マスターズが終わるとシーズンも折り返し地点。この時期海の向こうのツアーキャディたちは戦々恐々としているらしい。折しも女子の世界ランク1位、リディア・コーがわずか9試合で専属キャディを解雇したばかり。「他人事ではない」という声が聞こえてくる。

勝てないコーはキャディを次々とクビに

コーがクビを言い渡したのはセルヒオ・ガルシアのバッグを担いだこともあるゲーリー・マシューズ
氏。世界ランク1位ではあるが、最近の彼女にかつての勢いはない。

ツアー14勝しているものの最後に勝ったのは2016年7月のマラソン・クラシック。2017年4月のロッテ選手権で2位に入ったが、シーズン序盤のキアクラシックではプロ入り2度目の予選落ちを喫するなど不本意な戦いが続いている。

勝たせてくれないキャディに用はない、と思ったかどうかはわからないが、マシューズ氏によると「コーはチームで戦っているが、自分は蚊帳の外。コミュニケーションがまったく取れず詳しい事情は聞かされていない」。

画像: 2016年11月TOTOジャパンクラシックからバッグを担いでいたゲーリー・マシューズ氏をクビに。

2016年11月TOTOジャパンクラシックからバッグを担いでいたゲーリー・マシューズ氏をクビに。

これまでキャディを取っ替え引っ替えしてきた(昨年は8人)彼女には「キャディとの関係をどうすべきか、そろそろ自分で考えた方が良い」と皮肉をこめたアドバイスを贈っている。

両親がスケジュールや食事、睡眠時間に至るまですべてを管理するといわれているコーは特殊ではあるが、なぜかこの時期に解雇されるキャディは多いのだ。現にマスターズ翌週に行われたRBCヘリテイジ直後に、3人の専属キャディがクビになっている。

個々に事情は異なるが、この時期になるとシーズンの展望が見えてきて、何かを変えたくなる選手がいるというのが理由の1つ。また選手とキャディの間に慣れや緩みが生じ、気を引き締めるために新しいキャディを起用する選手もいるという。もちろん捨てる神あれば拾う神ありなのでご安心を。

「マスターズで思うような結果が出せないと、選手とキャディはぎくしゃくし始める。風の読みやパットのラインなど、オーガスタは特に難しいからね。たとえば12番パー3なんて1人の選手が同じクラブ、同じスウィングで3発打っても、奥、手前、右とまったく違う結果になる。それだけ風が厄介なんだ。池ぽちゃでもすれば、どうしてもキャディのせいにしたくなる。そこで亀裂が生じると5月中旬のザ・プレーヤーズ選手権(第5のメジャー)までにクビを言い渡されることが多い」と、あるベテランキャディは打ち明ける。

現在はキャディと選手の関係が希薄に!?

トム・ワトソンの相棒ブルース・エドワーズ氏(故人)や、ニック・プライスを世界最強に押し上げたジェフ・メドレン氏(故人/通称スクイーキー)、フィル・ミケルソンの専属を続けるジム・マッケイ氏(通称ボーンズ)といった、ひとりの選手を長きに渡って支える例もあるが、人間関係がドライになった昨今、キャディと選手の関係も希薄になりつつあるようだ。

ご存知の通り、松山英樹のキャディは高校、大学(明徳義塾→東北福祉大学)の先輩、進藤大典氏。同じく米ツアーで戦う石川遼のキャディは進藤氏と大学の同級生、佐藤賢和氏。

画像: 2017年マスターズで語り合う松山とキャディの進藤氏

2017年マスターズで語り合う松山とキャディの進藤氏

選手同士もライバルなら、キャディ同士もお互いを知り尽くしたある意味ライバル。これは非常に珍しいケース。日本の2組に限ってキャディ交代劇はありそうもない。安泰の関係を羨望の眼差しで見つめるキャディもアメリカにはいるのかもしれない。

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