2017年のゴルフダイジェストアワード「アイアン・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのはヨネックスのN1-CBフォージド。2016年の男子ツアーでクラブ契約フリーの池田勇太が使用、賞金王を獲得するプレーを支えたアイアンだ。果たしてその打ち心地はいかに!?

アイアン界のトレンド「シャープな見た目でやさしく打てる」

「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修です。ヨネックスの「N1-CBフォージド」を、コースで試してきました。まずどんなクラブなのか、簡単にご紹介しましょう。

まず特徴的なのは、バックフェースに溝を掘り、そこにグラファイト制振材を加えたハイブリッド構造である点。これにより、打感が軟らかく感じられるとともに、重心が低くて深くなることで、見た目以上にやさしいモデルとなっています。

画像: バックフェースのソール側、キャビティ部分に黒い異素材がコンポジットされている。これにより深・低重心化し、打感も向上

バックフェースのソール側、キャビティ部分に黒い異素材がコンポジットされている。これにより深・低重心化し、打感も向上

キャビティ内部に異素材をコンポジットさせているという意味では、ピンのi200アイアンなどがありますが、そのメリットは、シャープな見た目と機能的やさしさを両立させられる。その一言に尽きると思います。また、マッスルバックと比べて、芯を外した場合の打感の良さが得られるようにもなります。

気がついたらフェースになっている。ネックのつくりが絶妙だ

では、実際に構えたみた印象はどうか。これが実に絶妙です。下の写真は5番アイアンを構えたときの“顔”ですが、トップブレード後方にソールが見えるか見えないかの、ギリギリのラインに設定されています。フェース面とトップブレード“以外”が見えることを嫌う人は少なくありませんが、リーディングエッジと平行に見えるような工夫がされていて違和感はありません。

画像: 5番アイアン。よーく見ると、トップブレードの後ろにソール部分がちょっと見えるが、違和感は覚えない

5番アイアン。よーく見ると、トップブレードの後ろにソール部分がちょっと見えるが、違和感は覚えない

また、ネックからフェースへの流れも秀逸です。ネックはいわば円柱で、フェース面はいわば板。全く異なるカタチのものを違和感なく組み合わせるにはネックからフェースにかけてのつながりの部分の作りが極めて重要になってくるのですが、このアイアンはそこの処理がすごく上手い。ストレートに近いセミグースネックでフェースの向きをターゲットに向けて構えやすく仕上がっています。

トウ側が丸くやや面長に見えるため、ゆるやかなフェースターンをイメージしやすいのも好印象ですね。

ほどよく上がってほどよくやさしい。これはコースで結果が出せそう

画像: こちらは8番アイアン。「いつの間にかフェースになっていた」と言わんばかりのネックからのつながりはお見事

こちらは8番アイアン。「いつの間にかフェースになっていた」と言わんばかりのネックからのつながりはお見事

実際に打ってみましょう。シャフトはモーダスシステム3のツアー125のSシャフトです。まずは弾道はやや高めのドローボールが出ます。ネックの長さが短めに設定してあり、バックフェースにも厚みがあることから、低重心でボールが上がりやすく、構えたときの印象そのままにフェースターンがゆるやかに起こり、つかまってつかまりすぎない印象を受けました。

また、構えてみるとリーディングエッジがストレートで、シャープに見えます。それでいて、ソールのリーディングエッジ側は削ってあり、抜けの良さも確保されています。細かいところまで気くばりの行き届いた、メイド・イン・ジャパンらしい“おもてなしアイアン”と言えそうですね。

このアイアンは、昨今流行りのぶっ飛びアイアンではありません。ボールは上がりやすいですが、めちゃくちゃ上がるわけではありません。なにもかもが“ほどよい”。そして、そのほどよさは、小さな工夫や細部へのこだわりによってつくられたものと言えそうです。

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