いよいよ最終日を迎える2017年のマスターズ。優勝の行方がまったくわからない混戦模様となっているが、グリーン上でひときわ注目されるギアがある。トップタイのセルヒオ・ガルシアと11位タイながら勢いのあるプレーが印象的なジョン・ラーム。ふたりが使う赤いパター、実はツアーで話題の“優勝請負パター”だったんです。

使った選手が次々と勝利!? 「スパイダー ツアーレッド」は“魔法の杖”なのか

さて、このパターには逸話がある。元々はジェイソン・デイのために作られたプロトタイプで、赤いカラーリングはデイの地元・豪州に生息するセアカゴケグモに由来する。デイがこのパターを使って「第五のメジャー」と呼ばれる2016年のザ・プレイヤーズ選手権に勝利したことがきっかけで、ツアーでの使用者が増えた。

画像: 元々は「デイモデル」。第五のメジャーでの勝利で一躍話題に

元々は「デイモデル」。第五のメジャーでの勝利で一躍話題に

増えた使用者の中でも代表的なのが、2016年の全米オープン王者にして現世界NO.1のダスティン・ジョンソンだ。話は2016年のPGAツアープレーオフシリーズ「BMW選手権」にさかのぼる。本戦開始直前の水曜日、ジョンソンは何の気なしにこの「スパイダー ツアーレッド(正確にはそのプロトタイプ)」を手にする。いたく気に入ったジョンソンは、このパターの実戦投入を決意する。

ただ、直前になって「やっぱりジェイソン・デイと同じのはイヤ」と、たまたま同モデルの黒バージョンを持っていた弟におねだりして借り受け、見事優勝を果たす。以降、世界NO.1に上り詰めるジョンソンの手には、「赤蜘蛛」ならぬ「黒蜘蛛」が握られている。

画像: 左がデイモデルの赤スパイダー。右がジョンソンモデルの黒スパイダー

左がデイモデルの赤スパイダー。右がジョンソンモデルの黒スパイダー

赤スパイダーに話を戻そう。ジョン・ラームは2016年にデビューし、デビュー直後から大活躍していたが、勝利には手が届かなかった。転機が訪れたのは2017年の1月。ラームはなんとボールを含めた14本のクラブセッティングをほぼ“全とり換え”。その際、パターもこの赤いスパイダーにチェンジされていた。そして、その直後にツアー初勝利を挙げる。

2017年に入って欧州ツアーで1勝を挙げているが、そのときはこのパターを使っていない。月刊ゴルフダイジェストの編集部員が2017年3月に開催されたWGCメキシコ選手権でガルシアのクラブセッティングを撮影した際も、使っていたのはピン型の別のパター。

デイ、ジョンソン、ラーム……「替えた途端に勝つ」というジンクスが、ガルシアにも当てはまるのかもしれない。そうだとすればこのパターを“優勝請負パター”と呼びたくもなるというもの。

マスターズを制した初めての大型マレットとなるか?

マスターズを大型マレットで制した選手がいないのはマスターズトリビアのひとつ(2013年のアダム・スコットは大型マレットを使用していたが、長尺パターであり、今は規制されたアンカリングでの使用であるため除外)。

実際にこのパターをテストした「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修はこう語る。

「一番の特徴は、ウェートがヘッド後方の左右に分かれてある点。これより、究極のトウヒールバランスを実現しています。その効果は大きくふたつ。ひとつはミスヒットに強いこと。芯で打てたときはもちろん、少し芯を外した場合でもボールの転がりや方向性に対する影響が少なくなります」(中村、以下同)

画像: 赤スパイダーを上から。ウェートがヘッド後方に左右に分かれてセットされている

赤スパイダーを上から。ウェートがヘッド後方に左右に分かれてセットされている

トウヒールバランスパターの代表作といえばピンのアンサー。形状は大きく異なれど、その進化版・現代版的機能があるというわけだ。そして、ピンのアンサーといえばマスターズを幾度となく制してきた形状である。

「もうひとつのメリットは、ウェートが後方にあることで、アッパー軌道になりやすいという点です。実際、デイの使用パターの画像を見ると、ウェートのあるソール後方部分がすれて塗装が剥げています。アッパー軌道になるためにインパクト後にすれていることを表しているんです」

実際に打ってみても、アッパー軌道で打てることのメリットを実感できるようだ。

「実際にコースで使ってみると、ヘッドの軌道はグリーン面スレスレの超低空軌道。そこからアッパー軌道に入った辺りでインパクトできる感覚があります。『思ったタッチで狙ったラインに打ち出す』というパッティングの最大のポイントがやさしくできるパターという印象ですね」

大型マレットはオーガスタで勝てない。そのジンクスが破られるか、否か。そこにも注目だ!

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