「低スピン弾道は飛ぶ」という話は、いまやゴルフ界の常識。一方、「クラブもボールも低スピン化している今の時代は、“適正スピン”が大切」という話も最近よく聞く。ひと昔前は「吹き上がる」という表現くらいしかなかったドライバーのバックスピン量。週刊ゴルフダイジェスト11月5日号から一部抜粋し、クラブとスウィングの2人の専門家が語る「スコアにつながるドライバーショット」を紹介しよう。”いまどきスピン”の実態が見えてきたぞ!
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クラブの専門家

堀口宜篤プロ
米国でゴルフを学んだ経験を生かして、クラブフィッテングとスウィングを同時進行で教える。海外の最新理論にも明るいプロコーチ。東京・新小岩の「パフォーマンスゴルフスタジオ」主宰

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スウィングの専門家

中井学プロ
YouTubeチャンネル「中井学ゴルフチャンネル」などでもおなじみのプロ。アマチュアが苦手とするスウィングや技術などの解決策を日夜研究。最新スウィング理論やギアにも造詣が深い

PGAのプロだって低スピンすぎる選手はほぼいない

「スピンは、ボールを”浮揚”させるのに大切な要素。実際、フィッティングをしていて、スピン不足で『ボールが上がらない』なんて言っているアマチュアの方、多いんです」という堀口プロ。

「確かに、“一発の飛び”を考えれば低スピン弾道もありですが、スピンが少なすぎると、ボールが上がりにくく、キャリーも安定しづらい。決して、スピンは少なければ少ないほどいいわけではないんです」

昨年のZOZOチャンピオンシップでPGAツアー選手の弾道データを見て、驚いたという堀口プロ。

画像: 堀口プロがチェック!「コリンは2700rpm、ザンダーも2600rpmくらいのスピン量でしたよ」

堀口プロがチェック!「コリンは2700rpm、ザンダーも2600rpmくらいのスピン量でしたよ」

「HS50m/s以上、ボール初速も80m/s近くある、PGAツアーの選手でも、スピン量は2500〜2600回転くらいが平均。X・シャウフェレは、ボール初速79 m/s、打ち出し角12度、スピン量2600回転くらいで最高到達点40m近い高いボールを打ってくる。C・モリカワも2700回転くらい。2000回転前半の選手なんてほぼいませんでした。ヘッドがアッパーではなく、レベルで入ることによって、安定したヘッド軌道になり、これが“適正スピン”の入った安定したキャリー飛距離や弾道を生む。スピンが少なすぎると、球がよじれやすいですから。タフなコースで、ハザードを避けて、狙った場所にボールを運ぶ。そんなティーショットに最適な弾道なのだと思います」

堀口’s CHECK 01
「レベル軌道で適正スピン。これで安定キャリーを生んでます」

「多くの選手は、フェース向きのコントロールがしやすいレベル軌道でヘッドを入れています。この軌道が適正なスピンを発生させ、安定したキャリーや弾道を生む。アッパー軌道ではフェース向きの管理が難しいんです」

画像: レベル軌道が正解

レベル軌道が正解

堀口’s CHECK 02
「ドライバーも驚くくらい高い球。これも適正スピンのおかげ」

「中弾道ライナー系で前へ行く球をアマチュアは“飛ぶ弾道”と思っている方が多いのですが、実際のプロの弾道は適正スピンが入って、しっかりキャリーの出る高弾道です」

画像: 弾道の高さが明らかに違う

弾道の高さが明らかに違う

堀口’s CHECK 03
「スピンが少なめだと“危険な球”になる可能性大」

「スピンが少なすぎると、ドロップやチーピンといった危険な球が出る可能性が高くなります。適切なスピンが入ることによって、球が上がり、キャリーが出て、球の曲がりやよじれが少なくなっていくのです」

画像: スピンが少なすぎるのもダメ

スピンが少なすぎるのもダメ

画像: ”適正スピン”と”安定キャリー”が大切です。スコアにつながるドライバーショットをクラブとスウィングの専門家が徹底解説!

軌道と打点が常に一定だからできる『スゴ技』なんです

「女子プロはアッパー軌道で、低スピン弾道で飛ばす、とよく言われます。ただ、これはアッパー軌道でもフェース向きの管理ができる、打点が常に安定している女子プロならではの“スゴ技”なんです」

HS41m/s前後の”適正スピン”を実験検証

HS41m/s前後の”適正スピン”を堀口プロと実験検証。
「確かに、スピン量2000回転くらいの低スピンは飛んでますよね。でも、これは“ギリ”の数字。これくらいのスピン量にしようと打っていたら、ほんの少しの打点ミスで平気で1400とか1600回転くらいの超低スピンな“危ないボール”になる可能性がありますから。ヘッドの軌道や打点が安定している女子プロだからこそ、このくらいのスピン量で、毎回同じように飛ばしていけるわけです。」

画像: 前傾姿勢キープがレベル軌道で“適正スピン”のポイントです

前傾姿勢キープがレベル軌道で“適正スピン”のポイントです

「それとキャリーとランの比率も大事です。キャリー+ラン20Yくらいが適正なスピン量の弾道。ランの比率が高い弾道は、スピンが足りずにキャリーが出ないことにもつながってしまいます。結局、適正スピンで安定したキャリーの出る弾道のほうが、間違いなくコースで使えます。一発の飛びより、平均飛距離を重視したほうがコースマネジメントやスコアメイクをしやすいのです」

画像: 2400〜2600回転くらいあれば、打点ミスでスピン量が落ちても、2000回転を切ることはないと思います。だから飛ぶ、飛ばないの"バラつき"が少なくなるのです

2400〜2600回転くらいあれば、打点ミスでスピン量が落ちても、2000回転を切ることはないと思います。だから飛ぶ、飛ばないの"バラつき"が少なくなるのです

堀口プロの3つのワンポイントアドバイス

①両肩をレベルな感じで構える
両肩をほぼ水平(レベル)な感じで構える。グリップした右手が下にくる分だけ、右肩がほんの少し下がる感じでいい。

画像: 上げようとして左肩上がりのアドレスはNG

上げようとして左肩上がりのアドレスはNG

②胸を回してバックスウィング
腕で振ろうとすると体の伸び上がりが起きやすい。腕でクラブを上げずに、胸郭を回してバックスウィング。

画像: 「腕を振る」ではなく「胸郭を回す」

「腕を振る」ではなく「胸郭を回す」

③左股関節に乗って腰をターン
切り返しからダウンスウィングで左に踏み込み、左股関節の上で腰をターン。腕で振らずに、下半身主導で振っていく。

画像: 下半身主導のスウィングが正解!

下半身主導のスウィングが正解!

PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Blue Sky Photos、Yasuo Masuda
THANKS/PGST

※週刊ゴルフダイジェスト11月5日「スコアにつながるドライバーSHOT」より一部抜粋

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中井学プロが教えるコツは、週刊ゴルフダイジェストの11月5日号か、下記のMyゴルフダイジェストをチェック!

スピン量について詳しくなろう

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