国内男子ツアー「日本プロゴルフ選手権大会センコーグループカップ2026」最終日、23歳の細野勇策が通算15アンダーで逃げ切り、悲願のツアー初優勝と日本人史上2人目となるレフティVを達成した 。日本人レフティとしては1991年ダイドードリンコオープンで優勝した羽川豊以来。海外勢を含めると15年日本プロのA・ブランド、18年ミャンマーオープンのP・ピーターソンがおりツアー史上4人目となった。13アンダーで、木下陵介、田中裕基、石坂友宏、ソン・ヨンハンの4人が2位を分けた。
画像: 初優勝のレフティ細野勇策(撮影/岡沢裕行)

初優勝のレフティ細野勇策(撮影/岡沢裕行)

15アンダーで逃げ切り優勝

画像: ウィニングパットを決め左拳を握りしめる細野(撮影/岡沢裕行)

ウィニングパットを決め左拳を握りしめる細野(撮影/岡沢裕行)

13アンダーで首位から出た細野は、1番で残り12ヤードからの第3打を56度のウェッジでチップインイーグルとし、好スタート 。6番までバーディボギーを繰り返し、その後は苦しんだが、9番から18番まではパープレーと辛抱強く耐え抜いた 。最終18番(580ヤード、パー5)では、ピン奥5メートルに3オンし、2パットのパー 。短いウィニングパットを沈め、右手にパターを持ち、左拳をギュッと握りしめた 。

優勝の瞬間は、「もう少し感情が動くかなと思ったんですけど、そんな余裕もなく、必死に1ホール1ホールゴルフしたらもう終わってたっていう感じでした。2番のボギーからずっといいショットが打てずに、ハーフぐらいまではほんとにいいショットを打った記憶がなくて、ちょっとクラブ短く持ったり色々していました」と明かした 。

苦しい展開の中、ティーショットを左の隣のホールに打ち込んだ15番のピンチがあった 。「構えた時からいい雰囲気がしなくて、そのまま打っちゃったっていうような感じでした。そこはすごく反省点なんですけど。それで『またか』って自分で思いましたけど、なんとかパーで切り抜けられてよかったかなと」と振り返る。

さらに「横に出してボギーっていう作戦もあったんですけど、横に出すのも結構難しかったので、上狙ってイチかバチかじゃないですけど、そんなに太い枝もなかったので、葉っぱにかかるぐらいだったらいいかなと思って(狙いました)」と脱出を図り、見事に3オン1パットのパーセーブで切り抜けた 。9度目の最終日最終組からのスタートで転落してしまう「またか」を卒業した。

心臓病とレフティのハンディを乗り越える

画像: 心臓病とレフティのハンディを克服して優勝カップを手にした(撮影/岡沢裕行)

心臓病とレフティのハンディを克服して優勝カップを手にした(撮影/岡沢裕行)

山口県出身の細野は、生後2カ月の時に心臓に先天性の病気が見つかり手術を経験している。激しい運動ができなかったため野球を諦め、父の手ほどきで6歳からゴルフを始め、当時から利き手の左でクラブを握ってきた。しかし、レフティならではの苦労も多く、「ジュニア時代はジュニアのクラブとかなかったので、レディースクラブを切って使ったりとか、海外から取り寄せたりっていうのはありました。全部父親がやってくれてたので、父親にすごく感謝しています。練習場の打席もなかなか端っこばっかりが多いので。自分が活躍すれば少しでも左打席が増えてくれればなと、ずっと持ってます」と過去の苦労と練習環境への思いを口にする。

細野はルネサンス大阪高等学校2年だった2019年に一度プロ転向を見送る苦渋も味わったが、2021年にプロ入りを果たした。昨季(2025年)は25試合すべてに出場し、予選落ちわずか1回、予選通過率96%でツアー1位を記録するなど着実に実力を蓄えてきた。本格参戦から5年目、ツアー出場82試合目で手にした初優勝は、山口県勢初の日本プロ制覇で、23歳135日での大会史上10番目の年少Vという記録尽くめの快挙となった。幼少期の心臓病やレフティ特有のハンディなど、多くの壁を乗り越えて日本プロの頂点に立った。

日本人選手のレフティ優勝は、1991年の羽川豊以来となる 。細野は「前に言われたこともあるんですけど、全然苦じゃなくて、でも(優勝できない流れを)早く止めないとなと思ってたので、自分がデビューした時から35年ぶりで止まって良かったなと思います」と語り、「2年前ぐらいに羽川さんに早く勝ってといわれてたので、会って報告できたらなと思います」と大先輩へ思いを馳せた 。

レフティの誇りもある 。「もちろん左を背負ってこれからも行きたいですし、やっぱ日本人のレフティってのはそんなにいないので、やっぱ海外の選手と比べて少ないので、日本人のレフティの皆さんに応援してもらえるような選手になりたいなと思います」と力強い覚悟を示す。

2勝目に向けて「何回失敗してもこうやって勝てばおめでとうって言ってもらえるので、またどんどんチャレンジしていきたいなと思います」と意気込む 。さらに「ショットが万全じゃなくても優勝ができるっていうのは、すごく自信になりましたし、どこかちょっと完璧じゃないと嫌だっていうのもあったので。それがすごく今日なくなったのかなと思います」と、状態が完璧でなくても勝ち切れる手応えをつかんだ。


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