日本人として初めて米女子ツアー賞金女王に輝いた岡本綾子。そのスウィングはかの野球のイチローがバッティングの参考にしたほど。多くの女子プロを一流に育て上げた指導者としても知られる岡本が、そのスウィング論をまとめたのが1995年刊行の単行本「LESSON!」だ。名著の中から、今なお色褪せない“珠玉の言葉”を探しにいこう。

「インパクトの瞬間が見える」って、どういうこと?

ヘッドアップは、もしかしたらアマチュアゴルファーにとってもっとも親しいミスではないだろうか。インパクト直後、ボールの行方が気になって、ついつい頭が上がってしまう。「あ〜、今ヘッドアップしちゃったよ」と思わず口をついて出る。わかっちゃいるけど止まらない。それがヘッドアップというものだ。このヘッドアップについて、岡本綾子はこう記している。

「プロは『インパクトの瞬間が見える』といいますが、ボールがクラブフェースに当たる瞬間なんて、超高速度撮影をやってようやく見ることができるもの。実際に肉眼で見えるわけはありません。ただ、ボールがフェースに当たって飛び出していく様子の『残像』は見えるような気がします。また、そこまで自分の眼に焼き付けようという気持ちでいれば、ヘッドアップする心配もなくなるはず」

画像: 1995年撮影の一枚。その目にはボールの残像が焼き付いているに違いない

1995年撮影の一枚。その目にはボールの残像が焼き付いているに違いない

ヘッドアップするのをやめよう。その意識では、ヘッドアップは防げない。ボールの行方が気になって、それを目で追ってしまうのは無意識の行動だからだ。インパクト直後のボールの「残像」を目に焼き付けることだけに集中する。そうして、別の意識を持つことで初めて、ヘッドアップは防げるということだろう。

「打った瞬間に自分のボールがフェースのどこに当たり、どんな回転でどの方向へ飛び出したかが感覚的にイメージできる、というのが『インパクトが見える』という表現になっているのだと思う」と岡本。ボールの残像を見るんだという意識。それを持ち続けることで、インパクトの感覚はどんどん研ぎ澄まされていくのだ。

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