熱気球フライトは気流の安定する早朝か夕方の気温の低い時間帯に行われる。しかも、常に風が吹きつける状況で、かつ空高く上昇していくにつれ温度は下がっていく。大空を優雅に回遊するイメージだが、絶えずバーナーの操作をして高度を変えたり、風向きや風速、高度のチェックなど、細かい動きが要求されるため、寒いからといってモコモコのダウンを着たりできないという。そんな熱気球乗りのために、動きやすく薄着でも十分な暖かさを確保できるウェアを……という想いから開発されたのが「フレアフォース®」だ。
太陽光で表面温度10度アップ! 夜明け前や曇りの時でも暖かい
赤外線を利用した防寒アイテムはすでに多く出回っているけれど、実は屋外での保温・蓄熱効果が実証されていないものが多いのだそう。太陽光には紫外線、可視光線、赤外線など様々な種類の光線があるが、約40%を占めるという“近赤外線”に注目し、「フレアフォース®」の素材の表面に照射された近赤外線を繊維内に蓄熱することで、約10℃の温度上昇を短時間の約5~10分で達成することが確認済み。
上記は「フレアフォース®」とダウンジャケットを着用して衣服内温度の上昇を調べた実験結果。ダウンもフレアフォースも、ともに1分~5分で約16度も上昇している。同じように暖かくなるのであれば、ダウンジャケットより動きやすい薄手のウェアのほうを選ぶだろう。
「太陽光で暖かくなるというなら、曇りの日は機能しないの?」という疑問も出るところだが、少しの太陽光エネルギーでも効率良く吸収するため、日が暮れた頃や曇天のときでも効果はしっかりと発揮する。
薄手で蓄熱機能があってストレッチも利いて動きやすいのなら、ゴルフにぴったりじゃないか!! ということで、この新開発素材「フレアフォース®」を使った初のゴルフウェアをゴルフダイジェスト完全オリジナルで「フレアフォース スウィングテック ウォームブルゾン&パンツ」を製作!
中綿・裏地にも機能素材を使い、3段階であったか
太陽光で10度アップの「フレアフォース®」の表地だけでなく、中綿には防風・保温機能、裏地はスキーウェアにも使われる吸光熱変換剤と遠赤外線放射機能剤を織り込んだThermotoron RadiPoka®(サーモトロンラジポカ)という保温機能のある素材を使い、曇りの日でも「フレアフォース®」の効果を補完。表・中・裏の3段階で寒さに対抗する「トリプルサーモシステム」で、薄手ながらしっかりと暖かさをキープしてくれる。袖部分には中綿を入れず身頃にだけに入れ、スウィングするときの腕の動きを妨げない仕様に。
ゴルフの動きを考えた裁断でスウィングはスムーズ、アドレスもしっくり
気球用に開発された新素材を使いつつ、デザインはラウンド中の動きを隅々まで考えて、動きやすさを考えて型紙を起こすことからスタート。いちばんのポイントは腕周りのカッティング。アドレスした時からの腕の動きを想定し、通常は1~2枚のところ4枚の生地を縫い合わせて立体的な袖の仕立てで腕が突っかかる感じがなくスッとアドレスに入れる。また、前と後ろには2カ所ずつダーツを入れて、お腹ぽっこりの体型をカバーしつつ、腰回りの動きやすさもアップさせている。
さらに、パーツごとに表裏を縫い合わせることで裏地のダブつき・もたつきを解消し、脱ぎ着するときに引っかかり感がないのも嬉しい。
サブレインとしても使える
蓄熱機能付きながら撥水機能もあるので、ちょっとした雨ならレイン代わりとしても着られる。
「中綿入りとは見えないのに、ものすごく暖かいです!」by奥山プロ
「動きやすい感じがすごくします。クラブを振りやすいのはもちろんですけど、アドレスした時に腕の収まりの良さを感じました。これって意外と他にないかもしれないと思いました。パンツもモコモコ感はなくグリーン上でのライン読みでの膝の曲げ伸ばしもスムーズです」(奥山プロ/177cm・69kgで上下ともにLサイズ着用)
11月の曇天の日の撮影だったが、汗をかくほどにブルゾン内の温度がアップし「フレアフォース®」の威力を存分に見せつけられた。ブルゾン、パンツで揃えればこの冬から着ぶくれゴルフとはおさらば!!