ローリー・マキロイがテーラーメイドと長期用具契約を結んだことを自ら発表した翌日、親会社のアディダスがテーラーメイドをアメリカの投資ファンド、KPSキャピタル・パートナーズに売却したというニュースが飛び込んできた。ゴルフメーカーが抱える問題っていったい…?

売却先の発表直前に、マキロイとの契約を発表

「10年もプロをやっているから、何があってもそんなに驚かないけど、テーラーメイドの道具を手にしたときは興奮した。特にこのボールが気に入ってるんだ。今までのボールに少し不満があったからね」。ニューボール『TP5x』を手に本音を打ち明けたマキロイ。

世界ランク2位の彼が仲間入りしたことで、同1位のダスティン・ジョンソン、3位のジェイソン・デイ、さらにマスターズチャンピオンのセルヒオ・ガルシアら、トッププレーヤーがテーラーメイドに勢ぞろいしたと大きな話題を呼んでいる。

画像: マスターズの練習日ではセルヒオ・ガルシアと会話する場面が。クラブについて話していたのかもしれない(写真は2017年のマスターズ練習日)

マスターズの練習日ではセルヒオ・ガルシアと会話する場面が。クラブについて話していたのかもしれない(写真は2017年のマスターズ練習日)

ところが以前から囁かれていたテーラーメイドの“身売り”先が決まったのがその翌日。スポーツ用品世界2位のアディダスが傘下のテーラーメイド、アダムスゴルフ、アシュワースを、ニューヨークを拠点とすると投資会社KPSキャピタル・パートナーズに4億2500万ドル(約480億円)で売却することで合意したとの発表があった。

儲かっていればアディダスはテーラーメイドを手放したりしない。それを手放したのだからやはり実情は苦しいのか?

ナイキの撤退、大手チェーン倒産が相次いだ2016年

ゴルフ業界が抱える厳しい現実を浮き彫りにした“事件”が、昨年8月のナイキ用具ビジネスからの撤退。アメリカでは時期を同じくして全国展開していたゴルフスミスというチェーン店が倒産しており、各メーカーから「クラブが売れない」という悲鳴が聞こえてきた。もはや選手への憧れがゴルフクラブの購買意欲に直結する時代ではないのが現実だ。

画像: ナイキ撤退後は様々なクラブを試したとか(写真は2017年のマスターズ練習日)

ナイキ撤退後は様々なクラブを試したとか(写真は2017年のマスターズ練習日)

ちなみにアディダスは1997年にサロモン社(フランスのスポーツメーカー)からテーラーメイドを14億ドル(現在のレートで約1820億円)で買収している。

アディダスゴルフは5年前の2012年、17億ドル(約2210億円)の収益をあげたが、昨年(2016年)の収益は5億ドル(約650億円)を超える程度。たった4年で収益が3分の1弱になったということ。一説にはクラブの安売りや行き過ぎたダンピング合戦が業界を圧迫しているとの声も。

アメリカでは「ファーストタイムゴルファー」が過去最高を記録

一方で昨年アメリカではファーストタイムゴルファー(初めてゴルフをする人)が250万人を超えた。ナショナルゴルフファウンデーションによれば、これは過去最高の数字だというから、今後に向け明るい材料のひとつといえそうだ。

しかもツアーは相変わらずバブル絶頂。先日も年間スポンサーのフェデックス(流通最大手)の契約更新が決まり、年間王者に10億円の破格ボーナスが与えられるフェデックスカップシリーズが2027年まで継続されることになった。ツアーは盛況なのにゴルフ用具業界は不振にあえぐ。何ともちぐはぐな感じがするが、この状況は今後しばらく続きそう。

タイガーに憧れたマキロイや松山英樹世代がツアーの中心を担う時代。用具業界に起死回生の起爆剤が登場するのはいつ!?

※2017年5月12日18時6分、誤字を修正しました

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