ジャンボMTNⅢモデルが一番最初に登場したのが1983年。当初はあまり話題にならなかったが、翌84年にジャンボMTNⅢリミテッドエディションを発表したころから人気が出始め、以降、宣伝もしないのに口コミで広まり、今ではプロモデルの中で一番人気の座を得るまでになった。

ジャンボの好調と、プロゴルファー中でも同モデルを使用する人たちが増えるに従って、他メーカーもジャンボモデル似のクラブを次々に発表した。

それだけこのクラブは最近にないヒット作と言えるのだ。

そして、ジャンボモデルの3作目となるジャンボMTNⅢプロモデルが出た。

3種類ともヘッドの基本的形状は同じだが、部分的に見るとかなり改良された点が見られる。すでにリミテッドエディションは販売されていないので、初期のものとプロモデルについて、その違いから触れてみよう。

まずプロモデルでは、リーディングエッジからトレーディングエッジにかけてソールにラウンドが付いている。初期のモデルはほとんど平らに近かったから、この点は大きく違う。

画像: ジャンボモデルを作り上げたブリヂストンスポーツ、ゴルフクラブ開発部アイアン担当チーフエンジニアの後藤勝廣氏

ジャンボモデルを作り上げたブリヂストンスポーツ、ゴルフクラブ開発部アイアン担当チーフエンジニアの後藤勝廣氏

ブリヂストンスポーツ(株)ゴルフクラブ開発部アイアン担当チーフエンジニアの後藤勝廣氏が、ラウンドを付けた理由について次のように話す。

「アメリカの芝と日本の芝は違う。日本の芝ではソールが平らでも打っていけるが、アメリカの芝ではラウンドを付けていないとヘッドの抜けが悪くなる。だから丸みを持たせてくれと、ジャンボからの依頼があった」

このラウンドは、それほど強烈なものではない。若干バウンスが付いているといった程度のもの。しかしこの若干の違いがヘッドの抜け具合に大きく影響する。柔らかい芝の中に沈んだボールを打つには、ヘッドの抜けやすさが決め手になるということだ。

もうひとつ変わったのは、フェースの長さが短くなったことだ。

「ソールとトップブレードに厚みをもたせてくれ、と依頼を受けた結果、フェースの長さを短くして、その分の肉をソールとトップブレードにもっていった」(後藤氏)

ということは、フェースの長さを短くすることに特に理由があったわけでなく、結果的に短くなったわけである。

ジャンボが肉厚の熱いトップブレードを望んだのは、そうのほうが力強さを感じるからなのだという。

画像: ジャンボMTNⅢを使う尾崎将司。1989年フジサンケイクラシック@川名ホテル富士コース

ジャンボMTNⅢを使う尾崎将司。1989年フジサンケイクラシック@川名ホテル富士コース

以上が初期モデルとプロモデルの大きな相違点。他の部分はそれほど変わっていない。

ヘッド形状は伝統的なコンベンショナルスタイルだ。

コンベンショナルスタイルは、スコッチブレードと比較すると、トウ側のスコアラインからトウの先端にかけてのスペースが広く見える。そのためスコアリングゾーンが、全体的にヒール側に寄っているように感じられる。

ゴルファーはボールに対してヘッドをセットするとき、スコアリングゾーンの中心にボールを置くようにして構える。だからスコアリングゾーンが全体的にヒール寄りにあれば、ボールも自然にヒール寄りに置いて構えることになる。

となればジャンボモデルは、ヒール寄りにあるスウィートスポットの位置で構えさせることになるわけで、これはゴルファーに心理的な安心感を持たせてくれる。

画像: 赤丸部分がスウィートスポット。ヒールより高めにあった。

赤丸部分がスウィートスポット。ヒールより高めにあった。

少なくともアドレスのときにフェースの真ん中でボールをセットし、インパクトではヒール寄りで打つスタイルよりも、はるかにイメージが描きやすい。またヒール寄りで構えることにより、ボールを包むように感じる。いかにも当たりそうだという印象になる。

(1989年チョイスVol.48 ザ・アイアンカタログ)

その②の記事はこちら↓↓
ジャンボMTNⅢプロモデル「伝説の名器」知られざる秘密②

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