2017年10月2日に発表された、10代目ゼクシオこと「ゼクシオ テン」。そのキャッチフレーズに”飛びの芯食い体験”とあるように、ゴルファーに芯を食わせるクラブ作りがコンセプト。キャッチフレーズ通りのクラブになっているのかどうなのか、プロがコースでテストした!

振りやすくてスウィートエリアの反発性能が高い。だから「芯」に当てやすい

シリーズ10作目となるゼクシオ テン。今作は“芯に当たりやすい”というのが売り文句だ。その仕組みは二段階あり、まずシャフトが体のブレを抑えることで打点を安定させ、同時にフェースのスウィートエリアの反発性能を向上させることで、芯“そのもの”も広がっているという。

そんなゼクシオ テンのドライバーを、プロゴルファー・中村修がヘッドスピードを40m/s程度に揃えて試打。まずはそのファーストインプレッションから聞いていこう。

「実際にコースで打ってみて、体のブレを抑えてくれるとまでは感じませんでしたが、“芯を食いやすい”という感覚は得られました。それには理由がふたつあります。ひとつめはシャフト。ダウンスウィングでとにかく素直にしなってくれるんです。その結果、非常に振りやすい。高性能なシャフトとヘッドとのマッチングが非常にいいため、ストレスなくフィニッシュまで振り切ることができます」

と、まずはクラブとしてのトータルバランスを評価した。ゼクシオは、ご存知の通りかれこれ20年近く売れ続けている日本を代表するブランド。であるがゆえに、ターゲットゴルファーの幅は極めて広く、その開発は常に“万人受けすること”を求められる。

万人受けを狙ったクラブは往々にして特徴を失ってしまうものだが、ゼクシオの場合は誰が使っても(あるいは、非常に多くのゴルファーが)振りやすく感じるという個性にまでその性能を突き詰めているというわけだ。

「芯で打てる理由の二つ目は、オフセンターヒットへの強さです。芯を外したときの曲がり幅や距離の落ち込みが少ないから、“真芯”を食わなくても芯に当てたのと同じような弾道が得られる。また、ゼクシオならではの金属質な打球音も加わって、どこに当たっても芯を食ったような感覚があるんです」(中村)

画像: クラウンのトウ側とヒール側を肉薄化し芯を左右だけでなく上下にも広げている

クラウンのトウ側とヒール側を肉薄化し芯を左右だけでなく上下にも広げている

さて、発表時に賛否両論分かれたのが、そのヘッドカラー。かなり明るめのブルーになっているが、それに関して中村はこう言う。

「最近、青いヘッドって減りましたよね。その分だけ、青=ゼクシオというイメージがますます増している気がします。ゼクシオ テンはかなり明るいブルーですが、芝の上にティアップしたボールの横にポンと置くと、緑・青・白のコントラストでよく見えますよ」

中村によれば、従来通りレギュラーモデルは全体的に軽く軟らかいため、ヘッドスピードが42m/s以上だったり、しっかりと振りたい人にはシャフト重量がやや重めの「ミヤザキモデル」がオススメとのこと。

FWは「上がりやすい」。ハイブリッドは「強い球」!

ゼクシオシリーズは、ドライバー、アイアンだけでなくフェアウェイウッド、そしてハイブリッド(今作からユーティリティではなく、ハイブリッドという呼称を採用)も含めてトータルでセッティングするゴルファーが多く、過去モデルを見てもFW、UTは高く評価されてきた。10代目も、安定の性能を発揮しているようだ。

画像: 3番から9番までラインナップのあるFW。シャローフェースで球が上がりやすく打感はシャープ

3番から9番までラインナップのあるFW。シャローフェースで球が上がりやすく打感はシャープ

「FWはシャロー(薄い)フェースでいかにもボールが上がりそうに見えます。そして、実際に打ってみても印象通りに球が上がるので、無理に上げようという動きが入りにくく、スウィングにも好影響を与えます。ドライバー同様の振りやすさ、鍛造フェースのシャープな打感も好印象です。フェアウェイからの弾道は高く前へと飛び、ソールが滑って抜けも抜群でした」(中村)

画像: ロフト18度のH3から26度のH6まで番手別にフェース厚を変えることで各番手の機能を高めた

ロフト18度のH3から26度のH6まで番手別にフェース厚を変えることで各番手の機能を高めた

一方のハイブリッドはというと、FW同様のシャープな打感と振り抜きやすさがありつつ、「FWよりも球の強さを感じました。ラフでボールが沈んでいてもフェース厚があるのでしっかりボールをとらえられました。FWに比べるとラフからのショットはハイブリッドに軍配があがります」とのことで、球の“上げやすさ”をとるか、“強さ”を求めるかで、セッティングが変わりそうだ。

アイアンは上がりやすさと直進性が魅力

最後はアイアン。こちらは「フェースが大きいのに抜けがいい」のが特徴。ソールのバウンスや、やや丸みを帯びた形状が影響しているようで、抜けがいいから球も上がりやすい。

スペック的にはロフトを1度立て、長さは0.25インチ伸びている。「ロフトが立ったことによる初速アップもさることながら、長くしたことによる上がりやすさを評価したい」と中村。弾道が高く、大型フェースの影響でミスヒットに強いのは、アマチュアにとって大きな魅力だ。

画像: 前作よりも0.25インチ長く、ロフトも1度立てたが重心深度は深くなり、飛距離とやさしさを両立させた

前作よりも0.25インチ長く、ロフトも1度立てたが重心深度は深くなり、飛距離とやさしさを両立させた

「ヘッドが大きいこともあり、インサイドインにフェースを開閉しながらダウンブローに打つ、といった、かつてのプロモデルに求められたような打ち方はまったく必要ありません。パターの延長線上といったイメージで、フェースの開閉を抑えたときにもっとも性能を発揮するアイアンと言えそうです。ソールの幅とややラウンドした形状のせいか抜けの良さを実感しました。左足下がりのライから8番アイアンで打った場合でもスライスせずにしっかりと球を上げてくれて、グリーンをキャッチできました。ラフからでもフェースの大きさを感じられないほどスムーズに振り抜けたので、飛距離の落ち込みも少ないです。それとセットで組み合わされるSWに感心しました。見た目は大きくやさしいとは思いましたが、ひとことで言うと完全オートマチック。スピンもしっかりかかるし、バンカーからも開かなくても簡単に脱出できます。AWも同じくオートマチックに寄せられました。このウェッジは寄せが苦手な方には特におススメです」(中村)

強いて難点を挙げるとしたら、弾き感と裏腹の打感の硬さ。弾道的には「飛び系」のボールとの相性が抜群にいいが、打感の硬さが気になる人は、飛び系でも少しコアの軟らかいウレタンカバー系のボールを選ぶのがいいという。

契約プロの吉田弓美子がゼクシオ テンドライバーにチェンジして早々に優勝するなど、幸先のいいスタートでツアーでの評価も高いゼクシオ テン。従来のゼクシオユーザーの期待を裏切らない“正統進化”したクラブとなっている。「やっぱりゼクシオ」の人はもちろん、「そろそろゼクシオ」「一度はゼクシオ」の人も、一度試打会に足を運んでみてはいかがだろうか。

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