こんな噂を耳にした。「ミズノのドライバー『JPX900』のロフトを、調整機能を利用して思いっきり立てて、同時に重心深度を深くすると飛ぶ」。その噂は本当か、検証してみた!

こういう実験は極端にやったほうが結果が明らかになりやすい。というわけで、7.5度から11.5度まで調整できるロフトを、一番“立ってる”7.5度にセット。当然ボールが上がりにくくなるので、その分だけソール中央部のウェートを一番後ろに移動した。

これは重心深度が一番深くなるポジションで、重心深度が深くなると、一般にボールは上がりやすくなる。つまり、「上がりにくいロフト」と「上がりやすい重心位置」の相反する要素を組み合わせたというわけだ。

プロ資格を持つ編集部員・中村修がヘッドスピード46m/sで試打してみると、第一声は「これ、いい!」だった。強い弾道で、前に前に飛んでいく感じだ。

弾道計測器「フライトスコープ」による弾道図を見てみると、まず弾道の高さは24.9メートル。ピンとこないかもしれないが、これはやや低めの中弾道の数値。「スピン量」は2659回転とほどよく、打ち出し角10度の低めの打ち出しながら、飛距離は256.6ヤードまで達している。

画像: ロフト「7.5度」ながら、程よい中弾道となった

ロフト「7.5度」ながら、程よい中弾道となった

重心深度を深くすると、生まれる効果は大きく2つある。1つは、ミスヒットへの寛容性が上がる。これは打ってみて感じられるほどの大きな効果だ。2つ目は打ち出し角とスピン量の増大。インパクト時、衝撃でフェースは上を向く方向に動こうとするのだが、重心が深いほどその度合いが大きくなりやすい。そのため、重心が深いほどスピン量が増えて、打出し角も高くなる。

そして、低ロフトの魅力はなんといっても初速の速さにある。ロフトを立てることで初速を上げ、それにより失われる打ち出し角とスピン量を深い重心で補うのが、このセッティングのキモ。

そうはいっても、プロが打って打ち出し角10度なので、アマチュアにはやや厳しいセッティングなのもまた事実。このJPX900はロフトを1度刻みで調整できるから、一般的なヘッドスピード42m/s前後のアマチュアならば、8.5度くらいが理想の弾道を得られるセッティングとなるかもしれない。

「11.5度×浅重心」も試してみた

ついでに、「7.5度×深重心」セッティングとは真逆の、「11.5度×浅重心」セッティングも試してみた。これはロフトで打出し角を確保し、浅い重心深度でスピン量を減らす狙いのセッティング。

試打してみると、球は上がるがスピン量も多くて風にも影響されそうな印象。スピンが3726rpmと大きく増えてしまい、打ち出し角は14.6度と理想的だったものの、飛距離も241.0ヤード止まりだった。このセッティングは、ボールが上げられなくて飛距離を損している人に向きそうだ。

画像: 11.5度×浅重心の弾道図。「こちらもいけるかも⁉︎」と思ったが、不発だった。

11.5度×浅重心の弾道図。「こちらもいけるかも⁉︎」と思ったが、不発だった。


弾道を自由自在に「いじれる」のが魅力の今どきドライバー。こういう風に極端なセッティングを試してみると、その効果が実感できて面白い。みなさんも、せっかくの調整機能を使わないのは勿体無い! ぜひ、練習場で「実験」してみよう。

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