ギア!名勝負第16回は、2003~2004年に登場し、その低重心効果で注目されたプロギア「TR-X DUO370」とヨネックス「サイバースター パワーブリッドRX」をご紹介します。

画像: プロギア TR-X DUO370 2003年

プロギア
TR-X DUO370
2003年

画像: ヨネックス サイバースターパワーブリッドRX 2004年

ヨネックス
サイバースターパワーブリッドRX
2004年

DUOの飛びにジャンボも飛びついた

「打ち出しが高く、スピンを抑えた球がこんなに簡単に打ててしまったら、俺の今までの努力はなんだったんだよ!」。プロギアが開発した「DUO(デュオ)」を初めて打ったジャンボ尾崎の反応だ。

今世紀初め、反発規制が設けられることが決定的になると、クラブメーカー各社は、“ポスト高反発”のテクノロジーを模索し始めた。そのひとつが03年初めに発売されたDUOだった。ボディはチタン合金だが、クラウンにはCFRP(炭素繊維強化樹脂)が使われていた。

画像: プロギア TR DUO340 2003年

プロギア
TR DUO340
2003年

金属とカーボンの複合ヘッドは画期的で、プロギアはこの構造の狙いを、「フェースが動く」と称していた。クラウンに柔軟性があれば、インパクトの瞬間クラウンがたわむため、フェースのロフトが増える方向になり、その結果、打ち出し角度が高くなってスピン量も減る。これが当時言われていたデュオ効果だが、大きいのはやはり“低重心効果”だった。カーボンの比重はチタン合金の約3分の1と軽い。その分低重心化しやすくなる。

DUO以降、雨後のタケノコのようにカーボン複合ヘッドのモデルが出現したが、製造法、構造、ともにやや異なるのがヨネックスの「サイバースター パワーブリッド」だった。クラウンに加えてヘッド後方の側面にもカーボンが使われて、クラウンがたわむDUOに対して、ヘッドがたわむことを売りにしていた。ヨネックスは90年代末まで、フィル・ミケルソンやスコット・ホークなどと契約していたが、クラブの知名度はいまひとつだった。

画像: 2000年 全米オープン フィル・ミケルソン

2000年 全米オープン フィル・ミケルソン

それを一気に高めたのがサイバースターシリーズだった。さらに、もともと得意としていたカーボン複合技術を生かしたパワーブリッドRXで勢いは増した。

その後DUOは約3年で姿を消してしまった。難点とされた打感や打球音が改善できなかったことに加えて、製造技術が進歩したことも要因だ。軽比重のチタン合金などが開発され、カーボンを使わなくてもDUOと同じ効果が得られるようになったからだ。

だが、この功績が消えたわけではない。低重心化すれば、打ち出しは高くなるし、スピン量が減って飛ぶ弾道になりやすいことを多くのゴルファーに知らしめた。このことを見ても、カーボン複合ヘッドがクラブの進化に一定の貢献をしてきたことが分かる。

文/近藤廣


月刊ゴルフダイジェスト 2015年9月号より

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