
板東寿匡-Toshiki Bando。1999年生まれの25歳で徳島県出身。小学校1年生頃にゴルフを始め、香川西高校を経て日本大学へ。2021年ツアープレーヤーに転向を果たす
GD: ACNツアーの開幕戦では好スタートを切りましたが、改めて今季の目標から聞かせてください。
板東: 来年のシード権獲得を目標にしています。今年はランキング的にレギュラーツアーにも出ることができるので、リランキングまでに頑張ってと思っていました。ただ、ACNツアーの開幕戦が良かったというのもありますが、下部ツアーでしっかりやるということも選択肢として考えています。
GD: 昨年のQTで初めてファイナルに進出しましたが、それまではなかなか思い通りのゴルフができなかった?
板東: そうですね。予選会とかは結構通っていたんですが、QTに関しては2年連続でサード落ちでした。2022年は自分から選んで富士可児(富士カントリー可児ゴルフ場)を選んだんですが、そこで少しショットに違和感を覚えてしまって。そうしたら2023年、また富士可児の順番になってしまったんです。プロでも得意不得意なコースがあるので、自分にとっては富士可児は苦手なイメージがあったんだと思います。
GD: どこでQTを受けるかは重要ですね。
板東: そうなんです。当たり前ですけど、みんな自分が得意なコースを選んでくるわけですから、順番で苦手なコースに飛ばされるとちょっと厳しいですよね。
GD: ショットの違和感というのは?
板東: ショットイップスまでではないんですが、振り心地が気持ち悪くなってしまって。今は大丈夫なんですが。
GD: そんな中で昨年はファイナルに進出して今年の出場資格を得たわけですが、ここまでの手応えは?
板東: なかなか難しい戦いになっていますが、後半戦なんとか巻き返したいと思っています。
今ツアーの中心選手には多くの同期がいて、励みになっている
GD: 今は静岡県在住ですが、日本大学出身だからですか?
板東: そうですね。ずっと三島にいたのと、今は静岡のグランフィールズカントリークラブ所属なので、そこで練習をさせてもらっています。それに静岡って本当に住みやすいんです。ゴルフの環境はやっぱり静岡というか関東はいいんですよね。
GD: 大学の同期は誰がいますか?
板東: 大学の同期は植木祥多や村上拓海です。同学年では米澤蓮、杉原大河、石坂友宏らです。
GD: 日大ですから当然と言えば当然ですが、今ツアーで中心選手として戦っている選手が多いですね。
板東: そうですね。当時から一緒にやってきた仲間の活躍は刺激になります。
GD: ところで、177センチ、70キロとプロの中では細身ですよね。失礼な言い方とするとそこまで恵まれた体格ではないとは思いますが、厳しいプロの世界に身を投じようと決めた要因は?
板東: 確かに日大にいるとプロになるのが普通だという流れもあります。そこまでゴルフをやってきたんだからという思いもあるのかなと思いますが、僕の場合は、それは嫌だったので大学4年間でレギュラーになれなかったらゴルフは諦めようと思っていました。しかし、4年の時にレギュラーになれたので、プロになってみようかなという考えになりましたね。
GD: 大学4年生でやっとレギュラーに? じゃあ3年生の時には就職活動なんかもしていたんですか?
板東: いえ、やっていませんでした(笑)。4年でレギュラーになれなかったら辞めようと決めていたことは本当ですが、プロとして通用できるという物差しみたいなものがあったのが良かったのかもしれません。1年上には清水大成さん、桂川有人さん、木村太一さんらがいて、1年下には古川龍之介らがいる。確かにかけ離れたレベルでゴルフをやっていましたが、身近に今すぐにでもシード選手として通用する選手達がいたことがプロになる後押しになったと思います。

さわやかな笑顔の裏にはオタクな一面も!
趣味はゲームにアニメ、漫画です
GD: 大きな意味での目標は?
板東: やっぱりレギュラーツアーで優勝、そして海外に挑戦したいですね。
GD: リフレッシュ方法は?
板東: ゲームにアニメ、漫画です。少年のような趣味ばっかりなんです。(笑)お酒も飲まない(飲めない)ので、本当子どもみたいでしょ。
GD: 好きな漫画は?
板東: 以前はジャンプなんかの少年漫画が好きだったんですが、今は青年漫画が多いですね。でもジャンルの幅は広いです。ゲームは大学時代はエーペックスというのにハマっていて、1日の半分以上、寝る、食事、練習以外はずっとそのゲームをやっていました。今思えば異常でしたね(笑)。
GD: 今っぽく言えばオタク?
板東: うーん、そうなんですかね? オタクではないと思いますけど、ハマると時間を忘れてやっていましたから(笑)。
GD: お酒は飲まないとのことですが勝負飯というか好きな食べ物は?
板東: 勝負飯はないですけど、肉とラーメンが好きですね。二郎系のような濃い系が好きです。
GD: (地元の)徳島ラーメンは?
板東: もちろん好きです。でも好きか嫌いかがはっきりしていて評判は良くないですよね? ご飯を食べたくなるくらいの濃い味なんで、徳島県民は糖尿になる人が多いんです(笑)。
朝がすこぶる弱くて朝の機嫌は悪いと仲間からも評判の板東選手ですが、ゴルフをしている時の印象は爽やかそのもの。笑顔で颯爽とプレーしているイメージの板東選手。後半戦は持ち味のショット力で悲願の優勝を目指します。集中力が高またっときの爆発力に注目してください!
文/出島正登
写真/有原裕晶