と抜けが良い=ローバウンスではないことを説明してくれた。
「また、シャフト軸線状より後ろにバウンスの頂点があるため、ショット時のバウンスの効き方が1テンポ遅れてくるような感覚があります。決して滑っているような感覚ではなく、芝に刺さる感覚がないためザックリを怖がることなく振っていけると思います」
総評
「今回試打した『アクシス Z4TOUR WEDGE』はバウンスが16度という市販では中々見ない珍しいクラブだと思います。そのバウンス効果でザックリやバンカーへのお助け感がありつつも、ソール後方を削ることによって開くこともできるまさに “ 万能 ” なウェッジだと感じました。一見ソールだけ見ると難しそうな印象を抱きがちですが、実際に打つとミスがミスじゃなくなるような寛容性と、自分でフェース面を調整して弾道を操る楽しさを味わえるオールマイティなウェッジでした。またバックフェースのデザイン性は他社クラブでは無いこだわりがあり、重量の調整が行えることや、デザイン性によって所有欲を満たせるウェッジだと思います」(堀越プロ)
ゴルフクラフト・大信プロダクト
今回紹介した福嶋さんの過去記事はこちら !
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