今シーズン自身初の賞金王に輝いた池田勇太は東北福祉大の出身だが、彼にとって2016年は同校の先輩後輩に刺激を受け、切磋琢磨したシーズンだったようだ。

現在のゴルフ界を牽引する、東北福祉大ゴルフ部出身選手たち

最後まで賞金王を争った谷原秀人、フルフィールドの最終戦カシオワールドオープンで、勝った池田に次ぐ2位に食い込みシード権内に滑り混んだ正岡竜二。池田が3期務めた選手会長の座を引き継いだ宮里優作。そして世界ランクトップ10に名を連ねる松山英樹。彼らはすべて東北福祉大ゴルフ部の出身である。

画像: 松山英樹を筆頭に、2016年は東北福祉大出身ゴルファーが大活躍した一年だった

松山英樹を筆頭に、2016年は東北福祉大出身ゴルファーが大活躍した一年だった

池田勇太は2年先輩・正岡竜二と仲がいい

星野英正の時代から王者・日大を凌駕しそれぞれの年代を代表する選手を輩出してきた同校。だが池田は入学当初、意外にも校風に馴染まなかったのだという。「そんなとき声をかけてくれて仲良くなったのが正岡先輩だったんです」(池田)

今でも2人は練習ラウンドを共にする間柄。だがその様子を覗いてみると「ダメだよ竜二さん、そっち狙うなって言ったでしょ!」と池田の手厳しいゲキが飛ぶ。もちろん愛あるが故の指導なのだが、どっちが先輩かわからない。実際、正岡の方が2年先輩だと聞いて「えっ、そうだったの?」と驚く人が続出。先輩後輩というより師匠と弟子のようにも見えてくる。

その2人がワンツーフィニッシュしたカシオワールドで池田は、シーズン一番といえるほどの喜びを爆発させた。大雨で最終日が中止になり3日目の成績で勝敗が決まったのだが、優勝したことより正岡が単独2位に入ってシードを決めたことを「自分のことのようにうれしい」と破顔一笑。「前代未聞の2ショット会見やっちゃいましたからね」と白い歯を見せた。面倒見の良い池田らしいエピソードである。

画像: 2016年「カシオワールドオープン」で、池田と正岡は同組でラウンドしワンツーフィニッシュを決めた

2016年「カシオワールドオープン」で、池田と正岡は同組でラウンドしワンツーフィニッシュを決めた

オフも忙しい賞金王。祝賀会では世界の舞台でも活躍することを宣言

ところで賞金王・池田勇太はオフに入っても忙しい。「頑張ったご褒美だと思ってるからなんともないよ」と言うが、連日各団体の表彰式やイベントに呼ばれ、スポンサー筋へ挨拶に出向くなどゆっくり休む暇はない。

相当お疲れのはずだが、自らの誕生日(12月22日)の翌日にはシーズンを通して見守ってくれたマスコミや関係者を招待し『感謝の宴』まで主催している。選手本人が身銭を切って一席設けるのは珍しい。しかも140人以上の招待客に満足してもらおうと、自ら料理のチェックをするやら、会場のテーブルの位置を指示するやら、敏腕プロデューサーぶりを発揮。お陰で心温まる宴となった。

画像: オフには「池田勇太 2016年 感謝の宴」を開催し、マスコミ関係者ら約140人を招待した

オフには「池田勇太 2016年 感謝の宴」を開催し、マスコミ関係者ら約140人を招待した

その席で池田は言った。「(松山)英樹を見ていて、自分もあのステージに行きたいという気持ちになりました」と。福祉大の後輩が歩みだした世界へ、池田も挑戦する意欲があるということだ。まずは世界ランク50位以内(年末の時点で33位)の資格で出場を決めたマスターズでの活躍が楽しみだ。ガンバレ、勇太!

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