45歳以上の女子プロを対象としたトーナメント「レジェンズツアー」。2018年は5試合開催されるが、そこで驚きの使用率22%を誇るドライバーがあるという。しかも、大メーカーのクラブではなく、地方発のいわば地クラブ。この謎のクラブ、調べてみたらツアーに参戦する女子プロが自ら開発したクラブだった!

プロが作って自ら使ってPR

女子ツアーで人気のヘッドといえば、テーラーメイドの白いヘッドの「グローレ」が思い浮かぶ。他にもキャロウェイの「ローグ」やダンロップの「ゼクシオ」なども人気だ。ただ、人気抜群の女子ツアー選手の場合、たいていの場合メーカーとクラブ契約を交わしており、契約先のクラブを使う場合がほとんど。

レジェンドツアーの場合、その“縛り”がゆるい。というか、実際のところ、多くのプロがクラブ契約も、ウェア契約もないのだという。なので必然的に、プロたちは自分の使いたいクラブを自由に使っているケースが多いのだという。

そんなレジェンズツアーで使用率22%のドライバーがあるという噂を耳にして、調べてみたら面白いことがわかった。そのドライバーの名は「Waoww(ワオ)」。聞きなれない名前だが、実はこのクラブ、2002年のリゾートトラストレディスで優勝経験があり、自らもレジェンズツアーに参戦する我妻弘津江(あずま・こずえ)プロが自ら立ち上げた会社で開発したヘッドなのだという。

というわけで、我妻プロに話を聞いた。

画像: 女子レジェンズツアーで使用率22%を達成した「ワオ」ドライバー

女子レジェンズツアーで使用率22%を達成した「ワオ」ドライバー

「レギュラー時代に使っていたスペックが年齢とともにしんどくなってきたので、自分に合うクラブを作りたいと思うようになりました」(我妻)

そうして生まれたクラブを自らが使い、レジェンズツアーで周りの女子プロに勧めたところ、瞬く間に使用率が高まったのだとか。このように広がった背景には、45歳以上のレジェンド選手たちにとって、最近の軽くて硬いシャフトはちょっぴり苦手な場合が多いことも背景にあるという。

「シャフトは最近は軽くて硬いシャフトになってきているようですが、私たちの年代は重量があって重さを感じられるのが好きなんですよね。今の選手はトップがコンパクトですが、私たちの世代はシャフトが地面と平行か少し大きくなるくらいにして、重さを活かして飛ばしていましたから。でも、重すぎてもやっぱり飛ばせない(笑)。アーチというシャフトと組み合わせることで、軽くても重みを感じて、かつボールが上がりやすいようにしています」(我妻)

打出し角14.2度でスピン量1678回転

さて、せっかくなので、どんなクラブか打ってみることにした。試打を担当したPGST(パフォーマンスゴルフスタジオ)の堀口宣篤プロは、打出し角の高さとスピン量に驚いたという。

「構えた感じはスクェアでフェースの向きは真っすぐ。非常にオーソドックスで構えやすいです。いつも通りの感じで打ったところ、打出し角が14.2度と高く、それでいてスピン量は1678回転と少なかったので、飛距離も出ました」(堀口)

画像: 新小岩にあるPGST(パフォーマンスゴルフスタジオ)の堀口プロは打出し角の高さとスピン量の少なさに驚いた(計測はフライトスコープを使って3球打った平均の数値)

新小岩にあるPGST(パフォーマンスゴルフスタジオ)の堀口プロは打出し角の高さとスピン量の少なさに驚いた(計測はフライトスコープを使って3球打った平均の数値)

「レジェンズツアーの選手を想定してヘッドスピード40m/s前後でも打ってみたのですが、シャフトのブレが少ないです。一発の飛びというよりラウンドを通してコンスタントに飛距離と方向性を期待できるクラブだと感じました。その辺りがレジェンズの選手たちに選ばれる理由ではないでしょうか。ひとつ要望があるとすれば、カラーリングですね。男性が使うなら落ち着いたカラーが欲しいです」(堀口)

南の島の海を思わせるヘッドの水色は、やはり好みが分かれそう。最後に、我妻プロになぜこのような鮮烈なカラーにしたのか、聞いてみた。

「たとえば黒だったら、“そのドライバー、どこの?”とはなりませんよね? でも、これだけ派手なのを使っていると、みんなが興味を持ってくれるんです」(我妻)とのこと。ド派手なカラーであることで、他の女子プロたちが「これ、ナニ?」と興味を示し、打ってみると同世代のプロが作ったこともあり、なるほど打ちやすいということで、ツアーで広がっていったのだとか。このあたり、我妻プロ、なかなかの策士である。

「ツアーでは今4人から5人に1人くらいの割合で使ってもらってます」(我妻)という謎のドライバー。その正体は、女子プロが開発し、自ら使ってPRしたクラブだった!

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